建物の高層化や地震による大きな引抜き力に対応。コンクリート量・掘削土量等を削減して経済的・環境配慮。HND-NB工法(杭軸部中間および先端またはどちらか一方に拡径部を有する場所打ちコンクリート杭工法)
概要
『HND-NB工法』は、杭軸部中間および先端またはどちらか一方に拡径部を設けて鉛直支持力および引抜き抵抗力を期待する場所打ちコンクリート杭工法です。従来のHND工法(※1)の特徴である杭の先端部の拡底による支持力向上に加えて、今までより拡底部の引抜き抵抗力を大きく評価できるようになりました。またさらには、杭の中間部にも拡径部を設けることで、押込み支持力および引抜き抵抗力を向上させることができます。
- ※1HND工法
杭の軸部を掘削機(アースドリル機)により所定の支持層深度まで掘削した後、杭の孔底部を“HND拡底バケット”を用いて拡大掘削することによって場所打ちコンクリート拡底杭を構築する工法。1989年に評定取得以降、これまで数多くの施工実績をもつ
HND-NB工法で施工した杭(中間拡径部)
対象杭形状
施工手順例
採用メリット
従来工法との比較
従来より杭長が短く、軸部径が細くても同等の支持力と引抜き抵抗力を得ることができるため、以下のメリットがあります。
- ①使用するコンクリート量を削減できるため経済的。
- ②短時間で施工。
- ③使用するコンクリート量や掘削土量の削減ができ、またそれらを運搬する車両の削減につながり、環境に配慮。
開発の目的・背景
近年、集合住宅の高層化に伴い、杭が負担する軸力(押込み力と引抜き力)が大きくなっています。特に高層集合住宅では地震時に発生する大きな引抜き力への対策として、杭長を伸ばしたり杭径を大きくするなどの対応を行っています。そこで、今までより拡底部の引抜き抵抗力を大きく評価でき、さらには、杭の中間部にも拡径部を設けることで、押込み支持力および引抜き抵抗力を向上させることができる杭工法を開発しました。
詳細情報
技術審査証明と評定を取得
模型実験や、新たな施工機械の開発、実際に施工し施工性の検証を行う実大施工実験、実際の杭で性能を確認する実大載荷実験等を実施し、当社と杭施工会社である日興基礎(株)および大亜ソイル(株)の3社で、一般財団法人ベターリビングの建設技術審査証明と評定を共同取得しました。
施工風景
実大施工実験風景