~安心安全な住まいを提供~実大10階建て建物の震動台実験(世界最大規模)
概要
当社では、2018年度に国立研究開発法人防災科学技術研究所(以下、防災科研)が行った「高耐震鉄筋コンクリート造建物の耐震性能と普及型高耐震技術に関する実験(※1)」にて、防災科研との共同研究により、マンションの内外装部材の検証を実施し、安全性・耐震性を確認しています。
- ※1世界最大規模の実物大建物を用いた、三次元震動台(※2)による実験
- ※2三次元震動台:前後、左右、上下の3方向に建物を揺らすことができ、地震時の状況を再現できる実験装置
実験の概要と結果
実験の概要
建物の試験体としては世界最大規模の、実物大の10階建ての鉄筋コンクリート造建物における2階部分にて、マンションの居室を想定した試験室を作製し、兵庫県南部地震(マグニチュード7.3)と同様の地震波(※3)による加震を計4回行い、耐震性、安全性を確認しました。
実際の実験時の動画です。
- ※3兵庫県南部地震(M7.3)において神戸海洋気象台で観測された地震動(計測震度6.4、震度6強)
実験の結果
・各部位の安全性の確認結果
- 1.ALC外壁・・・軽微な損傷のみで、構造上および継続使用に支障なし
- 2.外装タイル仕上げ・・・軽微な損傷のみで、継続使用に支障なし
- 3.玄関スチールドア・・・軽微な損傷のみで、開閉に支障なし
- 4.内装壁・・・軽微な損傷のみで、大きなダメージは見られず
- 5.給水立て配管・・・管本体および継手部ともに損傷なし
開発の目的・背景
内外装部材に関する耐震性の検証に関しては、机上でのシミュレーションや、地震時の状況を再現するのではなく機械的に荷重を与えて行う検証が一般的で、実物大の建物での三次元震動台を用いた動的な検証の事例は少なく、実際の地震時の安全性や挙動に関する情報はまだまだ少ないのが実情です。今回、実物大の建物の震動台実験による内外装の安全性・耐震性の検証を、机上でのシミュレーションや他の実験結果と対比しながら行い、安全性・耐震性の検証を行いました。