躯体工事を省力化し生産性向上を図る仕口内継手工法

概要

「仕口内継手工法」は、通常は梁の中間に設けられる梁主筋の機械式継手を、柱梁接合部(仕口部)に内蔵する工法です。主筋の機械式継手を仕口部に設けることにより、主にプレキャスト工法を採用する際の躯体工事を省力化し、生産性の向上に寄与します。

工法概要

採用メリット

プレキャスト工法採用の際、以下の効果が期待できます。

  • 柱―柱間での梁接合のための型枠や現場打ちコンクリートが不要。
  • 柱―柱間を一本のプレキャスト梁部材とすることが可能。

開発の目的・背景

従来、プレキャスト工法を採用する際、プレキャスト梁部材は、柱―柱間(スパン)の中間で分割され、梁主筋を機械式継手により接合していました。このため、梁スパン内の機械式継手周囲で型枠を組み立て、現場でのコンクリート打設が必要でした。
これに対して、本工法では、梁主筋の機械式継手を柱梁接合部(仕口部)の内部に設けるため、スパン内でプレキャスト梁部材を分割する必要がありません。このため、梁接合のための型枠やコンクリート打設が不要になります。また、スパン内で分割せず一本の部材とするため、据付精度が向上し躯体の品質向上にも寄与します。

詳細情報

建築技術性能証明の取得

本工法の開発に当たり、当研究所では梁主筋の機械式継手を内蔵した柱梁接合部の構造性能確認実験を実施しました。構造実験から、梁主筋の機械式継手は、柱梁接合部の耐震性能に影響を及ぼさないことを確認し、構造設計方法を定めました。また、本工法は2015年6月に(一財)日本建築総合試験所において、建築技術性能証明を取得しました。

構造実験状況
試験体破壊状況