DXでコンクリートの強度発現を管理RFIDセンサーシステム
概要
温度センシング技術を搭載したRFID※を用いて、構造体コンクリートの効果による強度の発現を遠隔でモニタリングできる”RFIDセンサーシステム”を開発しました。
- ※RFID(Radio Frequency IDentification)とは
電磁界や電波などの無線通信を用いて、ICタグなどの情報を非接触で読み書きする自動認識技術。リーダー・ライターから発せられる電波を電源として作動するため、電池交換が不要でセンサーの小型化、薄型化が可能
RFIDセンサー(シール状)の概要
採用メリット
コンクリートの品質管理をDX
- 建設現場で型枠に打ち込まれるコンクリートは、硬化初期のコンクリート強度に応じて型枠を取り外すなどの次工程に移行します。
- コンクリートを打込む型枠の内側に設置した“RFIDセンサー”が測定したコンクリート温度から、硬化初期のコンクリート強度を推定するもので、リアルタイムに遠隔でコンクリート強度の発現をモニタリングできます。
- そのため、迅速な次の施工工程への移行による作業効率向上や供試体の削減による二酸化炭素の排出量および廃棄物の削減が期待できます。
RFIDを用いた作業性の向上
- コンクリートを打込む型枠の内側に“RFIDセンサー”を設置し、外側に“読取り機”を取付けることで打込まれたコンクリートの温度データを測定し記録します。
- RFIDセンサーはシール状であるため型枠の内側に貼付するだけで取り付けることが可能で、設置に際して配線処理や型枠の加工が不要です。
- RFIDセンサーは非常に薄型で、型枠を取り外した後のコンクリート表面の痕跡がわずかであるため、手直しや仕上げ施工への考慮も不要です。
型枠取外し後のRFIDセンサー貼付箇所のコンクリート表面
無線通信のため遠隔でコンクリートの強度発現を確認可能
- RFIDセンサーで測定したデータは型枠の外側に設置する読取り機で無線により記録します。
- 記録された温度データは、クラウドに自動で転送されます。この温度データを用いて建築基準法の告示に示される推定式からコンクリートの強度を推定することで、遠隔からもリアルタイムで強度発現の確認が可能です。
本システムの構成
開発の目的・背景
構造体コンクリートの品質管理において、コンクリートの温度履歴から次工程に移行する方法があります。従来、温度の測定は有線の熱電対や無線だが高価な埋込式の測定機が用いられていました。
RFIDセンサーシステムは無線かつ安価に温度の測定ができ、かつ遠隔管理が可能と現場施工の合理化・便利化となるDX技術として開発しました。
詳細情報
RFIDセンサーシステムの開発
RFIDセンサーシステムはTOPPANエッジ(株)との共同開発です。両社は、働き方改革や二酸化炭素の排出量削減による環境負荷の低減を目指し、建設現場のDXに向けた開発と普及を共同で推進しています。