超高層集合住宅における部材断面のスリム化やワイドスパン化等、躯体に関する多様なニーズに対応超高強度材料(Fc150)を用いた超高層RC造建物の設計施工ガイドライン
概要
超高強度材料(設計基準強度150N/mm2級(Fc150)コンクリート等)を用いた超高層RC造建物の設計施工ガイドラインを開発しました。
採用メリット
- 超高層集合住宅の柱断面スリム化やワイドスパン化が可能となり、間取りの自由度が向上
- 高さ200m、60階建てまで適用可能
開発の目的・背景
当社では、2003年に「設計基準強度120N/mm2(Fc120)までの超高層RC建物の構造設計ガイドライン」を開発し、これまでに複数の超高層集合住宅の構造設計に活用してきました。一方、近年の超高層集合住宅では、更なる高層化が進むとともに、住戸プランの自由度向上を図るため、柱断面のスリム化やワイドスパン化などが求められることが少なくありません。これらのニーズに対応するには、特に下層階の柱で、従来よりも高強度の材料が必要となります。
こうしたことから、当社では、設計基準強度150N/mm2(Fc150)級コンクリートに代表される超高強度材料を用いた超高層集合住宅の設計施工技術を開発しました。
詳細情報
当研究所における取り組み
Fc150級コンクリートを用いる柱では、部材断面をスリム化できる一方、地震時にコンクリートが急激に破壊するおそれがあることが知られています。そこで、当社では鋼板巻き補強を行うことで、地震時のコンクリートの損傷を防止します。
当研究所では、Fc150級コンクリートを用いた柱および部分架構の構造性能確認実験を行い、鋼板巻き補強によりコンクリートの損傷を防止できることを確認しました。また、鋼板巻き補強したFc150級柱の実大施工実験を実施し、施工方法の検証を行いました。
超高強度材料を用いた柱部材実験
超高強度材料を用いた柱梁部分架構実験
鋼板巻き補強したFc150級柱の実大施工実験