RFIDを用いた排水管通球試験システムを開発DrainTrace(ドレイントレース)

概要

マンション建設を主力とする当社は業務へのICT活用の一環として、これまで手作業で行われていた竣工時の排水管通球試験にRFIDを活用したシステムを開発しました。その結果、当該検査に関連する業務時間の約3割を削減することに成功しました。

  • RFIDとは
    RFID(radio frequency identifer)は非接触認証技術であり、現在は衣料品の在庫管理などによく使われる汎用技術。発信機(リーダー)の電波を受信機(RFIDタグ)が受けると、タグに搭載しているICチップの情報を発信機に送り返す仕組み。
  • 排水管通球試験とは
    マンション内の排水が共用の排水立て管/横主管を通り、屋外排水桝まで確実に接続されていて、管内に異物などの障害がないことを確認するための検査で、排水管の中に試験球を流して確認する。
  • DrainTrace(ドレイントレース)とは
    排水管通球試験をRFIDを利用して効率化させるためのスマートデバイス用アプリケーション。
排水管通球試験システム概念図
投入するボールの読み取り
到着したボールの読み取り

採用メリット

これまで手作業で行なっていた排水管通球試験をRFIDで行うことにより下記のメリットがあります。

  1. 1.試験ボールにつけた複数のタグを同時に読むことができ、複数同時に投下が可能となる
  2. 2.タイムスタンプ機能でストップウォッチが不要となり、正確な時間計測ができる
  3. 3.不正なデータ作成が困難であり、実績管理がしやすい
  4. 4.電子データを利用し帳票作成が可能

開発の目的・背景

従来、排水管通球試験は全ての作業が人力・手作業で行われていました。
(ボール投入、トランシーバー連絡、通水、ボール捕球、ストップウォッチ計測、記録、清書)
この試験を配管系統ごとに繰り返し実施する必要があり、時間と人手の掛かる作業でした。また、全ての系統の試験が完了した後、事務所に戻って記録メモをエクセルの報告書に清書し、報告書として提出する必要がありました。この作業記録を電子化すること、および省力化することが可能な技術として、RFIDを利用することとなりました。