躯体コンクリートの品質向上 “コンクリートのひび割れを目地内に誘って防げ”CCB-NAC工法(鉄筋挿入型ひび割れ制御-増打ちなし工法)
概要
CCB-NAC(Crack Control Bar - No Additional Concrete)工法とは、鉄筋コンクリート造耐震壁(無開口)の収縮ひび割れ発生位置を制御する工法で、確実に誘発目地内へひび割れを誘導させると同時に、目地部以外の壁面にひび割れをほとんど発生させないことを可能とするものです。本工法の特長は、目地位置でのコンクリート比率を減らす手段として、目地に沿って太径異形鉄筋のひび割れ誘発材および壁縦筋を直線状に配置し、壁の増打ちコンクリートが不要とできるメリットがあります。
採用メリット
技術の特徴
- ひび割れを目地内に誘導できるため、防水処理が容易になり、美観を損ないません。
- 通常の耐震壁と同等の強度を持つため、雑壁をはじめさまざまな箇所に使用できます。
- 特殊材料を使用しない(JISの規格品の異形棒鋼)ため、品質や耐久性等に関する懸念がありません。
- 専用の固定ジグを使用することで、簡易ながらも精度の高い施工を可能にしています。
- 鉄筋工による一連の作業の中でひび割れ誘発材の取り付けが可能であり、類似工法と比較して作業効率に優れ、対策費用が安価です。
- CCB-NAC工法を用いた耐震壁の耐力は、構造壁厚を目地底ではなく全壁厚として評価できるため、CCB工法採用の際に必要であった目地深さ厚の増打ちコンクリートが不要になります。
詳細情報
(一財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明書改定
「CCB工法-異形鉄筋を用いるひび割れ誘発目地付耐震壁構法-(改1)」(CCB-NAC工法)はCCB工法の壁の増打ちコンクリートが不要な工法として、CCB工法協会工法研究会11社で構造実験、部材実験、有限要素解析を行い、それらの結果をもとに設計・施工指針を確立させ、2014年12月に(一財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明書を取得し、2016年10月にさらに合理的な耐力算定方法として改定しました。
CCB工法協会工法研究会
(株)淺沼組、(株)熊谷組、西松建設(株)、東亜建設工業(株)、(株)NIPPO、飛島建設(株)、大日本土木(株)、(株)長谷工コーポレーション、東急建設(株)、五洋建設(株)、共立建設(株)
本工法の適用範囲
ひび割れ誘発目地の深さの総和は、壁厚の 20%以内。
誘発材率(目地底間寸法に対するひび割れ誘発材の呼び径の比率)は、7.5%以上かつ 20%以下。
総断面欠損率(全壁厚に対する目地深さおよびひび割れ誘発材と壁縦筋の呼び径の合計の比率)は、25%以上かつ48%以下。
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