床スラブの拘束効果により従来必要だった部材を省略床スラブによる拘束効果を考慮した鉄骨梁横座屈補剛工法
概要
床スラブによる拘束効果を考慮した鉄骨梁横座屈補剛工法は、H形断面の鉄骨梁とシヤコネクタ※で連続的に結合されている床スラブによる拘束効果を利用して、鉄骨梁の横座屈補剛を行う工法です。本工法を採用することで、従来必要だった横補剛材を省略することができます。
- ※シヤコネクタとは
鉄骨梁と床スラブを結合するために用いる鋼材です。
従来工法と本工法との比較
採用メリット
- 鉄骨使用量削減により環境負荷低減に寄与
- 横補剛材の加工手間省略による施工性の向上
開発の目的・背景
鉄骨造建物の大梁には主にH形鋼を用いますが、強軸方向には高耐力を発揮する一方、弱軸方向には弱いために横座屈現象が生じやすいという弱点があります。そのため、一般的な設計では横補剛材を設けて、横座屈を生じることなく大梁の耐力を十分に発揮するように計画します。しかし、鉄骨使用量や加工手間が増えるといった問題点がありました。
詳細情報
総合建設会社10社での共同開発
本工法は、総合建設会社10社(奥村組(幹事)、淺沼組、北野建設、鴻池組、五洋建設、大日本土木、鉄建建設、東急建設、長谷工コーポレーション)で構成する横補剛省略工法研究会で研究・開発を行いました。
構造性能評価取得
横補剛省略工法研究会では、既往研究を参考に設計式を構築し、実験データベース分析やFEM解析により設計式の適用範囲や妥当性について検証することで、日本ERI株式会社の構造性能評価(ERI-K21008)を取得しました。
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