眺望を損なわず、住まいながらマンションを耐震補強長谷工ノンブレース補強フレーム工法
概要
「長谷工ノンブレース補強フレーム工法」は、眺望を妨げる斜めの筋交いを用いることなく補強間柱の配置することで補強効果の調整が可能となり、バルコニーの床スラブ下に幅広扁平梁と補強柱、補強間柱で構成した補強フレームを既存フレームに直付けすることで耐震性を向上させる耐震補強工法です。また、本工法は、条件を満たせば、既存の工法のように新設する補強フレームを基礎まで設置せず中間階での設置が可能となります。
- ※幅広扁平梁とは
一般の梁よりも梁せいが低く、梁幅が柱幅よりも広い梁
長谷工ノンブレース補強フレーム工法のイメージ図
採用メリット
工法のメリット
- 住戸の外側に補強フレームを直付けするため、住戸内の工事が不要
- 眺望を妨げる斜めの筋交いを用いることなく補強間柱を配置
- 建物の既存部分の解体・撤去を最小限に抑えるため環境にも優しい
- 条件を満たせば、中間階での補強フレーム設置が可能
一般評定取得
一般評定取得にあたっては、試験体による構造性能実験を行い、本工法が耐震性を向上できることを確認し、長谷工ノンブレース補強フレーム工法の耐震補強設計手法や施工・品質管理の要領等を盛り込んだ設計・施工指針を取りまとめました。
第3者評価機関である一般財団法人ベターリビングによって、その設計施工指針に示されている適用範囲、耐震補強設計方法及び補強後の耐震性能の評価は妥当なものと認められました。(CBL RC004-19号)
開発の目的・背景
耐震性が心配されるマンションにおいて、従来の工法が一般建築物の耐震補強を行うために開発されているため、既存スラブを撤去したり筋交いを用いたりしています。集合住宅では、これらが居住者の負担になったり、費用が嵩んだりします。これらのことが、耐震補強が進まない要因の一つとなっていました。
詳細情報
研究所における取り組み
構造実験で用いた試験体
技術研究所では、実物大の1/2.5縮尺の試験体を用意して構造性能実験を行い、本工法が既存フレームに対して耐震性能を向上させることを確認しました。また、既存スラブ下での鉄筋の配筋施工やコンクリートの打設施工の検証実験を行い、既存スラブ下であっても品質の良い施工が実現できることを確認していおります。