ひび割れ誘発目地に生じる力を吸収し、体積減少を抑制ポーラスレジンサンド(PRS)
-PRSを用いた目地充填工法-
概要
本技術は、珪砂とファイバー樹脂を混練して製造した材料(ポーラスレジンサンド、以下PRSと称す)をコンクリート表面に設けた目地内に充填することによって、目地形状の変形にあわせ、PRSの持つポーラス機構(空隙)により、PRSの内部に加わる圧縮力や引張力を吸収することで、クロス仕上げ面の亀裂を防止することを可能とする工法です。
- ※PRSとは
ポーラスレジンサンドの略で、珪砂とファイバー樹脂を混錬した材料のことです。
採用メリット
本工法では、躯体コンクリートに設けられた目地内に珪砂とファイバー樹脂を混練して製造したPRSによってポーラス機構が形成され、コンクリートとPRSの接着界面に亀裂は生じず(接着力が高く)、仕上げ面の亀裂、しわ、窪みが生じない状態を構築でき、壁等のコンクリート躯体表面に設けた目地に充填する材料による不具合防止技術を提供することが出来ます。
開発の目的・背景
建物のクロス貼り等の仕上げ層に亀裂等の不具合が発生することは、美観上および耐久性上の問題に発展することがあり、建物使用者のみならず、設計者や施工者においても最も防止したい現象の一つです。
RC造やSRC造の建物において、コンクリート躯体表面にクロス直貼りや塗装による仕上げを施す場合、コンクリート躯体そのもののひび割れを制御するために躯体表面に目地を設け、目地内にひび割れを誘導して制御する方法は、その目地内に充填する有効な材料がないため、積極的に採用されて来ませんでした。
従来の目地充填材料(モルタル等)を採用した場合は、コンクリートとモルタルの接着界面に亀裂が生じ、仕上げ表面にその亀裂が露見します。一方、追従性を重視してシーリングを充填した場合は、体積減少によって躯体表面より凹みが進行してクロス表面にしわが寄ったり、窪んだりします。したがって、目地を充填した部位の仕上げ表面の亀裂、しわ、窪みを防止するためには、目地形状の変化に対し、一定の追従性、圧縮強度、体積減少が少ない材料を開発する必要がありました。
詳細情報
建設材料技術証明取得
ポーラスレジンサンド(PRS)-PRSを用いた目地充填工法-を開発するにあたり、CCB工法協会PRS工法研究会の会員14社で各種検証実験を行い、(一財)日本建築総合試験所において、建設材料技術証明を取得しています。(GBRC 材料証明 第22-1号)
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