2017年12月01日
長谷工コーポレーションは、日興基礎および大亜ソイルと、場所打ちコンクリートによる中間拡径杭「HND-NB工法」を共同開発し、一般財団法人ベターリビングの建設技術審査証明と評定(証明番号:BL審査証明-030 評定番号:CBL FP005-17~FP007-17)を共同取得しました。(特許出願済)
近年、集合住宅の高層化に伴い、杭が負担する軸力(押込み力と引抜き力)が大きくなっています。特に高層集合住宅では地震時に発生する大きな引抜き力への対策として、杭長を伸ばしたり杭径を大きくするなどの対応を行っています。
今回評定を取得した「HND-NB工法」は、従来のHND工法(※1)の特徴である杭の先端部の拡底による支持力向上に加えて、今までより拡底部の引抜き抵抗力を大きく評価できるようになりました。またさらには、杭の中間部にも拡径部を設けることで、押込み支持力および引抜き抵抗力を向上させることができます。HND工法よりも杭長を短く、杭の軸部径を細くしても同等の支持力と引抜き抵抗力が得られるため、使用するコンクリート量や掘削土を削減することが可能になりました。
採用第一号の「(仮称)北野田駅前計画新築工事(所在地:大阪府堺市、総戸数:64戸、構造・規模:鉄筋コンクリート造14階建て、竣工:2019年9月予定)」および「(仮称)目黒3丁目計画新築工事」(所在地:東京都目黒区、総戸数:69戸、構造・規模:鉄筋コンクリート造15階建て、竣工:2019年11月予定)をはじめ、当社が設計・施工する新築分譲マンションに積極的に採用してまいります。
【「HND-NB工法」のメリット】
従来より杭長が短く、軸部径が細くても同等の支持力と引抜き抵抗力を得ることができるため、以下のメリットがあります。
1.経済的
使用するコンクリート量を削減することが可能
2.短時間施工
3.環境配慮
使用するコンクリート量や掘削土量の削減ができ、またそれらを運搬する車両の削減につながり、環境にも配慮しています。
(※1)HND工法
杭の軸部を掘削機(アースドリル機)により所定の支持層深度まで掘削した後、杭の孔底部を"HND拡底バケット"を用いて拡大掘削することによって場所打ちコンクリート拡底杭を構築する工法。1989年にBCJ-F522、1991年にはBCJ-F522(追2)、2008年にはBCJ-FD0329-01として評定を取得し、これまで数多くの施工実績をもつ
【「HND-NB工法」の概要】
HND工法の押込み支持力に加えて引抜き抵抗力が評価できる中間拡径杭工法
①対象地盤:中間拡径部の押込み方向:砂質地盤
中間拡径部・拡底部の引抜き方向:砂質地盤、粘性土地盤
②杭径等:軸部径:1,000~3,000mm
拡径径:中間拡径部 1,400~4,700mm 拡底部 1,000~4,700mm (施工径)
最大拡底率4.0、最大拡径比2.0
③傾斜部角度:上部4.3~11.9度、下部45度
④中間拡径部施工深度:最少8m、最大58.5m
⑤コンクリート強度:Fc18N/m㎡から60N/m㎡
【HND工法と「HND-NB工法」の比較】
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