サステナビリティ推進担当役員メッセージ

取締役執行役員 経営管理部門サステナビリティ推進担当 兼 グループシニア事業管掌 吉村 直子

豊かな暮らしを創造し、
持続可能な社会を目指すために、
サステナビリティの取り組みを
一層深化させます。

取締役執行役員
経営管理部門サステナビリティ推進担当 兼
グループシニア事業管掌
吉村 直子

サステナビリティ推進担当役員として2年目を迎えましたが、脱炭素社会への移行、多様性の尊重、AI技術の革新など、私たちを取り巻く環境は刻々と変化しており、社会の変革速度が加速していることを実感しています。こうした変化は、長谷工グループの事業に新たな機会と課題をもたらしており、サステナビリティ経営の重要性はこれまで以上に高まっています。当社の持続的成長と社会課題の解決の両立を図る責務を担う者の一人として、その使命の重大さを痛感しています。

最重要マテリアリティに基づくサステナビリティの推進

長谷工グループは、マンションを中心とした住まいの設計・施工からアフターサービス、管理、リフォームに至るまでの一貫体制を活かしながら、ハード・ソフト両面で各種の事業を複合的に展開していますが、サステナビリティについても様々な取り組みを推進しています。
当社では2023年にマテリアリティの見直しを行い、①気候変動への対応、②サプライチェーン・マネジメント、③人権の尊重、④人的資本(ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)、人材育成)の4つを、当社にとってもステークホルダーにとってもインパクトの大きい最重要課題として特定しました。
①気候変動への対応
当社では、2021年12月に気候変動対応方針「HASEKO ZERO-Emission」を策定するとともに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく開示を開始しました。また、TCFDの追加要請項目である「低炭素経済への移行に関する計画」についても、「長谷工グループのCO2排出削減計画(移行計画)」として2024年7月に開示を行っています。
事業活動におけるCO2排出量の削減については、2030年度までにScope1・2の排出量を2020年度比で42%削減することを目指し、建設作業所におけるCO2削減、オフィスでのエネルギー使用の効率化や、営業車両の次世代車への切り替えなどを計画的に進めています。
また、省エネ性能の高い住宅の供給に注力するとともに、気候変動に伴う自然災害リスクへの備えも重視して、防災・減災を意識した住まいづくり・街づくりに取り組み、皆様の安全・安心の確保に努めています。
②サプライチェーン・マネジメント
住宅関連事業では多くの取引先とつながりがあり、公平・公正かつ適正な取引を通じてサプライチェーンを構築することが不可欠となります。当社は取引先とサステナビリティの考え方を共有し、パートナーシップを強化することで、より良い製品・サービスを提供していきます。
長谷工グループの協力会社に対しては、2021年10月に策定した「長谷工グループCSR調達ガイドライン」の遵守に関する同意書を取得しているほか、コンプライアンス遵守をはじめ、人権・労働・環境・安全などの点で一定の基準を満たすことを求めています。こうした取り組みを通じてサプライチェーンにおけるリスク低減と持続可能性の向上を図り、今後も公正で責任ある調達活動を推進していきます。
③人権の尊重
人権の尊重は長谷工グループの基本的価値観であり、人権デュー・ディリジェンス(人権DD)の実践を通じて、人権課題への適切な対応を徹底するようにしています。
当社グループは2022年1月に「長谷工グループ人権方針」を策定し、事業活動全体において人権尊重の責任を果たすことを明確にしました。また、この方針に基づき、人権DDのプロセスを開始し、同年10月に事業活動に関連して発生し得る人権リスクを洗い出した上で、優先的に取り組むべき人権課題を特定しました。このうち、主にサプライチェーンに関する人権課題については、2022年度から毎年、協力会社向けのアンケート調査を実施しており、木材調達の現状や外国人技能実習生等の海外人材の雇用状況などに関する実態把握を行っています。
社員教育や啓発活動についてもさらに強化し、事業活動を通じて基本的人権を侵害することのないよう努めます。
④人的資本(D&I、人材育成)
私は、人材こそが当社グループの最大の財産だと考えています。社員一人ひとりが能力を最大限発揮でき、幸せを実感できる環境づくりがきわめて重要です。
多様性を尊重し、様々な考え方の人々の経験や知恵を生かすという「個性活躍」の発想は、現在のように不確実性が高い時代には不可欠です。D&Iの推進、また人材への投資をさらに強化し、成長機会の提供と働き方改革を加速させることで、社員の生き生きとした活躍を後押しし、価値創造の原動力としたいと考えています。

企業理念を軸に長期的な企業価値向上に取り組む

気候変動の影響の顕在化、デジタル技術の急速な進展、人々の価値観の多様化など、社会は大きく変化し続けています。このような時代において、住まいは単なる生活の場にとどまらず、人々の安寧と幸福を守る重要な役割を担っています。長谷工グループは、「都市と人間の最適な生活環境を創造し、社会に貢献する。」という企業理念のもと、安全・安心・快適な住まいの提供はもちろん、その先にある豊かな暮らしの実現までを視野に入れながら、持続可能な社会の実現に向けて邁進しています。
サステナビリティ経営の推進には、すべてのステークホルダーの皆様との対話と協力が不可欠です。今後も、株主・投資家の皆様、お客様、取引先、従業員、地域社会など、あらゆるステークホルダーとの対話を深め、その期待に応えられるよう、長期的な企業価値の向上に全力で取り組んでまいります。