住んでいたい空間
住んでいたい空間を支える
技術イノベーション

「住む人が、永く安心して快適に暮らせる住まいづくり」を実現するため、長谷工グループ独自の研究開発体制を築き、
新たな挑戦を続けています。

長谷工グループの研究開発体制

長谷工コーポレーション技術研究所は、「住む人が、永く安心して快適に暮らせる住まいづくり」を目指し、建物の長寿命化や耐震性強化、CO2削減をはじめとする環境問題など常に顧客や社会の新たなニーズに応えるべく、集合住宅に関する様々な性能実験や研究開発にチャレンジしています。

長谷工のものづくりのDNA

私たちは、1960年代後半からマンションづくりに取り組んできました。
50年以上の歴史の中で、さまざまな開発をおこない、日々新しい挑戦を続けています。

その中で、唯ひとつ変わらないもの。
それは、家族の安心、良質な住まいへの、揺るぎない想い。

地道な作業の繰り返し、当たり前のことを原点から見直す発想、そしてアイデアを具現化する技術。
長谷工のものづくりのDNAは、今も変わらず社員ひとり一人に受け継がれています。

研究体制図
研究体制図

建物・設備に関する技術開発

人が感じる心地よさや快適さも、日々の実験や検証の積み重ねによってつくり出すことができると考えます。
長谷工技術研究所では、リアルな住環境について研究するため、実際のマンションを「住宅実験棟」として再現し、研究・開発にあたっています。
住戸内で音がどのように伝わるのか、配管はどのように劣化するのか、さらに太陽光発電など自然エネルギー利用や将来のリフォームに活用するアイデアなど、常に実際の住まいと同じ環境で、暮らしに直結する技術を磨いています。

内外装における住宅性能向上に向けた取り組み

  • 可変性を向上させる内装システムの開発
  • 耐久性と更新性を考慮した外装システムの開発
  • 遮音、断熱、換気等の住宅性能を向上させる技術開発
  • 利便性や快適性を向上させる商品開発
  • 設備配管の更新、更生工法の開発
  • 自然エネルギー利用への取り組み
  • 内外装のリフォーム技術の開発

マンション専有部向け全館空調熱交換気システム

長谷工コーポレーション、プライム ライフ テクノロジーズ、パナソニック建設エンジニアリングの三社共同で、マンション専有部向け全館空調熱交換気システム「withair® CUBE(ウィズエアーキューブ)」を開発しました。
従来、居室ごとに設置していたエアコン等の空調機器を1か所に集約し、高効率なルームエアコン1台で一元管理し、住戸内でほぼ均一な温度環境を実現できるため、熱中症対策にも効果が期待されます。また給気の際、住戸内に侵入する花粉やほこりの侵入を防止し、清浄化しながら空気を循環できるなど、高い空気清浄機能も完備しています。快適な住戸内環境の実現に向け、本システムの導入提案を積極的に進めてまいります。

本システムの特長:温熱快適性・空気清浄機能・加湿性能・就寝時快適性・省エネ性

マンション専有部向け全館空調熱交換気システム概念図
関連情報

長谷工コーポレーション 技術研究所

設計・施工一貫BIMをDXにつなげる

長谷工コーポレーションでは、マンションに特化した3次元設計技術「長谷工版BIM」を開発し、2012年より活用をスタート、2020年度には新規設計着手案件100%での運用体制を確立し、2021年度からは施工現場でも100%の運用を展開しています。現在は、販売での活用を拡大しており、今後、維持管理・リフォームなど長谷工グループトータルでの展開を順次進めていきます。
また、DXにおける取り組みの中で、長谷工版BIMをデータベースとみなした次世代生産システムの開発を図っており、2020年には「デジタルテクノロジーラボ」を新設するなど、最新のデジタル技術を駆使して、より高度な設計・建設手法の研究・開発を行っています。

長谷工グループのDX

長谷工グループでは、「住まいと暮らしの創造企業グループ」としての更なる飛躍を目指してDX(デジタル・トランスフォーメーション)に挑んでいます。最新のテクノロジーを活用した集合住宅の設計・施工における生産性の向上や住まう方の生活の質の向上、より安全・安心で快適な暮らしの実現などに取り組み、グループ総合力を活かして住まいと暮らしの新たな価値を生み出していきます。

長谷工グループDX戦略と具体的な取り組みをまとめた「HASEKO DX Report(長谷工グループDXレポート)」(2024年版)を公開しました。

HASEKO DX Report(2024年版)


関連情報

グループ横断のDX推進体制

長谷工グループでは、グループ総合力を最大限に活かし横断的にDXを推進するため、グループのインキュベーター機能を担う長谷工アネシス社長を委員長とし、グループ各社社長をメンバーに迎えた「DX推進委員会」を設立、実行部隊としての「グループDX推進検討部会」、「テーマ毎のワーキンググループ(以下、WG)」を発足させ、組織的な取り組みを推進しています。
各WGと並行して、グループ各社のDXチャレンジの支援や生成AI等新しいテクノロジーの実証を行っています。また、各社で蓄積された情報資産を連携するための基盤整備を実施し、データ利活用の可能性を模索しています。さらに、DX具現化のためには社員のマインドやスキル向上が重要と捉え「DXアカデミー」を開講し、DX人材の育成にも取り組んでいます。

DX 推進に向けた社員の意識改革「DXアカデミー」

グループ全社員の理解度促進とDXへのマインドセットを目的として「DXアカデミー」を開講しています。
DXを通じて、未来の豊かな住まいと暮らしの提供を実現するために、全社員の意識改革とリテラシーの底上げとともにDXプロジェクトを推進する人材育成に注力しています。

DXアカデミーの取り組み
  • ・第一弾:グループ全社員のDXマインド醸成と基礎知識の習得のために全役職員対象「DX意識改革プログラム」の実施
  • ・第二弾:各社各部門におけるDX推進リーダーの育成を目的とした、中堅・若手社員の選抜者対象「イノベーションリーダー育成プログラム」の実施
  • ・第三弾:組織を牽引する“部長職”が、DXのアイデアの評価手法や果たすべき役割を学ぶマネジメント層向け「DXリテラシー講座」と「DXセミナー」の実施
  • ・第四弾:DXの本質や実現のために必要な思考を学び、グループ全体のリテラシーの底上げとアップデートを図る全役職員対象「長谷工DX研修」の実施(2024年6月~7月)

建設現場におけるDXの推進

長谷工コーポレーションでは、協力会社との連携を密に取りながら、ICT技術を積極的に取り入れ、協力会社も含めた生産性向上・労務省力化を目指しています。
RFIDタグを用いた設備検査では、排水管通球試験において、RFIDタグ付きのボールを投入時と回収時にリーダーで読 み込むことでクラウド上に所要時間が保存され、そのデータを報告書に書き込むことで、検査及び検査報告書作成業務の削減が図れています。
また、資機材搬出入‧楊重(荷揚げ)スケジュール管理システム「DandALL(ダンドール)」や、図面共有システム「SPIDERPLUS(スパイダープラス)」を2021年4月以降着工の全現場へ展開。従来は事務所に戻らないと確認できなかった各種情報が、スマホやiPadで確認可能となりまし た。移動にかかる時間が大幅短縮され、同じ情報を所員‧協力会社従業員が共有することで、手戻り作業の削減につながっています。
現在、BIM※とDXをフル活用したモデル現場にて、業務削減および効率化の効果検証を行っています。
※BIM‧‧‧Building Information Modeling:コンピューター上に3次元化した建物モデルを構築する設計手法

RFIDタグを用いた設備検査の様子
「スパイダープラス」を活用し、検査時すぐの指摘が可能に

ICTマンション

センサーネットワークやAI、クラウドサービスアプリケーションなどICT(情報通信技術)を活用し、付加価値の高いマンションづくりを推進しています。共用エントランスや専有部玄関の顔認証オートロック、宅配ボックスや建物に設置した気象・地震センサーと連携した入居者専用アプリなど、日々の生活を便利に、快適にお過ごしいただくための様々な先端技術を実装しています。
 ICTマンションで取得した様々なデジタルデータは“暮らし情報”として、情報プラットフォーム「BIM & LIM Cloud」に集積・分析し、BIMの情報と重ね合わせながら、入居者の利便性向上や建物の長寿命化など新たな価値創造を目指します。

「LIM(Living Information Modeling)」の概念図

※掲載の情報は予告なく変更になる場合がございます。

長谷工のICTマンションプロジェクト一覧

この表はスクロールできます

プロジェクト名称 建物の種類 所在 竣工年月
Feel I Residence 学生向け賃貸マンション(新築) 東京都板橋区 2020年2月
ルネフラッツ谷町四丁目 賃貸マンション(新築) 大阪市中央区 2021年10月
コムレジ赤羽 複合型賃貸マンション(新築) 東京都北区 2022年2月
WORVE東京木場 賃貸マンション(新築) 東京都江東区 2022年12月
ブランシエスタ浦安 賃貸マンション(新築) 千葉県浦安市 2023年2月
Feel G Residence 学生向け賃貸マンション(新築) 兵庫県神戸市 2023年2月
WORVE大阪西本町 賃貸マンション(新築) 大阪市中央区 2023年3月
ブランシエール蔵前 シニアレジデンス(新築) 東京都台東区 2023年3月
サステナブランシェ本行徳 賃貸マンション(既存) 千葉県市川市 2023年9月(改修竣工時期)
ブランシエール蔵前目黒 シニアレジデンス(新築) 東京都目黒区 2023年10月
Feel K Residence 学生向け賃貸マンション(新築) 熊本県熊本市 2024年2月
WORVE那覇泉崎 賃貸マンション(新築) 沖縄県那覇市 2024年7月

2024年3月29日現在

既存分譲マンションにICTサービスを実証導入

長谷工コーポレーション・長谷工アネシス・長谷工リフォーム・サウスオールシティ団地管理組合は共同で、既存分譲マンション「サウスオールシティ」(総戸数791戸)にICTサービスを実証導入しました。これまでは賃貸マンションを中心に導入してきましたが、既存分譲マンションへの導入は初めてとなります。
長谷工リフォームが大規模修繕工事を実施するタイミングで導入し、居住者専用アプリ「まいりむ」※やデジタルサイネージ等と連動させることで、最新の工事情報や施設の利用状況などを提供します。
今後も、居住者の利便性向上とマンションの価値向上のため、ICTサービスの提案による“暮らしの最適化”に向けた取り組みを進めていきます。
※ 各種センサー等と連動し、取得情報をスマートフォンから確認できる長谷工独自開発アプリ

導入したICTサービス

・工事にかかわる情報:修繕工事の電子化

・暮らしにかかわる情報:顔認証システム、混雑度可視化システム

・マンション修繕・管理にかかわる情報:気象センサ(気象情報)・加速度センサ(地震情報)

・最新情報の発信:居住者専用アプリ「まいりむ」、サイネージ、家庭内テレビ放送

長谷工 暮らしのメタバースプロジェクト
第一弾「メタバースモデルルームツアー」の導入

「住まいと暮らしの未来のあたりまえ」をつくるべく最新技術であるメタバースを活用した「長谷工 暮らしのメタバースプロジェクト」に取り組んでいます。プロジェクトの第一弾として、マンション検討時の顧客満足度向上を目指した「メタバースモデルルームツアー」を導入しました。
本サービスは、WEB上のメタバース空間に再現したマンション住戸や共用施設を、パソコンやスマートフォンなどから見学することができます。メタバース空間の物件はBIMデータ※から作成しており、間取りや設備、家具・インテリアなどの質感を忠実に再現しています。マンションの購入検討者は、時間や場所を選ばず実際の生活をイメージしていただくことができ、販売スタッフとコミュニケーションを取りながら物件の内覧をすることも可能です。現在、「ブランシエラ横浜瀬谷」と「ブランシエラ川崎大島」の2物件でサービスを提供しています。
※BIMデータ:コンピューター上に設計された3次元の建物モデル

「ブランシエラ川崎大島」メタバースモデルルームツアーの様子

睡眠医学の知見を活かした住空間とスマートホームシステムの構築

NTT東日本グループ、ブレインスリープと共同で、睡眠の質から居住者の日々のパフォーマンス向上にアプローチする「快眠のための家」の検証を行っています。
サステナブランシェ本行徳(総戸数36戸)に設置した実験住戸では、最新の睡眠医学の知見を活用した睡眠に最適な温湿度の設定や内装壁面の木質化などにより睡眠の質を高める住空間とし、NTT東日本グループが提供する睡眠計測APIを活用したスマートホームシステムを構築することで、ハードとソフトを融合した新たな形で睡眠の質を向上させる環境を創出しました。さらに、居住者のセンシングデータの取得や定期的なアンケート実施を行い、その効果を検証します。
本検証を通して、睡眠の観点から居住者それぞれに最適な住空間を提供し、ウェルビーイングを向上させることを目指しています。

「快眠のための家」の検証ポイント

1. スリープテック※1を活用したサーカディアンリズム※2の最適化: 専有部内の照明制御、カーテン、ブラインド制御による太陽光の取り入れの調節

2. 快適な温度・湿度・空気環境の構築: 建物の構造、断熱材などによる温度・湿度調整。全館空調システムによる空調管理。

3. 色や音によるリラックス効果: 快眠を導く壁面色の採用、入眠音楽・起床音楽導入によるリラックス効果。

4. 木質化によるリラックス効果: 木質クロスに触れる、木の香りを感じることによるリラックス効果。

※1 IoT機器やAI技術などを活用して、睡眠状態をモニタリング・分析し、科学的に睡眠の質を改善または向上させる機器、システム、サービス
※2  概日リズムとも呼ばれる、約24時間周期の体内リズムのこと