大切にしたい風景
汚染予防・周辺環境配慮
マンション開発にあたっては、環境汚染や騒音・振動などに配慮し、緑地造成なども積極的に提案しています。
土壌汚染への対応(ブラウンフィールドの再開発)
長谷工グループでは、用地の取得に当たり過去の利用履歴を調査し、土壌汚染の疑いのある場合は、第三者の専門家による土壌調査を実施しております。
土壌汚染が確認された場合は、調査結果を踏まえ土壌汚染対策法などの関係法令に基づき、要措置区域や形質変更時要届出区域の指定解除等を含む手続きやコスト・スケジュールを考慮したうえで、豊富な対応実績に基づき最適な工法を選択し、汚染物質の掘削除去や封じ込めなどの拡散防止措置を行っています。
掘削除去された汚染土の一部は関係法令に適合したセメント工場等の施設に搬出し原材料としてリサイクルしております。
また、施工現場における掘削工事に伴う一般残土は関係法令に則り適正に処分しております。
工事排水の水質等の管理
長谷工コーポレーションでは、工事排水の水質等について、施工現場毎に当該地域の関連法令等を確認し排水計画を策定したうえで、当社で定めた「環境関連法令等一覧シート」により管理を徹底しています。
実施状況については専門部署による環境パトロールにより確認を行い、これまで問題は発生していません。
周辺環境配慮
長谷工グループでは、新築マンション建設工事や既築物件のリフォーム工事等を行う際、低振動‧低騒音の建設車輛‧機械を使用するなどし、周辺環境への配慮を心掛けています。
複数の作業所では、周辺地域の清掃の断続的な実施や、その他、仮囲いの上への防音シートの設置、杭頭処理工事の際の防音対策など、周辺への影響をなるべく抑えるような対策を行い作業をしています。
生物多様性への配慮
環境省「自然共生サイト」の認定取得
OECMとして国際データベースに登録
長谷工コーポレーションは、長谷工テクニカルセンターを環境省の「自然共生サイト」に申請、「認定」を取得し(2023年10月6日)、日本から初めて登録された159か所のOECM※の1つとなりました(2024年8月22日)。
生物多様性については、グローバルな目標として、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする「30by30」が掲げられ、日本においては環境省が、生物多様性の保全が図られている地域を「自然共生サイト」に認定しています。「自然共生サイト」に認定された地域のうち、国が指定した保護地域を除いた地域につき、OECMに登録しています。
長谷工グループとして、今後もより一層、生物多様性への配慮を行い、日本における30by30目標の達成に貢献していきます。
※OECM:Other Effective area-based Conservation Measures:保護地域以外で生物多様性保全に資する地域のこと。
「いきもの共生事業所認証(ABINC認証)」の取得
一般社団法人いきもの共生事業推進協議会(ABINC)では、自然と人の共生を企業活動において促進することを目的とし、企業の施設(工場、オフィスビル、商業施設、集合住宅等)の生物多様性に配慮し た緑地づくりや管理‧利用などを「いきもの共生事業所認証(ABINC認証)」として評価‧認証しています。
2023年度、当社が設計‧施工を手がけた5件で「いきもの共生事業所認証(ABINC認証)」を取得しました。生物多様性配慮への社会的関心が高まる中、生物多様性に配慮した提案をすることで、都市の自 然環境の改善に貢献していきます。
事例:環境と調和する、緑豊かな空間の実現
プレミスト藤が丘 愛知県名古屋市
プレミスト藤が丘は、総戸数360戸、地下鉄東山線「藤が丘」駅徒歩12分、地域の交流拠点として親しまれてきた施設の跡地に誕生しました。
街区全体で四季の移ろいを感じられるよう、連続性のある豊かな緑で包むようにしました。
地域に親しまれてきた10mを超える2本の既存樹木のユリノキをシンボルツリーとして保全し、この地の記憶と想いを継承した象徴的なランドスケープを創出しています。約2,000㎡超の緑地を有し、街区ごとに自然を身近に感じられる演出が施され、日常に豊かな潤いを届けます。地域に自生するシデコブシなどの在来種、ナナミノキ、エゴノキ等の鳥が好む実のなる木、フジバカマ、メドハギなどのチョウが好む花を採り入れ、尾張東部丘陵の植生が残る近隣の緑地とのいきもののネットワークに配慮しています。
プラウドシティ豊田多摩平の森 東京都日野市
多摩平団地は東京都西部の日野市、多摩川の支流である浅川の河岸段丘の上に位置しています。開発から60年を経たこの団地には、造成時からはぐくまれた大樹や段丘斜面林の緑豊かな環境が残り、その跡地に「プラウドシティ豊田多摩平の森」は計画されました。
大樹は敷地内にも多く存在し、既存樹として約50本を保全、これに多摩地域でみられる樹種を中心に新たな中高木約350本を組み合わせて、森の風景を創出しました。
敷地の中央部には木造の共用棟「ティンバーハウス」、森の中の原っぱのような「日向フィールド」やピザ窯のある「森の食卓」、いきものの気配を感じられる「ファーブルの庭」と、それぞれ森の中での時間を楽しめる場があります。これらの場と敷地外の緑をだれでも通行できる敷地内通路「緑の回廊」でつなぐことで、「森の中を歩くシークエンス」を可能にしました。例えば団地の公園からそのまま敷地内の森を散策し、また別の緑地へ歩いていく、日々の暮らしの中で四季の森の表情が楽しめる、「森と住まう」住宅となっています。
※固定量とは樹木が成長するため、光合成により大気中のCO2を吸収し蓄積する量の事です。
そのため、大気中のCO2量を減らし地球温暖化の防止につながります。
生物多様性保全活動
長谷工グループでは、「長谷工グループ生物多様性行動指針」に則り、従業員のボランティアによる生物多様性を育み、守る活動を継続して実施しています。
- 取り組み内容
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- 長野県茅野市「長谷工の森林(もり)」森林整備活動
- 和歌山県田辺市「長谷工の森林(もり)」森林整備活動
- 東京グリーンシップ・アクション「八王子滝山里山」保全活動
- 東京グリーンシップ・アクション「清瀬松山緑地」保全活動
- 東京都多摩市「HASEKO生物多様性セミナー」
- 愛知県名古屋市藤前干潟周辺での清掃活動
「⻑⾕⼯の森林(もり)」プロジェクト
「長谷工の森林」プロジェクトは2017年2月に迎えた80周年記念事業の一環で、“社会貢献”“未来志向”“地域との連携”をテーマに長野県茅野市、和歌山県田辺市の2拠点で森林保全・整備活動を行っています。地域の皆さまとともに、グループ全体で積極的に取り組んでいきます。
「長谷工の森林」の3つの役割
- 1.森林を整備し、再生させる。
- 森林は、葉が茂りすぎると地面まで陽の光が届かず、細い木が乱立したり土地がやせてしまう場所も出てきます。そうしたエリアでは雨が降っても適切に水を吸収せず、土砂崩れを起こす危険もあります。まずは里親となったエリアを間伐したり、下草を刈ったり整備することで、生命力あふれる森林環境を取り戻すことからはじめていきます。
- 2.人が集い、何度も訪れたくなる森へ。
- 花が咲き、木々に実がなるようになれば、蝶や鳥も集まるようになるでしょう。動植物のにぎわいとともに、遊歩道や広場、ちょっとしたアスレチックスペースなどをつくって、長谷工グループの社員とその家族、ステークホルダーや地域の方々が集う場所にしていきたいと思います。新たな交流を通じて、森林と子どもたちの成長を見守ります。
- 3.活動を継続し、本業や社会へ貢献。
- 森林を育てるには時間がかかります。長いスパンで活動を継続させ、計画を一つひとつ実現していくための仕組みづくりが必要です。「長谷工の森林」で植樹・間伐した木をいずれマンションの外構に寄贈したり、居住者がクリスマスツリーに利用できる木を育てるなど、地域の方々と一緒に夢を描いたり、取り組める形で発展させていきます。
長野県茅野市「長谷工の森林」森林整備活動
長野県茅野市の「長谷工の森林」は、2017年に活動をスタートしました。面積は約13haで、七ヶ耕地財産区をはじめ長野県林務部、諏訪地域振興局の協力のもと、社員‧家族の手で間伐を中心とした整備活動を継続的に行うことで森林保全に努めています。活動をきっかけとして、地域の 皆さまとの交流や、社員や家族が自然環境について学び、親しむ機会にもなっています。
2023年度は長谷工グループ社員とその家族を含む78名が参加し、小木の伐採や倒木の片付けなどの森林整備活動をおこないました。
和歌山県田辺市「長谷工の森林」森林整備活動
和歌山県田辺市の「長谷工の森林」は、2018年に「長谷工の森林」プロジェクト第2弾として活動をスタートしました。面積は約3haで、中辺路町森林組合をはじめ地域の皆さまの協力のもと、社員‧家族の手で植樹や下草刈りを中心とした整備活動を継続的に行うことで森林保全に努めて います。活動をきっかけとして、地域の皆さまとの交流や、社員や家族が自然環境について学び、親しむ機会にもなっています。
2024年度は長谷工グループ社員とその家族を含む53名が参加し、歩道整備やウバメガシやアラカシなどの苗木を700本植える活動を行いました。
活動の様子
東京グリーンシップ・アクションへの参加
東京都が指定する保全地域において、都・NPO法人・企業が連携して行う自然環境保全活動「東京グリーンシップ・アクション」に2012年から参加しています。
長谷工グループでは、「清瀬松山緑地保全地域」「八王子滝山里山保全地域」において活動を行っています。
清瀬松山緑地保全活動
清瀬松山緑地保全地域は、清瀬市の南西部に位置する平坦な地域で、市街地の中では希少となったアカマツを主体とする雑木林などが広がっています。長谷工グループでは、草刈り、笹刈り、落枝・落木整理や木柵交換などの保全活動を行っています。
2023年度は11月に長谷工グループとして11回目となる緑地保全活動を行いました。長谷工グループ社員及びその家族43名が参加し、東京都環境局とNPO法人自然環境アカデミー、清瀬の自然を守る会の協力のもと、自然観察を通じて自然や生物多様性について学んだ後、草・笹刈り、除伐・落枝整理、木柵・ロープ交換などの保全活動をおこないました。
八王子滝山里山保全活動
八王子滝山里山保全地域は八王子市の北東部に位置する里山で、田んぼや湧水、雑木林や竹林などが広がる樹林地が一体となって残されています。長谷工グループでは、自然観察を通じて里山の自然や生物多様性について学んだり、樹木や竹の伐採、下草刈り、道づくり、池の整備などの保全活動を行っています。
HASEKO生物多様性セミナー
多摩市との共催にて、長谷工テクニカルセンターに設置されているビオトープと鶴牧西公園にて、植物や動物を観察することを通じて、里山と雑木林、生き物の繋がりなど生物多様性について学習するイベントを、多摩市在住の小学生以上のお子様に向けて開催しています。
2023年度に開催した「第4回いきもの発見in多摩鶴牧」では、水をテーマにした自然観察を行いました。お子様とその保護者11組25名(うち子供13名)に参加いただき、「普段何気なく歩いている道にも、色々な発見があって感動した。」「身近な植物について知ることができて、大変おもしろかった。」との声が寄せられました。
自然観察の様子
藤前干潟周辺での清掃活動
藤前干潟は、多くの渡り鳥が訪れる国際的に重要な湿地としてラムサール条約に登録されています。プラスチックによる海洋汚染が世界的な課題として大きな話題となっていますが、藤前干潟周辺でも、大量のプラスチックごみの長期残留が深刻な問題となっています。
藤前干潟クリーン大作戦実行委員会主催の「藤前干潟クリーン大作戦」(春開催:2023年5月・秋開催:2023年10月)に、長谷工グループ社員と協力会社社員、合計43名を含む約3,500名の市民ボランティアが参加し、両日で岸辺に漂着したプラスチック等を家庭用ごみ袋(45L)約1,400袋分回収しました。
明日香村での生物多様性保全活動
「明日香村プロジェクト」を推進する奈良県明日香村において、2023年度より生物多様性保全活動をスタートしました。第1回目となる2023年11月11日はグループ社員32名が参加し、菜の花の植栽(畝づくり、種まき、水やり等)を行いました。菜の花は寒さと乾燥に強く丈夫で育てやすい植物で、植栽した菜の花は春には明日香村を彩りました。参加者からは、「明日香村の歴史についても説明を頂き、勉強になった」、「植えた菜の花が、春に花を咲かせるのが楽しみ」との声が寄せられました。今後も明日香村での生物多様性保全活動を継続していきます。