いちょう切り
見た目がきれいで火が通りやすいいちょう切りの方法を解説!
いちょう切り
「うちのご飯は世界イチ」の番外編、お料理の基本をご紹介するミニレッスンへようこそ。
第11回は、「いちょう切りの方法」です。見た目もきれいで食べやすい、いちょう切りの方法をご紹介します。
こないだの豚汁、にんじんだけかたくて失敗しちゃった~。
じゃがいもと肉はやわらかくて美味しかったよ!
もしかしてにんじんをいちょう切りにしなかったんじゃないのか?
そうそう、にんじんは大きめの一口大に切っただけ!
それじゃ火が通りにくいよ。豚汁に入れるにんじんはいちょう切りにするのがポイントなんだ。今からいちょう切りの方法を教えるぜ!
いちょう切りのやり方
普段食べている料理によく使われている「いちょう切り」。いちょう切りは、丸く輪切りにした野菜をさらに半分に切って(半月切り)、それをさらに半分にした形(元の輪切りの1/4サイズ)です。切り口が銀杏(いちょう)の葉に似ているため、名付けられたこの切り方には、以下のメリットがあります。
・短時間で火が通る
・一口大で食べやすい
・煮汁が染み込みやすい
簡単な手順でできるので、多くの料理に用いられています。半月切り・輪切りとともに、料理を始めたら、まずマスターしておきたい基本の切り方です。
今回は、にんじん、大根、じゃがいも、かぶ、さつまいも、りんごのいちょう切りの方法をご紹介します。
●「いちょう切りに関するよくある質問」はこちら
にんじんのいちょう切り
- 皮をむき、真ん中で2等分に切ったにんじんを、縦半分に切ります。平面を下にしてさらに縦半分に切り、4等分にします。すると、横から見たときの切り口がいちょう形になるので、端から2mm~1cmの厚み(料理に合わせて変える)にそろえて切れば、いちょう切りの完成です。
大根のいちょう切り
- 大根もいちょう切りにすると早く火が通ります。切るときに厚みを一定に保つことで、均等に熱が入ります。皮をむいたら、にんじんと同じ手順で切っていきましょう。
じゃがいものいちょう切り
- じゃがいもは、皮をむいた後、半分に切ります。断面を下にしてさらに半分に切り、向きを変えて端から一定の厚さに切ってください。厚さは料理に応じて調整しましょう。
かぶのいちょう切り
- かぶはよく洗い、茎元を切り落として皮をむいたら、もともと茎が付いていた面を下にして半分に切ります。さらに半分に切り、向きを変えて端から料理に応じた厚みに切りましょう。
さつまいものいちょう切り
- さつまいもはよく洗い、皮付きのまま切りやすい大きさにカットします。縦半分に切ったら、平面を下にしてさらに縦半分に切り、端から料理に応じた厚みに切っていきます。
りんごのいちょう切り
- りんご一個を8等分のくし形切りにします。両側からアルファベットのV(ブイ)の字に切り込みを入れて芯を取り、皮をむいたら端から2~3mm幅に薄く切ってください。
いちょう切りにした野菜を使った人気レシピ
いちょう切りにした野菜を使うことでより美味しくなるレシピをご紹介します。
豚汁
にんじん、大根は3mm幅、じゃがいもは6mm幅程度のいちょう切りにします。豚肉は3cm幅に切ります。こんにゃくは食べやすい大きさに切り、ごぼうはささがきにして3分程度水にさらし、水気を切っておきましょう。
中火で熱した鍋に油を引き、豚肉、野菜、こんにゃくの順に具材を入れて炒め合わせます。全体に油が回ったら具材がひたる程度の水と和風顆粒だしを加えます。煮立ったらアクを取り、10分程度煮てください。最後に味噌を足し、味を整えたら完成です。仕上げに小ねぎを足すと風味がアップします。
野菜の煮物
さつまいも、皮をむいたれんこんをそれぞれ厚めのいちょう切りにして3分程度水にさらします。鶏肉は脂肪や筋を取り除き、一口大に切っておきましょう。中火で熱した鍋に油を引いて鶏肉を炒め、鶏肉の色が変わったら水気を切った野菜を加え、さらに炒めます。そこに和風顆粒だしと適量の水を加え、中火で煮立てましょう。アクを取ったら、醤油、みりん、砂糖を2対2対1の割合で加えます。落とし蓋をし、中火で15~20分煮たら完成です。具材ににんじんやしいたけ、かぼちゃを加えるのもおすすめです。
「いちょう切り」に関するよくある質問
「いちょう切り」に関するよくある質問をご紹介します。
どんな料理によく使われますか?
いちょう切りは、豚汁などの汁物や、煮物、炒め物によく使われます。というのも、短時間で火が通り、厚さを変えることで食感に変化を出しやすい切り方だからです。汁物や煮物のように長時間火を通す料理であれば、厚めに切って食べ応えを出せますし、一気に加熱する炒め物の場合、薄めに切れば下ゆでなしでも火が通りやすくなります。
果物を切るときもいちょう切りにしますか?
はい。いちょう切りは野菜だけでなく、果物にも適している切り方です。前述したりんご以外にも、レモンやキウイ、パイナップルなどによく用いられます。食べやすくなるだけでなく、見た目も華やかになります。
半月切りと同じですか?
違います。半月切りは、丸く輪切りにした野菜をさらに半分に切って、お月さまの半月のようにする切り方です。いちょう切りは、丸いものを四つ切り(元の輪切りの1/4サイズ)にする切り方で、切り口がいちょうの葉の形に似ているため、そう呼ばれています。
全部の野菜がやわらかくなったね~!
厚さをそろえていちょう切りにすると、味も満遍なく染みるね。
とんじるおいしい~!
料理によって適した野菜の切り方は変わるんだ。基本の切り方を一通り覚えておくといいぜ!
うんうん、ちゃんと覚えてもっと料理のレパートリーを増やしたいな!
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監修
森崎 繭香
お菓子・料理研究家/フードコーディネーター
【HP】 http://www.mayucafe.com/
料理教室講師、パティシエを経て、フレンチ、イタリアンの厨房で経験を積み、独立。
書籍、雑誌やWEBへのレシピ提供、テレビ・ラジオ出演など幅広く活動中。カフェやレストランでの経験を軸に、身近な材料を使った自宅でも作りやすいレシピを心がけている。
「野菜たっぷりマリネ、ピクルス、ナムル」(河出書房新社)、「いつものスープでアレンジレシピ60」「小麦粉なしでつくる たっぷりクリームの魅惑のおやつ」(ともに日東書院本社)、「型がなくても作れるデコレーションケーキ」(グラフィック社)など著書多数。