アク取りは必要?基本のアク取り方法とは
煮物の際などに出てくるアクの取り方を動画でご紹介します。
アク取りは必要?基本のアク取り方法とは
「うちのご飯は世界イチ」の番外編、お料理の基本をご紹介するミニレッスンへようこそ。
第4回は、「アクの取り方」です。すき焼きやしゃぶしゃぶ、煮物など、ゆでる調理のときに出てくる“アク”をスムーズに取る方法をご紹介します。
この間、会社の飲み会でお鍋を食べたんですけど
後輩がせっせとアクを取ってまして…
今さらですが、アクって取らないといけないものなんでしょうか?
マサキさんは、カレーをよく作るんですよね?
それでしたら、アク取りは大事な工程のひとつです!
今日はアクを取る意味と、簡単に取る方法についてご紹介しますね
アクってそもそも何?アク取りをする意味とは
煮物やお鍋には付きものの「アク」。このアクとは一体何なのか、なぜ取らなければいけないのか、改めて勉強しましょう。
アクとは、魚・肉の“臭み成分”や、野菜の“渋み”のことです。
アクをそのままにしておくと、次のようなことが起こってしまいます。
- 煮汁がにごって、料理の見栄えが損なわれる
- 臭みが出て、味が損なわれる
- 食材によっては、結石の原因になるシュウ酸など、有害な成分が口に入る
アク取りは、料理を美味しく仕上げるためにも、健康のためにも欠かせない大事な工程なのです。
基本のアク取り方法をご紹介!
臭みやにごりの原因になるアクを、きれいに素早く取る方法についてご紹介します。
- アクを取る前に、水を張ったボウルと、お玉やすくい網を用意します。
- 肉や魚、野菜を煮ているときなどに、鍋のふちに濁った泡が出てきます。この泡のようなものが“アク”です。
- アクが出てきたら、火を一度強火にします。
- 強火にすると、アクが集まってくるので、すくい網などでアクをすくい取ります。すくい取ったアクは用意しておいた水で洗い落とし、網をきれいな状態にしてから次のアクをすくいましょう。
アク取りのグッズの種類
すくい網やお玉以外にも、アク取りのグッズにはさまざまな種類があります。
- ブラシ…煮汁の表面を軽くなでるだけで、食材を崩さずにアクを取ることができます
- 落し蓋…アク取りに適した凹凸のあるシリコン製と、使い捨てのシートタイプがあります
- 卵白…澄んだコンソメスープを作るプロの技。ブイヨン(西洋料理のだし)に野菜やミンチを入れて煮込むとき、卵白も加えるとアクや脂肪を吸着してくれる効果があります
野菜のアク取りを簡単にする方法とは?
調理中に野菜のアクが出るのを抑えるには、下ごしらえとして「アク抜き」を行なうこと。野菜本来の風味や栄養を損なわず、上手にアク抜きする方法を覚えましょう。
苦み・渋みや有害な成分を取り除く
ほとんどの植物は、外敵から身を守るために渋みや苦みといったアクを含んでいます。それが野菜本来の自然な風味や栄養になっていることもありますが、場合によっては料理の味わいや見栄えを損ねたり、有害な成分が溶け出し、健康に影響してしまったりすることも。
アク抜きの工程には、このような問題を取り除く効果があるのです。
アク抜き必須!アクの多い野菜
白菜や小松菜などアクの少ない野菜がある一方、次のようなアクが多い野菜は、アク抜きを行なう必要があります。
これで簡単!アク抜きの手順
アク抜きは、野菜それぞれに合った方法で行ないます。
●真水(水道水などの塩分が混じっていない水)にさらす
なす(煮物や汁物)やさつまいもなどは、皮をむいて10分ほど水にさらします。なすの色をきれいに仕上げたい場合は、0.5~1%ほどの薄い塩水にさらしましょう。濃いと塩味が付いてしまうので要注意です。
●酢水にさらす
変色しやすいごぼう、れんこんなどは、皮をむいて10分ほど酢水にさらします
●真水でゆでる
こんにゃくのほか、ほうれん草はゆでたあと冷水にさらします
●特別なゆで方
たけのこは、米ぬかを入れてゆでます。山菜のわらびやぜんまいは、重曹を入れてゆでます
●塩を振る
なすを炒め物や揚げ物に使う場合は、切り口に塩を振るだけでOK。水分が出てきたらペーパータオルで拭き取ります
野菜のアク抜きの場合、必要以上に何分も水にさらしたりしていると
栄養素が溶け出したり風味が落ちたりする原因になってしまうので、
アク抜きのやり過ぎには注意してくださいね
鍋もののアク抜きも、こまめに行なうものと
一度とれば十分なものがあるんですね
とても勉強になりました!今度後輩にも教えようっと!
■関連記事
監修
森崎 繭香
お菓子・料理研究家/フードコーディネーター
【HP】 http://www.mayucafe.com/
料理教室講師、パティシエを経て、フレンチ、イタリアンの厨房で経験を積み、独立。
書籍、雑誌やWEBへのレシピ提供、テレビ・ラジオ出演など幅広く活動中。カフェやレストランでの経験を軸に、身近な材料を使った自宅でも作りやすいレシピを心がけている。
「野菜たっぷりマリネ、ピクルス、ナムル」(河出書房新社)、「いつものスープでアレンジレシピ60」「小麦粉なしでつくる たっぷりクリームの魅惑のおやつ」(ともに日東書院本社)、「型がなくても作れるデコレーションケーキ」(グラフィック社)など著書多数。