揚げ物の温度の目安、調整方法とは?
油の温度の測り方、揚げ上がりのタイミングなど、揚げ物の基本について動画でご紹介します。
揚げ物の温度の目安、調整方法とは?
「うちのご飯は世界イチ」の番外編、お料理の基本をご紹介するミニレッスンへようこそ。
第9回は、「揚げ物の基本」です。油の温度の測り方や揚げ上がりのタイミングをマスターしてカラッと美味しい揚げ物を作りましょう。
センセ~、どうしましょう
困っちゃいましたー
マサキさんとコウちゃん!
どうしたんですか?
きょうね~、ままいないの
そうなんです…それで手軽に食べられそうな
冷凍のコロッケを買ったんですけど
揚げなきゃいけないタイプって知らなくて…
僕、揚げ物を作ったことがなくて、揚げ方が分からないんです~
なるほど!そういうことですね
せっかくですし、この機会に揚げ物の基本をマスターしておきましょう
揚げ物が作れると料理のレパートリーが広がりますよ!
温度計はいらない!油の温度の測り方
油の温度の測り方や、人気メニューを美味しく揚げる温度の目安、揚げ上がりを判断するときのポイントなど、揚げ物の基本についてご紹介します。
揚げ物の温度の測り方の基本
- 揚げ物の温度を測るときは、菜箸を油に入れて、気泡の状態を見て温度を判断します。軽く菜箸を濡らして、ふきんでしっかりと拭き取ってから使いましょう。
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[ 低温:150~160℃ ]
菜箸からゆらゆらと泡が上がる状態
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[ 中温:170℃ ]
細かい泡がスーっと上がる状態
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[ 高温:180~190℃ ]
細かい泡がたくさん、勢いよく上がる状態
調理中、油の温度を一定に保つには?
揚げ物を作るときに大切なのが、「油の温度を一定に保つ」ということ。揚げている間に油の温度が変わってしまうと、濃い色に揚がってしまったり、型崩れしたりと、仕上がりに影響します。適温を維持するには、以下のポイントに気を付けましょう。
一度に食材を入れ過ぎない
一度に食材を入れ過ぎてしまうと、油の温度が下がってしまいます。食材を入れるのは、揚げ鍋の面積の1/3~1/2程度にしましょう。
冷凍食材を入れた直後は火力を調整
冷凍食材を入れると、油の温度が急激に下がるので、様子を見て火力を調整する必要があります。
とはいえ、温度を上げ過ぎると、中まで火が通る前に表面の色だけが濃くなってしまいます。基本的には食材の色合いを確認しながら、少しずつ火力と揚げ時間を調整するようにしましょう。
美味しい揚げ物を作るコツ
ここでは、揚げ物を作るときのコツや、裏ワザを紹介します。
- 形が崩れたり、衣がはがれたりするため、食材を入れてすぐは、触ったり動かしたりしないようにします。また、揚がった後は、網やペーパーを敷いたバットに重ならないように並べ、しっかりと油を切ることも美味しく揚げるコツです。
美味しく揚げる裏ワザ「二度揚げ」
揚げ物をより美味しくする裏ワザと言えば「二度揚げ」。少しの手間をプラスするだけで、カラッと美味しい揚げ物に仕上げることができます。
二度揚げに適した料理は、トンカツ、鶏のから揚げ、骨ごと食べる魚(豆あじ、いわし、さんまなど)です。中まで火が通りにくい食材や、頭や骨をカリッと仕上げたい魚の調理に向いています。また、生のじゃがいもも二度揚げがおすすめです。中まできちんと火が通り、揚げ色も美味しそうなキツネ色に仕上がります。
二度揚げのプロセスは簡単。揚げ始めは低めの温度でじっくりと揚げ、一旦取り出します。余熱で火を通した後、油の温度を上げて、再度揚げます。表面を色付けてカラッと仕上げるためなので、二度目は短い揚げ時間でOKです。
揚げ上がりの目安
- 揚げ上がりの目安を見るには、食材の色や泡などの見た目や、音で判断します。
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次のような状態になったら、揚げ上がりの目安です。
泡:気泡が小さくなる
食材:こんがりと色付き、浮き上がってくる
音:音が小さく、高くなる
ぱぱ、おいしいね~
サクサクしてて、中にもしっかり火が通ってる!
油の温度や揚げ上がりって、泡や音で分かるものなんですね
ちなみに、揚げるタイプの冷凍のコロッケの場合、
凍ったまま油に入れて、一度に揚げるのは2~3個までにすると
破裂せずにキレイに揚がりますよ!
揚げ物ができるようになったら
カツカレーもかつ丼も作れるってことか!
かつかれー!かつどぉーん!
トンカツだけが、揚げ物ではないですよぉ~
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監修
森崎 繭香
お菓子・料理研究家/フードコーディネーター
【HP】 http://www.mayucafe.com/
料理教室講師、パティシエを経て、フレンチ、イタリアンの厨房で経験を積み、独立。
書籍、雑誌やWEBへのレシピ提供、テレビ・ラジオ出演など幅広く活動中。カフェやレストランでの経験を軸に、身近な材料を使った自宅でも作りやすいレシピを心がけている。
「野菜たっぷりマリネ、ピクルス、ナムル」(河出書房新社)、「いつものスープでアレンジレシピ60」「小麦粉なしでつくる たっぷりクリームの魅惑のおやつ」(ともに日東書院本社)、「型がなくても作れるデコレーションケーキ」(グラフィック社)など著書多数。