きのこは洗う?洗わない?風味が落ちない下ごしらえ方法
正しいきのこの下ごしらえと保存方法を動画でご紹介します。
きのこは洗う?洗わない?風味が落ちない下ごしらえ方法
「うちのご飯は世界イチ」の番外編、お料理の基本をご紹介するミニレッスンへようこそ。
第27回は「きのこの下ごしらえ」です。風味やうまみを逃がさない、きのこの下ごしらえと保存方法をご紹介します。
まゆせんせい、きのこどーぞ♪
わぁ!美味しそうなしいたけですね!
昨日きのこをいっぱい買ってきて、
しいたけやまいたけがたくさんあるんですー
ありがとうございます!
すっかり、秋ですね~肉厚で美味しそう!
さっそくきのこのソテーを作ろうと思ったのですが、
きのこって洗うんでしたっけ?
きのこを洗うかどうかって、ちょっと迷ってしまいますよね!
せっかくきのこがあるので、今日はいろいろなきのこの下ごしらえについて、
学んでいきましょうか!
美味しさが長持ちするきのこの冷凍保存も、
ぜひ、覚えてくださいね♪
きのこは洗う?洗わない?
食物繊維が豊富で低カロリーなきのこ。お店で年中売っていますし、さまざまな料理に使えて便利ですよね。でも、いざ料理するときに悩むのが、「きのこは洗うのか?洗わないのか?」ということ。今回は、みなさんが一度は感じるこの疑問にお答えします。
基本的に市販のきのこは洗わない!
- 洗うと食感が変わったり風味が落ちたりするため、市販のきのこの場合は水で洗う必要はありません。
市販のきのこは、「菌床栽培(きんしょうさいばい)」といって、木材に米ぬかなどの栄養を混ぜて高温殺菌したブロック(=菌床)に、きのこの種菌(たねきん)を植えつけて培養されます。
この栽培方法の場合、非常に清潔な環境できのこが育つため、洗わず調理しても大丈夫なのです。洗うと風味が落ちるだけでなく、水に触れることで劣化が早くなります。
農薬は気にし過ぎず大丈夫
「洗わずに食べる」と聞いて気になるのが、農薬の残留。しかし、日本で栽培されているきのこに関しては、特段気にする必要はありません。
日本では、きのこに使用できる農薬の質や量が決まっており、厳しく管理されています。
無農薬で栽培している農家も多く、たとえ使用していても、残留農薬値を地方公共団体などが監視・指導しています。
中でも「国産安心きのこ認証マーク」が付いているきのこは、独自の審査基準をクリアした、無農薬栽培かつ原木自体の安全性が高いもの。気になる方は、このマークが付いているかチェックするとよいでしょう。
白いカビに見えるものは「気中菌糸」
しめじやまいたけの傘の表裏、石づきの部分などに、白いフワフワしたものが付いていることがあります。「これってカビ?」と、驚いたことがある人もいるかもしれませんね。
この白いカビに見えるものは、「気中菌糸(きちゅうきんし)」。気中菌糸はきのこを形成する菌糸が伸びたもので、カビではなくきのこの一部です。もちろん、食べても問題はありません。もし抵抗があるなら、キッチンペーパーで拭き取ってから使用しましょう。
ちなみに本当にカビが付いた場合、緑や青に変色して、異臭やぬめり、水っぽさが出たりします。腐敗が考えられるため、廃棄しましょう。
きのこを洗った方がよい場合とは?
例外的に、きのこにも洗った方がよいとされる場合もあります。
たとえばサラダに使う生のマッシュルームや、粘りのあるなめこ、生きくらげ、はなびらたけといったきのこは、調理の前に軽く水洗いした方がよいといわれています。
また、山に生えている天然のきのこは、土や砂などの汚れが付いているため、洗ってから調理するようにしましょう。
さらに、虫が付いていることも多いので、「虫出し」という作業が必要となります。
まず1~4%の塩水に、15分程度きのこを漬けてください。表面に浮いた虫や沈んだ虫を捨て、水切りをしたら完了です。
市販のきのこの下ごしらえ方法
きのこを料理に使うときの、下ごしらえ方法をお伝えします。
しいたけの下ごしらえ
- しいたけなどの傘の大きいきのこは、布巾やキッチンペーパーで汚れを拭き取ります。
- しいたけは石づきを切り落とします。
- 軸は食べることができるので、そのままでも問題ありません。好みや使う料理に合わせて切ります。
しめじの下ごしらえ
- しめじは石づきを切り落として、束に分けて使います。
まいたけの下ごしらえ
- まいたけはそのまま手で、食べやすい大きさにほぐします。
えのきの下ごしらえ
- えのきは根の色が変わっている部分を切り落とします。
エリンギの下ごしらえ
- エリンギは手で食べやすい大きさに裂きます。
きのこの保存方法
きのこを保存する際は、冷凍保存がおすすめです。冷凍~加熱の過程で、うまみ成分である「グアニル酸」が生成され、美味しさがアップしますよ。
冷凍保存の方法
-
きのこは、下ごしらえをしてからファスナー付きの保存袋に入れて、冷凍保存します。自然解凍すると水っぽくなったり、臭みが出て味が落ちてしまったりするので、解凍せずにそのまま加熱調理しましょう。
保存期間の目安は、約1ヵ月です。
きのこって水で洗わなくてもOKなんですね!
冷凍で保存した方がいいなんて、知らなかったです
そのまま加熱できるから時短にもつながりますし、
うまみが増すので一石二鳥ですよね♪
ぜひ、冷凍きのこを活用してみてくださいね!
は~い!
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監修
森崎 繭香
お菓子・料理研究家/フードコーディネーター
【HP】 http://www.mayucafe.com/
料理教室講師、パティシエを経て、フレンチ、イタリアンの厨房で経験を積み、独立。
書籍、雑誌やWEBへのレシピ提供、テレビ・ラジオ出演など幅広く活動中。カフェやレストランでの経験を軸に、身近な材料を使った自宅でも作りやすいレシピを心がけている。
「野菜たっぷりマリネ、ピクルス、ナムル」(河出書房新社)、「いつものスープでアレンジレシピ60」「小麦粉なしでつくる たっぷりクリームの魅惑のおやつ」(ともに日東書院本社)、「型がなくても作れるデコレーションケーキ」(グラフィック社)など著書多数。