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味付けの基本「調味料のさしすせそ」

料理の味付けの基本となる、調味料のさしすせそを動画でご紹介します。

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  味付けの基本「調味料のさしすせそ」

「うちのご飯は世界イチ」の番外編、お料理の基本をご紹介するミニレッスンへようこそ。
第22回は、「調味料のさしすせそ」です。調味料を入れる順番や保存方法をご紹介します。


砂糖を入れて~次に塩♪
酢を入れて~醤油と味噌っと♪

ミエさん、調味料のさしすせそですね!

そうです!これだけはちゃんと覚えているんですよね~
でも昔、さしすせその「そ」はソースだと思っていました

確かに味噌以外の調味料は頭文字なので、間違えてしまいますよね
ちなみに、なぜこの順番に入れるのか知っていますか?

う~ん…単純に
「さしすせそ」が覚えやすいからですかね?

覚えやすいというのもありますが、実は意味のある順番なんです!
知っておくと、料理をするのがもっと楽しくなりますよ
今回は「調味料のさしすせそ」についてご紹介しますね

マユ先生のHow to

料理の味付けの基本になる5つの調味料

料理の味付けの基本は、「調味料のさしすせそ」。主に和食の味付けに使う調味料の種類、またそれらを使用する際の順番が分かるように作られた語呂合わせです。

マユ先生のHow To
「さしすせそ」とは、調味料を使う順番を覚えるための語呂合わせです。では、それぞれ何を指しているのでしょうか?

さ=砂糖

マユ先生のHow To
食材を柔らかくし、甘味を付ける調味料です。砂糖は、食材に味が浸透するのが遅いため、最初に入れます。

保存方法は、密閉容器に入れて常温保存します。

し=塩

マユ先生のHow To
食材から水分を外に出し、塩気を付ける調味料です。塩は浸透圧が高く、砂糖より先に入れると、砂糖の甘みが食材に浸透しづらくなってしまうため、砂糖の次に入れます。

保存方法は、密閉容器に入れて常温保存します。

す=酢

マユ先生のHow To
食材に酸味や風味を付ける調味料です。酢は早く入れると酸味が飛んでしまうため、仕上がり近くに入れます。

保存方法は、開封後の賞味期限を確認し、常温保存します。

せ=醤油

マユ先生のHow To
味に深みを与え、食材に香りを付ける調味料です。醤油は香りや風味を逃さないため、仕上がり近くに入れます。

醤油の保存方法は、開栓後は空気に触れると酸化してしまうため、冷蔵保存します。
※密閉ボトルに入った醤油の場合は、酸化を防ぐ仕組みとなっているため、賞味期限を確認し、常温保存します。

マユ先生のチェック

なぜ「しょうゆ」が「せ」なの?

昔使われていた「歴史的仮名遣い」では、醤油を「せうゆ」と表記するため、醤油が「さしすせそ」の「せ」の調味料となっているといわれています。しかし、実は醤油の正しい歴史的仮名遣いは、「しやうゆ」。「せうゆ」も大衆に使われていた表記ではありますが、歴史的仮名遣いではない「許容仮名遣い」の一種なのです。この「さしすせそ」に当てはめるために、本来とは異なる表記を使用したのですね。

そ=味噌

マユ先生のHow To
味をまろやかにし、食材に香りを付ける発酵食品です。加熱により香りが飛びやすいので、仕上がり近くに入れます。

保存方法は、空気が入らないように密閉して、冷蔵保存します。

マユ先生のチェック

なぜ「みそ」だけ下から文字をとるの?

「さしすせそ」の「そ」が味噌、というのはちょっと考え付かないですよね。味噌なら「み」じゃないの?と思う人も多いことでしょう。
これにはいくつかの説があり、「そ」はさ行の最後の文字だから下からとったという説がよく挙げられています。ほかにも、味噌の「噌」は日本で作られた漢字なので、この一文字で味噌という意味が通じるから…という説があります。

酒、みりん、ソースを入れるタイミングとは?

味に深みを出すためには、「さしすせそ」以外の調味料が必要な時もありますね。その場合の順番をお教えしましょう。

料理酒は、砂糖と同じように食品を柔らかくする作用があります。また、食材の臭みを取ったり、味を染み込みやすくさせる働きもあるので、砂糖の前に加えます。
「料理酒」として販売されているものには、食塩や甘味料が添加されているものもあります。その場合、塩分の調整に注意しましょう。また、普通の日本酒も料理酒と同じように料理に使用できますが、食塩や甘味料は添加されていないので、自分で味付けする必要があります。

みりん

みりんには「みりん風調味料」と、昔ながらの「本みりん」があります。
違いはアルコール分の含有量で、本みりんはアルコール度数が14%前後と高いため、酒のように食材の臭みを消してくれます。みりん風調味料は「みりんタイプ」などとも呼ばれ、アルコール分はほとんど含まれません。

本みりんは煮崩れを防ぐ効果があるのと、アルコールを飛ばす必要があるため、料理に入れるときは砂糖よりも前に入れます。お酒と同じタイミングで入れるとよいでしょう。
みりん風調味料は照りや風味を出すために、味噌よりも後、調理の仕上げに入れます。みりん風調味料にも食塩が含まれるので、料理酒同様、塩分の調整に注意しましょう。

ソース

ソースを加えるタイミングは特に決まっていません。仕上げの直前に加えたり、煮込み料理の隠し味に加えて煮込んだりなど、料理の種類や好みに合わせて自由に使いましょう。

砂糖・塩・醤油を使った調理例

砂糖・塩・醤油は味付けの基本中の基本の調味料。特に和食の煮物には、なくてはならないものといえます。「さしすせそ」の順番を踏まえて、美味しい煮物を作る手順をお教えしましょう。

さ=砂糖

マユ先生のHow To
和食の煮物の場合、最初に砂糖を入れて味を浸透させます。

し=塩

マユ先生のHow To
砂糖の次に塩を入れて、味気を付けます。

せ=醤油

マユ先生のHow To
塩の次に醤油を入れて、風味や香りをつけます。
特に和食では「さしすせそ」の順番で入れると、美味しく味付けができるといわれています。
※レシピによって、入れる順番が異なる場合もあります。

へぇ~、調味料を入れる順番ってひとつひとつに意味があったんですね!
保存方法については全部、冷蔵保存していました…

間違った保存方法は、カビや酸化の原因になってしまうので
調味料の風味をきちんと保つためにも、それぞれ適切な方法で保存しましょう

よし、帰ったらさっそく
家にある調味料をチェックしてみよう!

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監修 森崎 繭香 お菓子・料理研究家/フードコーディネーター
【HP】 http://www.mayucafe.com/

森崎 繭香

料理教室講師、パティシエを経て、フレンチ、イタリアンの厨房で経験を積み、独立。
書籍、雑誌やWEBへのレシピ提供、テレビ・ラジオ出演など幅広く活動中。カフェやレストランでの経験を軸に、身近な材料を使った自宅でも作りやすいレシピを心がけている。
「野菜たっぷりマリネ、ピクルス、ナムル」(河出書房新社)、「いつものスープでアレンジレシピ60」「小麦粉なしでつくる たっぷりクリームの魅惑のおやつ」(ともに日東書院本社)、「型がなくても作れるデコレーションケーキ」(グラフィック社)など著書多数。