包丁の使い方と基本の切り方
料理の基本となる包丁の使い方・切り方を動画でご紹介します。
包丁の使い方と基本の切り方
「うちのご飯は世界イチ」の番外編、お料理の基本をご紹介するミニレッスンへようこそ。
第17回は、「包丁の使い方と基本の切り方」です。正しく包丁を使うことで、安全に手際よく料理をすることができます。
うーん…やっぱりマユ先生のように
上手くいかないなぁ
にんじんを切りながらどうしたんですか?
わっ!ミエさん、添える手が危ないですよ!
え!?違うんですか?
切る際に添える手は丸めてって本に書いてあったんですけど
確かに添える手は丸めるのですが、
この丸め方だと、親指を切ってしまいます!
添える手は“猫の手”を意識してみましょう
“猫の手”ってよく聞いたことはあるのですが、
ちゃんと理解していないかも…
それでは正しい猫の手の形と
包丁の使い方を学んでいきましょう
包丁を使う前に、基本をおさらい!
包丁の使い方と基本の切り方を学ぶ前に、正しい包丁の持ち方と姿勢についてもう一度整理しましょう。
包丁の持ち方・姿勢
箸や筆と同じように、包丁にも正しい持ち方・使うときの姿勢があります。身に付けると、お料理の効率がグンとアップしますよ。
手の添え方
-
包丁を使うときは、食材を持つ方の手の添え方も大切です。
手を丸めて食材に添え、指の第一関節が包丁の腹(側面)に当たるようにします。よく「猫の手」といわれる添え方です。
コツは、親指もきちんと曲げること。親指を伸ばしたままで包丁を使うと、指を切ってしまう恐れがあるので注意しましょう。
両刃の包丁は右利き、左利きどちらでも使用可能!
一般的に家庭で使われている三徳包丁や牛刀は、包丁の両面に刃が付いている「両刃」。基本的に両刃の包丁は、右利き、左利きどちらでも使用できます。持ち手を変えても、食材に対する刃の入り方は変わらないからです。
一方、主に魚をさばくときに使われる出刃包丁は、片面にだけ刃が付いている「片刃」。片刃の包丁は持ち手によって、食材に対する刃の入り方が大きく変わってしまいます。
そのため、左利きの人は左利き用に作られた出刃包丁か、両刃仕様(右利き左利き兼用)の出刃包丁を使いましょう。
こんな添え方は危険!
ケガの恐れがある、危ない添え方をご紹介します。うっかりやらないように気を付けましょう!
- 親指が人差し指や中指より出ている
- 指を伸ばしている
- 食材を強く握っている
正しい包丁の使い方
安全かつスムーズな調理のために、正しい包丁の使い方を身に付けましょう。作業が早くなる&手が疲れにくくなると同時に、滑ったり落としたりといったトラブルも防ぐことができます。
基本の切り方
- 包丁の腹を人差し指の第一関節に付けて、ガイドにします。
- 包丁を手前に引いたり、奥に押したりといった前後の動きで切っていきます。上から下へ力を入れて切るのではなく、前後に引く、押すの動作で切りましょう。
- みじん切りも、素早く包丁を前後に動かして切ります。包丁の刃を大きく動かすことで、素材の繊維を潰さずにきれいに切ることができます。
食材によって使い分ける2種類の切り方
包丁を使った食材の切り方は、主に「押し切り」と「引き切り」の2種類に分けられます。この2種類の切り方は、食材の細胞組織(繊維)のかたさによって使い分ける必要があります。それぞれどのようなかたさの食材で用いるのか、見ていきましょう!
押し切り
野菜やかたい肉を切るときの切り方です。繊維が粗い野菜やかたい肉の場合は、力の入りやすい「押し切り」が適しています。
包丁を奥に押すようにしながら切りましょう。特にかたいものを押し切りする際は、包丁の峰(背の部分)に持ち手と反対の手を添えて押してください。
引き切り
魚ややわらかい肉を切るときの切り方です。力が入りにくい切り方なので、食材の細胞繊維が潰れにくくなります。
包丁を手前に引き、刃の長さを利用するようにして切りましょう。刺身の断面も、凹凸が少なくなめらかに仕上がりますよ。
切り方の種類と名前を覚えよう!
どんな切り方で食材を切るかは、料理の見た目と味わいに大きくかかわってきます。主な切り方の種類を覚えて、メニューごとに使い分けられるようにしておきましょう!
今回は、野菜を切る「押し切り」の中から、代表的な切り方をご紹介します。
みじん切り
食材を1~2mm角くらいに細かく切り刻む方法です。玉ねぎ、にんじん、長ねぎなどに使われます。
千切り
幅は1~2mm、長さは4~6cmくらいに細く切る方法です。キャベツ、だいこん、にんじん、たけのこなどに使われます。
乱切り
棒状の食材を手前に回しながら、不規則な形に切る方法です。ただし、大きさは揃えるのがポイント。
断面が多く火の通りがよくなるので、煮物に入れるにんじん、ごぼうなどに使われます。
くし形切り
髪をとかすくしのような形に切る方法です。トマト、玉ねぎ、かぼちゃなど、丸い食材に使われます。
輪切り
棒状の食材を、切り口が輪の形になるように端から切る方法です。一定の厚みを保つように切りましょう。きゅうり、なす、にんじんなどに使われます。
半月切り
輪切りを半分にして、半月型に切る方法です。
輪切りと同じ棒状の食材に使われます。先に縦割りにして半月型にしてから、輪切りと同じように端から切っていきましょう。
いちょう切り
半月切りを半分にした、いちょうの葉のような扇型に切る方法です。先に半月切りにしてから切るほか、4分の1に縦割りしたものを端から切っていく方法もあります。
主に、煮物や汁物に入れるにんじん、だいこんなどに使われます。
うぅ…ちょっとぎこちなくなっちゃうな…
でも、マユ先生みたいに
スムーズに包丁を使えるようになりたい!
最初は、切りづらいかもしれませんが
正しく包丁を使うことは料理の基本ですよ!
がんばって練習しましょうね
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監修
森崎 繭香
お菓子・料理研究家/フードコーディネーター
【HP】 http://www.mayucafe.com/
料理教室講師、パティシエを経て、フレンチ、イタリアンの厨房で経験を積み、独立。
書籍、雑誌やWEBへのレシピ提供、テレビ・ラジオ出演など幅広く活動中。カフェやレストランでの経験を軸に、身近な材料を使った自宅でも作りやすいレシピを心がけている。
「野菜たっぷりマリネ、ピクルス、ナムル」(河出書房新社)、「いつものスープでアレンジレシピ60」「小麦粉なしでつくる たっぷりクリームの魅惑のおやつ」(ともに日東書院本社)、「型がなくても作れるデコレーションケーキ」(グラフィック社)など著書多数。