魚の霜降りの方法
魚料理を美味しく仕上げる下処理のひとつである、霜降りの方法をご紹介します。
魚の霜降りの方法
「うちのご飯は世界イチ」の番外編、お料理の基本をご紹介するミニレッスンへようこそ。
第102回は、「魚の霜降りの方法」です。煮魚をはじめとした魚料理を美味しく仕上げるための、霜降りという下処理の方法をご紹介します。
今日の晩ごはんは、ぶり大根にしようっと!
ぶりか~、楽しみだ~
久しぶりに作るからちょっと不安だなあ…
えっと、まず切り身を醤油に漬けるんだっけ?
ミエ、ストーップ!醤油に漬ける前に、まず霜降りをしないとだぜ!
えっ?フラッキー、霜降りって何だっけ?
霜降りは、魚の臭みを抑える下処理のことだ!俺が教えてやるから見ておけよ!
ありがとう、フラッキー!
魚の霜降りの方法
魚や肉を料理する際に必要な下処理のひとつに、「霜降り(湯引き)」という方法があります。霜降りは、素材の臭みを抑えるのに効果的な方法です。
魚の場合、焼き料理や揚げ料理なら、生臭さはそれほど気になりません。ですが、煮物や鍋料理の場合は、煮汁やだし汁に臭みが溶け込むため、事前に霜降りをしておく必要があります。さっそく、魚の霜降りの方法をご紹介しましょう。
材料
手順
- バットに魚の切り身を置き、まんべんなく両面に塩をふりかけます。そのまま冷蔵庫で10分程度置きましょう。
-
ボウルの上にざるを置いて、冷蔵庫から取り出した切り身を入れます。
沸騰直前のお湯を全体に回しかけて、魚の表面が白くなったら、冷水の入ったボウルに移してください。
霜降りのお湯の温度に注意!
霜降りに使うお湯は、完全に沸騰した熱湯ではなく、沸騰直前の80度~90度くらいの温度が最適だ。沸騰直前になったら火を止めるといいぞ。
お湯の温度が低すぎると生臭さが残るし、温度が高すぎると魚の身が反り返ってしまうので、注意しよう!
- 冷水の中で、うろこや血合い、汚れ、ぬめりなどを手で丁寧に取り除きます。
- キッチンペーパーで水気を拭き取ったら完了です。
霜降りした魚を使った煮魚レシピ
調理する前に霜降りすることで、魚の臭みが抑えられてぐんと美味しく仕上がりますよ。代表的な煮魚のレシピをご紹介します。
かれいの煮付け
煮魚料理としてはお馴染みの、かれいの煮付け。まず、かれいの切り身を霜降りします。次に、鍋に醤油、みりん、砂糖、酒、水を入れ、生姜の薄切りを入れて煮立てましょう。そこにかれいと食べやすい大きさに切った長ねぎを入れ、落し蓋をして中火で煮ていきます。5~6分したら落し蓋を取って、煮汁をかれいにかけながらさらに4分程度煮れば完成です。
さばの味噌煮
脂ののったさばに味噌の味わいがよく合う、さばの味噌煮。まず、適当な大きさに切ったさばを霜降りして、皮目に十字の切り込みを入れます。鍋に味噌、みりん、砂糖、醤油、水を入れて、強火で煮立てましょう。
さばの皮目を上にして鍋に入れ、酒をたっぷり回しかけます。そこに、薄切りの生姜や長ねぎを加えて加熱を続けてください。沸騰したら落し蓋をして、中火で15分程度煮ます。一旦火を止めて冷ましたら、落し蓋を外し、煮汁に味噌を溶き加えて再び加熱します。軽くとろみが付いたらできあがりです。
あら汁
おさかな、おいしい~
ぜんぜん臭みがなくて、ふっくら美味しく仕上がっているよ!
霜降りは、魚の臭みを取るだけでなく、煮崩れ防止にもなるんだ!
煮魚料理のときには忘れずにやっておくといいぞ~
ありがとう、フラッキー!これで、刺身や塩焼き以外の魚料理にも自信がついた~!
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監修
森崎 繭香
お菓子・料理研究家/フードコーディネーター
【HP】 http://www.mayucafe.com/
料理教室講師、パティシエを経て、フレンチ、イタリアンの厨房で経験を積み、独立。
書籍、雑誌やWEBへのレシピ提供、テレビ・ラジオ出演など幅広く活動中。カフェやレストランでの経験を軸に、身近な材料を使った自宅でも作りやすいレシピを心がけている。
「野菜たっぷりマリネ、ピクルス、ナムル」(河出書房新社)、「いつものスープでアレンジレシピ60」「小麦粉なしでつくる たっぷりクリームの魅惑のおやつ」(ともに日東書院本社)、「型がなくても作れるデコレーションケーキ」(グラフィック社)など著書多数。