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パスタのゆで方!フライパンでゆでる方法もご紹介
美味しく仕上がるパスタのゆで方をご紹介します。
パスタのゆで方!フライパンでゆでる方法もご紹介
「うちのご飯は世界イチ」の番外編、お料理の基本をご紹介するミニレッスンへようこそ。
第64回は「パスタのゆで方」です。失敗しない手順やおすすめのレシピを詳しくご紹介します。
にんにくがあるから、今日のお昼はペペロンチーノにしようっと!
でも、私がパスタをゆでるとやわらか過ぎたりくっついたりして、いまいちうまくいかないのよね…。なんでだろう?
パスタのゆで方はシンプルなだけに、ちょっとした工程で、仕上がりも大きく変わってくるぞ。
パスタの種類から解説するから、しっかりついてこいよ〜!
【パスタのゆで方】鍋を使った基本の方法
多くの種類が存在するパスタ。今回は、そのなかでももっともポピュラーな「スパゲッティ」を使用して、基本のゆで方を解説します。
材料(2人前)
- パスタ(スパゲッティ)
- 160g
- 水
- 2リットル
- 塩
- 10g
手順
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- 沸騰したお湯の中に塩を入れます。
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沸騰したお湯の中にパスタを入れます。
両手でパスタの束を持って軽くひねり、パッと離して散らすように入れましょう。
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菜箸でパスタをお湯に沈めます。
火加減を中火に落として、沸騰した状態を保ちながらゆでてください。
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- パスタがくっつかないように、菜箸で軽く混ぜながらゆでます。
ゆで時間は、パスタのメーカーや麺の太さによって異なるため、使用する商品に記載されている時間を基準にして、好みのかたさに調整してください。
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パスタを1本取って、かたさを確認します。
写真のように、パスタがねじれて隙間なくくっつく状態がちょうどよいゆで具合です。
1本食べて確認すると、より正確にかたさを確認できます。
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- 少しかため(アルデンテ):中心に針くらいの芯が残っています。写真のように、パスタがゆるいカーブを描いてギリギリくっつく状態がアルデンテです。
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- パスタが好みのかたさにゆで上がったら火を止め、ざるに上げて水を切ります。
鍋でゆで上がったパスタとフライパンで作ったソースをからめる場合は、ざるに上げずに、トングなどで取って鍋からフライパンに直接入れます。少しパスタにゆで汁が残っているほうが、ソースの油分が乳化してよくなじむためです。パスタのゆで上がりとほぼ同時にソースも仕上がっているのが理想で、ゆで上がったらなるべく手早くからめるのがコツです。
IHコンロを使ったパスタのゆで方
IHコンロを使用する際は、平底の鍋を選ぶことがポイントです。IHコンロは熱を均等に伝えるため、底が平らな鍋を使用することで、料理が均等に加熱されます。鍋の底が平らでないと、熱が偏ってしまうことがあります。
また、IHコンロは温度が急速に上がるため、パスタをゆでる前に水を十分に沸騰させておくことが大切です。水が沸騰したらパスタを入れ、その後は火力を中火に調節します。吹きこぼれに注意しながらお好みのかたさにゆでましょう。
フライパン・レンジで時短になるパスタのゆで方
フライパンや電子レンジを使用することで、調理時間を短縮できるだけでなく、洗い物の負担を減らせます。ここでは、フライパンや電子レンジを使ったゆで方が、鍋での調理とどのように異なるのかを見ていきましょう。
フライパンを使った方法
フライパンでパスタをゆでる方法は、鍋での調理と似ています。まず、フライパンに水を注ぎ沸かしてから、沸騰したお湯に塩を加えます。次に、パスタをフライパンに入れます。パスタの一部が水面から出てしまったときはよく混ぜて、パスタ全体が水に浸かるようにしましょう。その後、水がほぼなくなり、パスタが適度にゆで上がったら、フライパンの中でそのままソースを加えて調理します。
レンジを使った方法
スパゲッティを電子レンジでゆでるためには、まずパスタが入る耐熱容器を用意します。大きな容器がない場合は、パスタを半分に折って入れます。1人前のパスタ80g~100gに対して水500mlを注ぎ、塩を加えたら、蓋やラップをせずに電子レンジで加熱しましょう。500Wの場合は、袋に記載されている時間に4分を加え、600Wの場合は3分を加えた時間で加熱します。
パスタをゆでる際のコツ
パスタは少し手間をかけるだけでより美味しくゆでられます。
放置するゆで方でガス代を節約!
鍋に水を入れ、沸騰したら塩を加えます。その後、パスタを入れて、くっつかないように箸で軽くかき混ぜましょう。再び沸騰したら火を止め、蓋をしてそのまま放置します。放置時間は、袋に記載されているゆで時間に2分を加えた時間です。時間になったら1本食べてみて、かたければ数分待って調整しましょう。
ゆでるときにオリーブオイルを入れたほうがいい?
パスタをゆでる際、塩と一緒にオリーブオイルを入れると麺がくっつきにくくなるといわれますが、これは間違った方法です。麺がくっついてゆで加減にムラが出るのは、鍋の大きさとお湯の量に原因があります。深い鍋、あるいは大きなフライパンを用意して、たっぷりのお湯でゆでましょう。また、麺を入れてすぐは麺同士がくっつきやすいので、しばらくかき混ぜます。ゆでている間も、様子を見ながら時々かき混ぜるとよいでしょう。
パスタがもちもちになる!?水に浸けるゆで方
パスタをもちもちに仕上げるためには、乾燥パスタを事前に水に浸けてから加熱する方法がおすすめです。まず、パスタが入る大きさの容器にパスタとその3~4倍程度の量の水を入れます。大きな容器がない場合は、パスタを半分に折りましょう。その後、1時間以上水に浸します。目安は、ゆで時間の10倍程度の時間です。時間がたったら、パスタをざるに上げて水気を切り、軽く加熱します。フライパンで加熱しソースや具材とからめると、もちもち食感のパスタが楽しめます。ナポリタンなどを作るときに好まれる方法です。
さまざまなパスタのゆで方
近年ではさまざまな種類のパスタが登場しています。今回は、生パスタ、冷製パスタ、全粒粉パスタ、そしてショートパスタのゆで方や調理のコツをご紹介します。それぞれの特徴に合わせた方法で調理しましょう。
生パスタ
生パスタは、乾燥されていない状態のパスタを指します。生パスタは必ずゆでる前にほぐして、打ち粉を振り落としておくことが大切です。鍋に入れてからほぐそうとすると、パスタがくっついてしまうため、事前にほぐしておきましょう。また、塩が練り込まれた生パスタなら、ゆでるときの塩は不要なことが多いため、あらかじめ表示を確認しましょう。
冷製パスタ
冷製パスタを作る際は、通常よりも1分長くゆでることがポイントです。冷製パスタに芯が残っていると食感に違和感が生じるため、しっかりとゆで時間を調整しましょう。ゆで上がったら、パスタの水気を切り、氷水で冷やします。その後、キッチンペーパーで水気を拭き取ったら、冷製パスタの準備は完了です。
全粒粉パスタ
全粒粉パスタは、全粒粉を原料にして作られたパスタで、食物繊維やミネラルが豊富で、栄養価の高さが特徴です。全粒粉パスタをゆでる際は、分量に対して大きめの鍋にたっぷりのお湯でゆでることがポイントです。パスタ80g~100gに対して水1リットルを目安にしましょう。また、表記されたゆで時間よりも少し長めにゆでるのがおすすめです。アルデンテにすると、全粒粉パスタ特有の粉っぽさが残ってザラザラした食感が気になることがあるため、少し長めにゆでてやわらかさを調整したほうが食べやすくなります。
ショートパスタ
ショートパスタをゆでる場合は、ロングパスタより小さめの鍋でも問題ありません。ただし、パスタ同士がくっつかない程度のゆとりと、十分な水の量は必要です。水1リットルに対して塩5gを入れ、ロングパスタと同じ要領でゆでます。商品に記載されたゆで時間が近付いたら、パスタをひとつ取って真ん中あたりをちぎり、かたさを確認しましょう。ショートパスタは歯ごたえがあるので、芯が残らないようにゆでるのがおすすめです。
パスタのゆで方の種類とは?
パスタはゆで時間によってかたさが変わり、さまざまな種類があります。自分の好みに合ったゆで加減を知ることで、パスタをより美味しく楽しめるでしょう。
アルデンテ
アルデンテとは、ほどよい歯ごたえが残った理想のゆで具合を表す言葉で、パスタの中心にわずかに芯が残った状態とされています。商品に記載のゆで時間より1分程度短くするとよいといわれていますが、1本食べてかたさを確認するのがおすすめです。
ベンコッティ
ベンコッティとは、イタリア語でよく火が通っていることを意味する言葉です。このゆで加減は、クリームパスタやトマトパスタなど、ソースが主役のレシピを作るときにおすすめです。ベンコッティでゆでるとソースがよくからみ、パスタ本来の風味が引き立ってより美味しく仕上がります。
定番人気のパスタレシピ
ミートソースパスタ
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玉ねぎ、にんじんを刻み、合いびき肉と一緒に炒めます。お好みで刻んだにんにくを加えても美味しいですよ。とろみづけの薄力粉をまぶし、トマト缶で煮込み、塩、こしょうなどで味付けすれば、ミートソースのできあがり。ゆでたてのパスタにからめるほか、ドリアやラザニアなどにも使えます。
カルボナーラ
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溶き卵、生クリーム、粉チーズはボウルなどで混ぜ合わせておきましょう。ベーコンをオリーブオイルで炒め、ゆで汁を加えて混ぜます。ここにパスタをからめ、先ほど混ぜておいたソースを加えます。塩で味をととのえ、器に盛り付けて黒こしょうを散らせば完成です。
ペペロンチーノ
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フライパンにオリーブオイルを入れ、薄切りにしたにんにく、種を除いた赤唐辛子を弱火にかけます。香りが出てきたら、ゆで汁(1人分につき大さじ2程度)を加えてよく混ぜ、ゆでたてのパスタをからめたら塩こしょうで味を調えましょう。
ナポリタン
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7mm幅くらいのくし形切りにした玉ねぎ、細切りのピーマン、斜め切りにしたウィンナー、お好みで刻んだにんにくをフライパンで炒めます。ケチャップを加えて数分炒めたら、ゆでたてのパスタとゆで汁少々を加え、全体的に混ぜたらできあがりです。
レモンチーズパスタ
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ゆで上がったパスタに、オリーブオイルとレモン汁適量、ゆで汁少々と、パルメザンチーズをたっぷりかけます。全体をよく混ぜたらできあがり。チーズとゆで汁で塩味が付きますが、お好みで塩こしょうを加えて味を調えてください。スパゲッティだけでなく、ペンネなどのショートパスタとも相性抜群です!加熱したズッキーニや、薄切りのチキンを入れても美味しく食べられます。
パスタのゆで方に関するよくある質問
パスタのゆで方に関するよくある質問をご紹介します。
パスタを入れるタイミングは?
沸騰したお湯に塩を入れたらパスタをゆでます。
パスタのゆで時間は?
パスタのゆで時間はパッケージに記載があります。商品に記載のゆで時間より1分程度短くするとアルデンテ麺になります。
パスタをもちもちにゆでるには?
パスタを加熱する前に1時間程度水に浸けておくともちもちした食感になります。
ゆでたパスタが固まらないようにするためには?
深く大きな鍋にたっぷりのお湯でゆでることが大切です。また、麺を入れてすぐはしばらくかき混ぜ、その後も時々かき混ぜると麺がくっついて固まるのを防げるでしょう。
ショートパスタのゆで方とは?
鍋は小さいものを使用しても問題ありません。水1リットルに対して塩5gを入れ、ロングパスタと同じ要領でゆでます。
塩加減はどれくらい?
パスタを1人前(80~100g)ゆでるのに1リットルのお湯が必要です。また、1リットルのお湯に対しては0.5%、つまり5gの塩を入れるのがちょうどよい塩加減になるでしょう。
パスタを調理するときの時短術は?
パスタは電子レンジの加熱でも調理できます。1口コンロしかない場合や、パスタをゆでる鍋がない場合にもおすすめです。
うわ~、このぺペロンチーノ美味しいね!
パスタにほどよい歯ごたえがあって、
なんだか本格的だな~。
本当!?今日はフラッキーおすすめの、アルデンテにゆでてみたの!
コウちゃんの分は少しやわらかくして、ミートソースをかけたよ♪
うん!すぱげってぃおいし~い!
おっ!ゆで具合を調整できるなんて、上達したじゃないか~。
パスタのゆで時間はメーカーによって異なるから、
毎回パッケージに書いてあるゆで時間の目安の確認を忘れずにな!
次は、ショートパスタ料理を作ってみようっと♪
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監修
森崎 繭香
お菓子・料理研究家/フードコーディネーター
【HP】 http://www.mayucafe.com/

料理教室講師、パティシエを経て、フレンチ、イタリアンの厨房で経験を積み、独立。
書籍、雑誌やWEBへのレシピ提供、テレビ・ラジオ出演など幅広く活動中。カフェやレストランでの経験を軸に、身近な材料を使った自宅でも作りやすいレシピを心がけている。
「野菜たっぷりマリネ、ピクルス、ナムル」(河出書房新社)、「いつものスープでアレンジレシピ60」「小麦粉なしでつくる たっぷりクリームの魅惑のおやつ」(ともに日東書院本社)、「型がなくても作れるデコレーションケーキ」(グラフィック社)など著書多数。