鮮度キープ!魚の冷凍保存方法
魚を新鮮なまま保つことのできる、冷凍保存&解凍方法を動画でご紹介します。
鮮度キープ!魚の冷凍保存方法
「うちのご飯は世界イチ」の番外編、お料理の基本をご紹介するミニレッスンへようこそ。
第72回は「魚の冷凍保存方法」です。美味しさと新鮮さを保つことができる、魚の冷凍保存方法と解凍方法をご紹介します。
マユ先生~
お魚が新鮮で安くて、ついたくさん買い過ぎちゃいました~
毎日お魚料理ばっかりになりそう…
いいですね!美味しいお魚。
買ってきたら、新鮮なうちに冷凍で保存するのがおすすめですよ
冷凍!その手がありました
それなら急いで食べなくても、少しずつ料理できますね
臭みや変色を防ぐには、できるだけ新鮮なうちに冷凍してしまいましょう
解凍するときも、美味しく食べるコツがあるんですよ
せっかくのお魚、美味しく食べたいです
上手に冷凍と解凍をするポイントを教えてください!
魚の冷凍保存方法
魚を冷凍保存する方法は、魚の種類や加工の仕方によって異なる場合があります。適した方法で冷凍しましょう。
切り身の場合
- 余分な水分(ドリップ)を拭き取ります。
- 1切ずつ分けて、ラップでぴったり包みます。
-
ファスナー付きの保存袋に入れて、密閉して冷凍保存します。
保存期間の目安は、約2週間です。
干物の場合
- 1匹ずつ分けて、ラップでぴったり包みます。
-
ファスナー付きの保存袋に入れて、密閉して冷凍保存します。
保存期間の目安は、約2週間です。
一尾の場合
頭、エラ、ウロコ、内臓(ワタ)は傷みやすいので、冷凍する前に取り除きましょう。
自分でやる時間がない場合、魚屋さんやスーパーなど、魚を購入した売り場に頼みましょう。ほとんどの場合、処理をした状態で渡してくれます。
保存の仕方と保存期間の目安は、切り身の場合と同じです。
刺身の場合
刺身の冷凍は、あまりおすすめできません。空気に触れる面積が多いため、冷凍すると味が落ちてしまうからです。食べきれなかった刺身は、醤油とみりんの合わせだれに漬けて「ヅケ」にして、翌日中に食べるようにしましょう。ヅケにした魚は、小麦粉、卵、パン粉の衣を付けて、フライにするのもおすすめです。
どうしても冷凍したい場合は、キッチンペーパーできちんとドリップを吸収させて、重ならないようにラップで包み、ファスナー付きの保存袋で冷凍します。冷凍庫では金属のトレイに乗せて急速冷凍すると、凍るまでの時間が短くなりますよ。
柵(サク)で買ったときは、空気に触れる部分が少ないので、切ってある状態の刺身よりは長持ちします。切り身と同じように余分な水分(ドリップ)を拭き取ります。その後、ラップに包んで密閉し、ファスナー付きの保存袋で保存します。
ちなみに、冷凍した刺身を解凍して、再び刺身として食べることは難しいです。後日、冷凍した刺身用の魚を食べるときは、必ず火を通して調理してから食べるようにしましょう。
保存期間の目安は、約1週間です。
魚のおすすめ解凍方法
できるだけ冷凍庫内と温度差の小さい状態で解凍するのが、美味しく解凍するコツです。家庭でできる、おすすめの解凍方法をご紹介します。
流水解凍
美味しさが保たれる、おすすめの方法です。ボウルに水を張り、冷凍した魚を保存袋のまま入れて、水道水を細く注ぎ入れます。流水に当てた状態を保つと、少しずつ解凍されていきますよ。保存袋に水が入らないよう、密閉できる袋を使ってください。
氷水解凍
氷水に冷凍した魚を浸け置いて解凍する方法です。水が冷たい分、流水解凍よりも鮮度が落ちにくく、ドリップも出にくいです。流水解凍と同じように、保存袋内に水が入らないように密閉して行ないましょう。
冷蔵庫解凍
時間があるときにおすすめの方法です。解凍中も鮮度が保たれるので、傷みにくいというメリットがあります。冷凍した魚を冷蔵庫に数時間置いておくだけでOK。魚の厚みや大きさにもよりますが、4~6時間程度で、手で触ってやわらかく感じる程度に解凍されます。朝、冷蔵庫に移しておけば、夕食を作る頃にはちょうどよく解凍されそうですね。
電子レンジ解凍
電子レンジの解凍モードを使えば、すぐに解凍したいとき便利です。200W程度の低出力で加熱されるため、レンジにかけても魚が温まることはありません。半解凍状態や解凍ムラになりやすいので注意が必要です。特に古いレンジで解凍する際は、何度か解凍具合を確認しながら、加熱時間を調整するようにしましょう。
冷凍干物はそのままグリルで解凍!
冷凍した干物は解凍せず、そのまま魚焼きグリルで調理できますよ。事前にしっかり予熱をして、皮目を下にして中火で焼きます。焼き色がついたら裏面も同じように焼きましょう。焦げやすいので、焼き色を確認しながら、火加減を調節してくださいね。
気になる臭いの原因は「ドリップ」
新鮮な状態で冷凍したのに、解凍するとなんだか水っぽく生臭い…。
その原因は、「ドリップ」と呼ばれる、凍った細胞から流れ出た水分。ドリップは残念ながら“美味しいエキス”とはならず、うまみも一緒に流れ出てしまいます。また、ドリップがでる過程で鮮度が失われると、生臭みの原因にも。
ドリップが出るのを防ぐには、急速冷凍と低温解凍を心がけることが大切です。ステンレスのバットや氷の上にのせて冷凍庫に入れて、なるべく短時間で凍らせましょう。
そのとき、魚をキッチンペーパーに包んで解凍すると出てきた水分を吸収するので、味が落ちてしまうのを防げますよ。
時短&らくちん!魚の下味冷凍レシピ
下味冷凍とは、買ってきた魚に下味をつけて冷凍すること。ファスナー付きの保存袋に、調味液ごと魚を入れて冷凍します。調味液によって空気に触れる面積が減ることで、生魚の状態で冷凍するよりも鮮度が落ちにくく、美味しさを保てます。また、解凍後すぐに調理できるので、時短にもつながりますよ。
下味冷凍の保存期間の目安は、約1ヵ月です。使うときは生魚と同じように解凍するほか、凍ったまま調理できるものもあります。
煮付け
味噌漬け
味噌、砂糖、みりん、生姜、または塩麹で下味冷凍。使うときは解凍してからグリルやフライパンで焼きます。焦げやすいので、調味液をキッチンペーパーでぬぐって落としてから焼きましょう。
味噌煮
上記の味噌漬けと同じように下味冷凍した魚を、凍ったままフライパンや鍋に入れて水を加えます。酒や生姜を入れて、落とし蓋をして煮ます。
照り焼き
醤油、砂糖、酒で下味冷凍した魚を、そのままフライパンやグリルで焼きます。フライパンは焦げやすいので水を少量入れるか、クッキングシートなどにのせて焼きましょう。
フライ
塩、こしょうで味付けした魚に小麦粉、卵、パン粉などのフライ衣をつけた状態で冷凍します。調理するときは、凍ったまま揚げればOK。中心部まで火が通りにくいので、低温で長めに揚げます。
冷凍の魚にも期限があったんですね
使うのを忘れて、つい入れっぱなしにしがちでした
扉の開け閉めなどで温度が上がると、冷凍でも劣化します
あくまでも最適な状態で保存できたときの話なので、注意してくださいね
解凍したらなるべく早く料理して、美味しく食べましょう
魚料理は大変そうなイメージがあったけど
時短の助けにもなるし、冷凍なら簡単ですね!
■関連記事
●さんまの塩焼きの作り方。アレンジレシピもご紹介!
●第2話 塩麹ぶり大根
●鮭ときのこで作る簡単ご飯ピザ
監修
森崎 繭香
お菓子・料理研究家/フードコーディネーター
【HP】 http://www.mayucafe.com/
料理教室講師、パティシエを経て、フレンチ、イタリアンの厨房で経験を積み、独立。
書籍、雑誌やWEBへのレシピ提供、テレビ・ラジオ出演など幅広く活動中。カフェやレストランでの経験を軸に、身近な材料を使った自宅でも作りやすいレシピを心がけている。
「野菜たっぷりマリネ、ピクルス、ナムル」(河出書房新社)、「いつものスープでアレンジレシピ60」「小麦粉なしでつくる たっぷりクリームの魅惑のおやつ」(ともに日東書院本社)、「型がなくても作れるデコレーションケーキ」(グラフィック社)など著書多数。