2023年01月13日
株式会社長谷工コーポレーション(本社:東京都港区、代表取締役社長:池上 一夫、以下「当社」)は、長谷工グループの研究・技術開発拠点である長谷工テクニカルセンター(東京都多摩市)内の技術研究所に「音響実験棟」をこのたび完成させました。当社では脱炭素社会に向け新築マンションの木造化・木質化を進めており、「音響実験棟」では木造建築の課題である遮音性能に対して効率的な実証を行うとともに、あらゆる構造種別の建物の遮音性能検証や研究技術開発のさらなる強化を目的としております。なお、当社における遮音性能検証に特化した実験施設は初めてとなります。
「音響実験棟」は、JIS規格に則った2つの残響室を備え、床、内壁、外壁などの建築部材の遮音性能の実験を実施することができます。長谷工テクニカルセンター内にある既存の住宅実験棟や多目的実験棟と併せて、建物の基礎や構造、室内外の環境や設備などに関する性能実験を多面的な視点から行っていきます。また、「音響実験棟」の建物には、当社が独自開発した環境配慮型コンクリート「H-BAコンクリート」(※1)やCLTパネル(※2)など環境負荷の少ない材料を採用しています。
長谷工グループでは中期経営計画(HASEKO Next Stage Plan(略称:NS計画))の下、分譲マンション建設で長年にわたり培ってきた技術力と豊富な実績を活かし、脱炭素に向けたマンションの木造化・木質化をはじめ、ホテルやオフィスビル、物流施設など新たな建設分野に挑戦し、建設関連事業の領域拡大に取り組んでいます。今後もお客様や社会のニーズに応えるべく、幅広い分野に対応する技術の向上を図ってまいります。
(※1)「H-BAコンクート」は、普通ポルトランドセメントと高炉セメントB種を併用して製造することで、従来の普通コンクリートに置き換えが可能な高い汎用性があり、かつコンクリート材料に由来する温室効果ガス(CO2)排出量を約20%削減する長谷工が独自開発した環境 配慮型コンクリート。
(※2)CLT(Cross Laminated Timber)とは、ひき板(ラミナ)を繊維方向が層ごとに直角に交わるように貼り合わせた大判の木質パネル。
【実施遮音性能試験について】
JIS A 1416 : 2000に則った2つの残響室(A室・B室)により構成されており、各種の建築部材を対象に、以下の遮音性能試験を行います。
1.壁部材や換気設備などを対象とした音響透過損失(※3)の測定
・2つの残響室の間に試験体カセットを設置し、A室を音源室、B室を受音室とすることで、試験体の音響透過損失を測定。
(※3) 建物の壁や窓の遮音性能を表す数値。A室から壁等を隔てたB室への音エネルギーの透過の度合を表す。
2.床仕上げ材を対象とした床衝撃音レベル低減量の測定
・A室の天井スラブ上に二重床などの床仕上げ材を設置し、仕上げ材による床衝撃音レベル低減量(素面性能と仕上げ性能の差)を測定。
3.各種構造床を対象とした床衝撃音遮断性能の測定
・B室の天井開口に木造床などの構造床を設置し、床衝撃音遮断性能を測定。
【「音響実験棟」概要】
【「長谷工テクニカルセンター」について】
2018年、長谷工グループの創業80周年事業の一環として「長谷工テクニカルセンター」を開設し、集合住宅分野における研究・技術開発拠点としての「長谷工技術研究所」、マンション管理の技術とサービスを向上させるための「長谷工グループ技術研修センター」・「長谷工コミュニティアウル24センター」、そしてマンションの歴史やモノづくりの想いを広く世の中に発信する場としての「長谷工マンションミュージアム」を併設しています。実際にお住まいの方の目線に立った安全・安心・快適に住まうための研究・技術開発を行うとともに、広くマンション事業主や行政、管理組合などのお客様に向けて、新技術・新商品・技術検証などの情報を発信しています。
長谷工テクニカルセンター:https://www.haseko.co.jp/htc/
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