ピーラーの使い方を食材の形別に解説

「うちのご飯は世界イチ」の番外編、お料理の基本をご紹介するミニレッスンへようこそ。第23回は、「ピーラーの使い方」です。きれいに食材の皮がむける基本のT型ピーラーから話題のピーラーまで、さまざまなピーラーの使い方をご紹介します。

僕、ピーラーを使うのが下手で…
毎回、手を切ってしまいそうになるんです
ピーラーは、角度や力加減に気を付ければ
きれいに皮をむくことができますよ!


今まで角度や力加減を、気にしたことがなかったです…
正しいピーラーの使い方、教えてください!
食材によってピーラーの使い方が違うので、
ぜひ、この機会にいろいろな使い方を知っておきましょう!

目次

実はたくさんある!ピーラーの種類
皮むきの時短アイテムとして大活躍のピーラー。そのピーラーにもいろいろな種類があるのをご存じですか?まずは使い方の前に、ピーラーの種類と選び方をご紹介しましょう。
T型ピーラー

基本の形はこのT型。T型ピーラーは、刃の下にあるアゴを食材にあて、引きながら皮をむいていきます。
T型は、量販店でも買えるとてもお手軽なタイプで、刃が幅広のため、一度に多くの皮をむくことのできる便利な一品です。柄が握りやすく、長い食材や大きい食材の薄皮むきに向いています。
このT型が大きくなったタイプがワイドピーラー。キャベツの千切りやたまねぎのスライスもすぐにできあがります。
I型ピーラー

棒のように縦に長いI型ピーラーは、ナイフのように使えるため、丸い食材にぴったり。I型は両刃(りょうば)といって刃先の両面に刃が付いていることが多く、右利き・左利きどちらでも使えるようになっています。
ただ、縦型でむける皮の幅が比較的狭いので、手を動かす回数が多くなることと、食材をまな板に置いて使うのが難しいことなどから、子ども向きではないかもしれません。
千切りピーラー

千切りピーラーには、皮をむいたときにそのまま別刃が細切りにスライスしていくものと、裏返して使うと千切りができるタイプがあります。形はT型と似ていますが、千切り用の刃はギザギザになっており、力の入れ方にコツが必要です。 白髪ねぎも簡単にできるので、料理の幅も広がりますよ。
きんぴらピーラー
きんぴらピーラーとは、千切りピーラーのギザギザの刃の間隔を広くしたもの。きんぴらごぼうを、丁度よい太さにスライスできる優れものです。
栗ピーラー
栗ピーラーは、むくのが大変なかたい鬼皮も、薄い渋皮も一度にむける栗専用の便利グッズです。ペンチのようなハサミ型、短刀のような形のものがあります。栗好きには必需品ですね。

子どもは何歳からピーラーを使えるの?
子どもは手や指の力が弱いため、お手伝いをしたがっても任せられることが少ないですよね。手や指が発達して、道具が使えるようになってくるのは3、4歳といわれています。そのため、ピーラーを使わせるのも3~4歳くらいからがよいでしょう。
子どもにおすすめのピーラーは、U型というニュータイプ。トングのような形をしていてグリップがしなり、ストッパーにもなるため、刃の部分に直接手指が触れることなく、安全に皮をむくことができます。
しかし、いくら安全とはいえ、子どもだけでピーラーを使わせるのではなく、必ず大人もそばに付いて見守りましょう。
正しいピーラーの使い方とは?
せっかく時短を期待してピーラーを利用しても、間違った使い方をしては効果半減です。正しく使えば、ピーラーほど便利な調理グッズはありません。安全でスピーディー、しかもきれいに仕上がるピーラーの使い方とは、どのような方法でしょうか?
真っ直ぐな食材の場合
真っ直ぐな食材には、だいこんやにんじんといった野菜が当てはまります。幅広い面で長く皮をむけるものが向いています。

真っ直ぐな食材は手で持たずに、横向きにして置きます。

ピーラーのアゴを食材に当てて、力を入れずに横に動かします。横に動かすことで、均一にむくことができます。
むき方の悪い例

動かす方向に、親指が出ていると危険です。

ピーラーを持つ手に力を入れすぎると、食材に引っ掛かり、均一にむけません。
丸い食材の場合
丸い食材には、じゃがいもなどのいも類やカブ、ラディッシュなどがあります。特に小さい野菜はむきにくいため、注意しましょう。

丸い食材は、持つ手の向きを変えながら、ピーラーを下に引きます。
むき方の悪い例

食材を持つ際に、親指が動かす方向にあると危険です。

親指のつけ根の上に、ピーラーが重なると危険です。
じゃがいもの芽の取り方

じゃがいもの芽はピーラー横についている芽取りで、えぐり取ります。じゃがいもの芽には、ソラニンという有毒物質が含まれているので、必ず取るようにしましょう。※大きい芽が出たじゃがいもは、根元から完全に取り除きます。
ピーラーのお手入れ方法とは?
ピーラーにはいろいろな型があるだけでなく、何に使うかによって刃の素材も異なります。それぞれの特徴と、お手入れ方法をご紹介しましょう。
ステンレス製
かたくて切れ味がよく、耐久性があるステンレス製ピーラー。ただ水気を切らないと錆びやすいため、使用後はすぐに洗ってよく乾かすことが大切です。S字フックなどにかけてキッチンに干しておくのがおすすめ。
刃が汚れて黄ばんだ場合は、重曹につけ置きしてから、洗いましょう。金属のため、塩素系漂白剤は使えないので注意。時間がなければ、硬めの歯ブラシに食器用洗剤を付けてよく洗ってください。
セラミック製
耐熱性があり、軽くて錆びることのないセラミック製ピーラー。切れ味も長持ちします。衝撃に弱い部分があるため、ぶつけたり落としたりしないように気を付けましょう。漂白除菌がOKなので、使用後は台所用漂白剤で黄ばみや汚れを落としてください。
チタン製
抗菌性があり、水気に強く錆びないのがチタン製ピーラー。丈夫で長持ちして、金属アレルギーがある人も安心して使えます。清潔に保ちやすいため、赤ちゃんの離乳食作りなどにも向いています。塩分や酸・アルカリにも影響されず、強い素材なので、食器洗いや乾燥機も使えるという特徴も。価格は少し高めです。
ちなみに、どのタイプのピーラーでも、購入するときのポイントは「皮が詰まりにくいタイプを選ぶ」ということ。むいている最中に皮が詰まってしまい、いちいち作業を中断するのはとてもストレスですよね。できれば事前に口コミなどを見て、使用感を調べてから購入できるとベストです。
また、ステンレス製のピーラーの切れ味が落ちたら、買い替えのタイミングと考えてよいでしょう。セラミック製やチタン製は、比較的切れ味が落ちにくいといわれています。
用語解説
鬼皮とは
木の実などの外側の厚くかたい皮のこと。
渋皮とは
樹木や果実の外皮の内側にある薄い皮のこと。タンニンを多く含み、渋いことから付いた名称。

にんじんを置いてむいたら、スラスラむけました!
ピーラーって軽い力でも、簡単にむけるのですね
ピーラーを上手に使って、皮を薄くむけば
栄養素を残すことができますよ
ピーラーは包丁で皮をむくより簡単なので、
正しい使い方を覚えて活用してくださいね!
