2025年02月18日

 株式会社長谷工コーポレーション(本社:東京都港区、代表取締役社長:池上 一夫、以下「当社」)は、軟弱地盤において盛土をする際、建設現場から発生する土に、水、固化材、気泡を混合した軽量土を活用する新たな地盤改良工法「HLS(Haseko Light Soil) 地盤改良工法」(特許出願中)(以下、本工法)を開発いたしました。なお、本工法は2024年10月15日付にて一般財団法人ベターリビングによる技術審査証明書を取得しています。

 集合住宅等を建設する際、集中豪雨などの自然災害による冠水対策として盛土を行う場合がありますが、地盤が軟弱な敷地においては、盛土の荷重によって圧密沈下※1を引き起こす可能性があります。これまでは、比重が小さい盛土材を購入することで圧密沈下しないように盛土をしていました。

 本工法では、建設現場で発生する土を活用し、水、固化材、気泡を混ぜ合わせた「気泡混合軽量土」を利用することで、盛土材を購入するよりも安価に盛土できるとともに、建設現場で発生する処分残土量を減らすことが可能となります。また、気泡混合軽量土を製造する際にバイオ炭※2を添加することも可能で、その場合は、CO2を地中に貯留することもできることから環境配慮にも寄与します。

 当社グループでは、2021年に長谷工グループ気候変動対応方針「HASEKO ZERO-Emission※3」を制定し、温室効果ガス(CO2)排出量削減の取り組みを進めております。今後、本工法の採用を積極的に進めることで、事業案件における温室効果ガス(CO2)排出量削減を推進してまいります。

※1 圧密沈下...土と土の間の水が徐々に排水されて体積が減少することで起こる地盤沈下
※2 バイオ炭...生物由来の有機物を炭化させたもの
※3 HASEKO ZERO-Emission ...https://www.haseko.co.jp/hc/csr/environment/climate.html/

【本工法の施工手順】
① 建設現場で発生する土と、水、固化材、気泡を混合し、連続式モバイルコンクリートミキサーまたはバッチ式ミキサーにて材料を
 撹拌し、気泡混合軽量土を製造。
② 固まる前の状態で、適切に配合されているか品質を確認。
③ ポンプ車で圧送し、気泡混合軽量土を所定の場所に打設。
④ 打設後、コアを採取し強度を確認。

【技術審査証明書の取得】
適用範囲において本工法が適切に施工できること、ならびに、本工法における施工指針が適切なものであることについて、2024年10月15日付にて一般財団法人ベターリビングによる技術審査証明書を取得しています。

(適用範囲)
①改良体の一軸圧縮強さ:300 kN/m2 から1,000 kN/m2
②改良体の単位体積重量:14.5 kN/m3 以下
③総改良厚さ:5m 以下
④使用材料:
 a) 盛土や構造物の埋戻しとして使用する場合
 土(有機質土を除く)、高炉セメントB 種、起泡剤、水、バイオ炭
 b) 構造物の支持地盤として使用する場合
 土(砂質土に限る)、高炉セメントB 種、起泡剤、水、バイオ炭
⑤撹拌混合方式:バッチ式、連続式
⑥打設方法:バックホウ打設、ポンプ打設

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