2022年07月28日

 株式会社長谷工コーポレーション(本社:東京都港区、社長:池上 一夫)は、「2050年カーボンニュートラル」に向けた取り組みとして、マンションの木造化※1を進めております。このたび、長谷工グループの株式会社細田工務店(本社:東京都杉並区、社長:野村 孝一郎)と共同で、鉄筋コンクリート造と同等の遮音性能を実現する「木造高遮音二重床システム(特許出願中)」(以下、本システム)を開発し、(一財)建材試験センターにて性能試験を実施し、重量床衝撃音性能LH-45※2、軽量床衝撃音性能LL-35※3という高い遮音性能を確認しました。

 一般的に木造建築物は鉄筋コンクリート造に比べ遮音性能が劣るため、マンションの木造化を進めるにあたり、遮音性能を上げる必要がありました。本システムは、音の振動による伝播を減らすように「構造床」と「二重床」の重量バランスを最適化し、「吊天井」と「構造床」を分離して設置することで遮音性能を高めています。また、マンションへの採用においては遮音性能の向上以外にも以下のメリットがあります。

  ① 木材を使用することで、建築物全体の軽量化が図れる。
  ② 木材は鉄筋コンクリートに比べ加工しやすく、工期短縮にも寄与する。
  ③ 構成部材が全て市販されており、汎用性が高い。

 長谷工グループでは、2021年12月には長谷工グループ気候変動対応方針「HASEKO ZERO-Emission」を制定しており、SBTイニシアチブの認定を取得した温室効果ガス(CO2)排出量の削減目標を設定しております。今後、本システムも含めた新築マンションの木造化を進めることで、当社のみならずサプライチェーン全体の温室効果ガス(CO2)排出量削減に寄与するとともに、脱炭素社会に向けたマンションづくりを積極的に提案してまいります。

  ※1...建築物の構造耐力上主要な部分に木材を用いること
  ※2...聞えるが、意識することはあまりない(日本建築学会 建築物の遮音性能基準と設計指針 1997参照)
  ※3...通常ではまず聞こえない(日本建築学会 建築物の遮音性能基準と設計指針 1997参照)
 
■「木造高遮音二重床システム」の遮音測定
 床構造単体での測定法はJISに定められていないため、(一財)建材試験センターの上下階型残響室の開口に木造高遮音二重床システムを設置し、床衝撃音レベルを測定いたしました。
 
■木造の採用実績
 長谷工グループでは、2014年よりマンションの木造化・木質化を進めており、マンション共用棟において既にいくつかの施工実績があります。2020年に長谷工グループ入りした細田工務店の知見を活かしながら共同住宅本体の木造化にも範囲を広げ、細田工務店の設計施工による取り組みを基本として積極的に推進してまいります。
 
■SDGs達成に向けた取り組み
 長谷工グループは、SDGs(国連の持続可能な開発目標)の17目標のうち、事業と関わりの深い10目標を特定し、事業を通じて課題解決に向け取り組んでおります。多くの人の生活の場であるマンションに由来する環境負荷をできるだけ低減し、都市全体の環境に貢献できる施設・設備の導入を積極的に進めていきます。

 

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