2024年08月22日

 株式会社長谷工コーポレーション(本社:東京都港区、代表取締役社長:池上 一夫、以下「当社」)は、NTT東日本グループ、株式会社ブレインスリープ(本社:東京都千代田区、代表者 代表取締役:廣田 敦、以下「ブレインスリープ」)と共同で行っている「快眠のための家※1」での睡眠の質向上にむけた取り組みについて、今般、当社グループ社員など8名が参加した「睡眠環境の違いが睡眠に与える影響の検証」(以下、「本検証」)が終了し、「快眠のための家」において、睡眠の質向上が確認できたことをお知らせいたします。

 「快眠のための家」の居住型実験住戸は、当社が保有・運営する賃貸マンション「サステナブランシェ本行徳」に設置されています。この居住型実験住戸は、ブレインスリープ監修のもと、睡眠に最適な温湿度の設定や内装壁面の木質化など、睡眠に良いとされる要素を取り入れたほか、NTT東日本グループが提供する睡眠計測APIを活用したアプリケーションの利用により、睡眠時の生体データと連携した、ハードとソフトの融合された睡眠環境が構築されています。

 本検証では、20代から40代の当社グループ社員など8名が、「快眠のための家」と、同マンションの一般住戸にそれぞれ1週間ずつ生活し、睡眠の質にどのような違いが出るかを比較しました。その結果、「快眠のための家」が一般住戸と比較して、黄金の90分と呼ばれる睡眠の第一周期※2において、最も深い睡眠のステージ(S3)の割合が高いことや熟睡度を表すデルタ波の量が多いことから、睡眠の質が向上したとの結論に至りました。

 既に、サステナブランシェ本行徳のいくつかの一般向け賃貸住戸には「快眠のための家」の一部要素を取り入れており、他プロジェクトへの導入に向けた検討も進んでおります。当社は今後も、「LIM(Living Information Modeling)」の概念に基づく暮らしの最適化に向けた各種検証を行い、新たな住まい価値の創造を目指してまいります。

※1 木質化やサーカディアンリズム照明など、睡眠の質を向上させる環境を整えた部屋。
※2 約90分周期で変動するノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルで、一晩の中で最も深く眠っている周期。

【本検証の内容】
検証期間:2024年1~3月
被験者 :8名(うち、普段の睡眠に課題を感じている被験者6名)
測定方法:睡眠中に頭部に脳波計および胸部に心電計、ズボンにアクチグラフ※3を装着
検証手順:検証参加者は、検証前の説明会にて、睡眠に対する課題感、寝つき・寝覚めの良さ、目覚めの疲労感などに関する事前アンケートを実施。就寝中と起床時にVAS評価※4を実施。
検証ポイント:①睡眠の第一周期における深い睡眠
       ②就寝時の寝つきの良さ、また、起床時の目覚めの良さ
       ③就寝時から起床時までの間に途中で目覚めた回数や時間
判断基準:普段の睡眠に課題を感じている被験者6名※5を対象に、睡眠の第一周期における深い睡眠であるノンレム睡眠ステージ(S3)の時間がどれくらい長かったか、また、深い睡眠時に出現する特徴を持つ脳波(デルタ波)の出現量による「熟睡度」がどれくらい高かったか。
※3 センサーを用いて活動量を測定し、睡眠を自動記録する研究用機器
※4 被験者の主観的な評価を数値化する方法
※5 事前に実施したアンケートにおいて、普段の睡眠への課題感を10点満点中8点未満と回答した者


検証結果:最高の睡眠環境を構築した「快眠のための家」の方が、睡眠の第一周期(黄金の90分)において、最も深いノンレム睡眠ステージ(S3)の割合が高く、また、熟睡度を表すデルタ波が多い。この検証結果から、睡眠の質が向上していると考えられる。

【ブレインスリープ最高研究顧問 西野精治コメント】
快眠は、健康増進、生産性向上等において欠かすことのできない最も重要な生理現象です。睡眠は室温、照明、騒音などの外部の環境要因、不安や緊張など個人の内面的な要因や、痛みなど身体的な要因が影響を与えることが知られています。換言すれば、ほとんどすべての要因が睡眠に影響を与えるので、多くの人が睡眠に悩みかかえ、その症状も千差万別です。快眠の為に最適な住宅を提供することは、建設に携わる事業者の重要な使命ですが、そのアプローチに関しては暗中模索の状態でした。今回、睡眠の専門的な知見と建設事業者が、コラボを行い、快眠の為に最適な住居環境に関して、それぞれの立場から意見を出し合い、居住型実験住戸で客観的な実験検証を行い、睡眠の中でも、最も重要な変数に好影響を与えたことを確認できたことは画期的なことだと思われます。今後、さらに詳細な解析により、住居環境のどのような要素がどういった機序で睡眠に好影響を与えたかを調べることにより、広く一般居住者が「最高の睡眠」をもたらす住居を享受できるのではと期待します。

【「LIM(Living Information Modeling)」について】
当社グループでは、「LIM」を通じてマンションの設計・施工における生産性向上や入居者の生活の質向上を目指して取り組みを進めています。

【サステナブランシェ本行徳】
既存マンションの価値向上と、新たな住まい価値創造に向けた研究・技術開発の更なる推進を目的として、国内初※6の既存企業社宅を全面改修し建物運用時のCO2排出量実質ゼロを実現する賃貸マンションプロジェクトです。
HP:https://www.haseko.co.jp/sustainabranche/
※6 2022年6月13日時点 ㈱ESP総研調べ(調査期間:2022年5月23日~6月6日、調査方法:「集合住宅またはマンション」「再生可能エネルギー」「リノベーションまたは改修」のキーワードによる公開情報検索および多面的な市場調査による)

【各社概要】
東日本電信電話株式会社
株式会社NTT DXパートナー
(スリープテック事業概要)
企業活動や人々の健康増進に対して睡眠データの収集・検証、プロダクト開発における利活用、
さらには睡眠の質診断・改善などを提供する「睡眠」を切り口としたビジネス支援事業を企業・自治体向けに展開しています。
スリープテック事業:https://business.ntt-east.co.jp/content/sleeptech/
概要動画:https://www.youtube.com/watch?v=GXmerheNP98

株式会社ブレインスリープ
東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー26F
(事業内容)
西野精治が最高研究顧問を務める睡眠医学に基づいた確かな知見と
先進のテクノロジーを掛け合わせ、脳と睡眠を科学するソリューションカンパニー。
サイトURL:https://brain-sleep.com/
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