2023年08月29日
長谷工グループ(代表企業:㈱長谷工コーポレーション(本社:東京都港区、社長:池上 一夫))は、建物に設置されたセンサーなどから収集される"暮らし情報"を活用する概念に、「LIM(Living Information Modeling)」という当社独自の名称を付け、"暮らしの最適化"に向けた取り組みを進めております。今般、本年9月末に完成予定の自社賃貸マンション・プロジェクト「サステナブランシェ本行徳」に13戸の実験住戸を設置し、それぞれの検証内容に沿った"暮らし情報"の収集と、活用に向けた分析を本格化いたします。
当社グループでは、設計情報や施工情報など建物に関する"住まい情報"と、建物に設置したセンサーなどから収集される"暮らし情報"を相互に利活用する「住まい情報と暮らし情報のプラットフォーム(HASEKO BIM&LIM Cloud)」を構築し、マンションの設計・施工における生産性向上や入居者の生活の質向上を目指して取り組みを進めております。これまでも、賃貸マンション・プロジェクトの共用部を中心に、環境データを取得するセンサーや気象センサーなどから取得したデータを分析・加工し、アプリなどを通じお住まいの方への暮らし情報の提供を行ってまいりました。
当社グループは、マンションから取得できるデータを活用した既存ビジネスの高度化ならびに新たな価値の創造に向けた検討により、「LIM」を通じた"暮らしの最適化"の実現に向け、取り組みを加速してまいります。
(サステナブランシェ本行徳の主な検証)
・住宅の照明・温湿度・内装による睡眠の質向上の検証
・森林によるリラックス効果、疲労回復効果の検証
・変化に対応するIoT住宅の検証
・地震観測による建物健全性判定の検証
・顔認証システム×AIによる防犯システムの検証
・ゲリラ豪雨対策を組み込んだ排水システムの検証
【LIMとは】
定常的に行われる建物や設備の点検や資産価値を維持向上させるために行う修繕、更には自動ドアやエレベータなどマンション内の設備の稼働状況まで、マンションはさまざまなデータを持っています。当社では、マンションに人々が住み始めてからの建物の状態や設備の利用状況、更には人の動きなど、マンションが持っている暮らしに関する情報を活用する概念を、LIM(Living Information Modeling)と呼んでいます。
【LIMを活用した取り組み】
自社保有の新築賃貸マンション・プロジェクトを中心に、マンションの設備やセンサーから取得できるデータを活用することで「長谷工ならでは」「マンションならでは」な暮らしのご提案を目指しています。なお、取得したデータはサービス価値の向上が図れるように変換し、お住まいの方や管理会社に情報を共有しております。
(主な取り組み効果)
・顔認証システムと各種機能(宅配ボックス、EV呼び出し、喫食管理、施設来館者記録など)の連携
→鍵がなくても、マンション内の設備・機能が利用可能
・専有部HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)導入、家電連携
→専有部内に設置されている家電が遠隔で制御可能
・地震センサーの設置
→ピンポイント震度通知、防災倉庫連携、アプリ安否確認通知
・温湿度センサー、CO2センサー
→主に共用部分における快適な空間づくり、共用施設の混雑状況を把握可能
サステナブランシェ本行徳は、国内で初めて、既存の企業社宅を全面改修し建物運用時のCO2排出量実質ゼロを目指す賃貸マンション・プロジェクトです。このプロジェクトは、居住型実験住宅13戸と一般賃貸住戸23戸で構成する全36戸のマンションとなっており、実験住戸では、IoT機器やAI技術を最大限生かし、各種センサーから取得する住まいながらデータを研究・技術開発に活かすことで未来住宅の創造を進めていきます。
なお、サステナブランシェ本行徳は、国土交通省が実施する「令和4年度第2回サステナブル建築物等先導事業(次世代住宅型)」における、「次世代住宅プロジェクト2022」に採択されております。
所 在 地 : 千葉県市川市本行徳5-16
交 通 : 東京メトロ東西線 妙典駅 徒歩6分
敷地面積 : 1,651.83㎡(499.68坪)
延床面積 : 3,071.06㎡(928.99坪)
構造・戸数: 鉄筋コンクリート造 地上5階建36戸
既存建物 : 1990年2月
竣工時期 : 2023年9月末(予定)
事 業 主 : 株式会社長谷工コーポレーション
設計・施工: 株式会社長谷工リフォーム
ホームページURL:https://www.haseko.co.jp/sustainabranche/
(参考)国土交通省「令和4年度第2回サステナブル建築物等先導事業(次世代住宅型)」
https://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_001122.html
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