2017年08月04日

 長谷工コーポレーションは、デザイン性・施工性に優れ、マンションのルーフバルコニーの防雨性を確保するアルミ製水切(商品名:「セーフティ水切」)を白水興産株式会社と共同開発、商品化しました(特許申請中)。
 「セーフティ水切」は、マンションのルーフバルコニーの防水層端部に設置する庇形状のアルミ製金具です。従来は、現場コンクリート打設で庇を成形していましたが、形状が複雑なため型枠・鉄筋工事に手間がかかっていました。また、コンクリートで成形する際は、厚さ150mm以上、幅100mm程度の寸法が必要でした。「セーフティ水切」を採用することで、型枠形状がシンプルになり、パラペット(※1)の高さも低く抑えることができるため、防雨性を確保しながら、躯体工事の労務を省力化し、部材や廃材を削減することができます。
 採用第一号の物件「ブランシエスタ王子」(東京都北区、RC造 地上10階建)をはじめ、今後、当社が設計施工するマンションの事業主へ積極的に採用提案してまいります。
(※1)建物の屋上やバルコニーなどの周囲に設けられた、防水層の立ち上がり端部を合理的に納めるための低い立ち上がり壁

【「セーフティ水切」の特徴】
■防雨性を確保

水切が防水層の端部を覆うことで、直接の雨や跳ね返った雨が防水層の端部から水の浸入を防ぎます。
■デザイン性の向上
防水層端部を覆う庇がコンクリート製からアルミ製になることで庇の寸法が小さくなり、すっきりとしたデザインになります。
■施工性が向上・躯体工事の労務省力化
部材数量が減り、型枠や鉄筋の労務を省力化できます。(コスト(材工)は従来と同等以下)
■環境に配慮
パラペットの高さを低く抑えられるため、コンクリート型枠の形状がシンプルになりパネル廃材が削減されます。
■安全に配慮
入居者の方が水切の切り口に触れないよう接合部に樹脂製カバーを用いています。

[ルーフバルコニーの防雨性を確保する「セーフティ水切」]

【背景】
 マンション屋上等のパラペットや基礎などコンクリートの立ち上がり部位は、複雑な形状となり、型枠工事や鉄筋工事の手間がかかることから、施工性の向上・省力化が求められてきました。
そこで当社は、これまで「Rハット」、「F笠木」、「S型枠」、「Pボックス」など工業化した商品を開発してきました。「セーフティ水切」は、それらに続く商品で、ルーフバルコニーのパラペットの防水端部から水が浸入しないように設置する雨仕舞い用の金物です。

【従来のパラペットと「セーフティ水切」を採用したパラペットとの比較】
 今回開発した「セーフティ水切」を採用したパラペットは、FLからの高さ約600mmで、従来のパラペットより約150mm低く抑えることができます。

 

[パラペットの断面図例(左:従来、右;「セーフティ水切」を採用)]

【一般販売】
「セーフティ水切」の施工について、作業所および専門工事業者から「型枠パネルの枚数が減るから、手間が減る。」「型枠工事の時間が間違いなく短縮される」といった評価を得ています。白水興産株式会社(TEL:03-3431-9713)が、一般にも販売(オープン価格)を行う予定です。

【採用第一号物件「ブランシエスタ王子」の概要】
所在地:東京都北区王子五丁目112、113(地番)
交通:JR京浜東北線「東十条」駅徒歩6分・東京メトロ南北線「王子神谷」駅徒歩6分
JR埼京線「十条」駅徒歩14分
総戸数:211戸(賃貸住宅:120戸)
構造・規模:RC造 地上10階建
間取り:1K(26.29㎡)~2LDK(66.64㎡)
事業主・設計:株式会社長谷工コーポレーション
貸主:株式会社長谷工ライブネット
施工:長谷工・馬淵建設共同企業体
媒介:株式会社長谷工アイネット
建物竣工予定:2018年2月28日(予定)
入居予定:2018年3月01日(予定) 


【これまでに開発してきたマンション屋上等の工業化シリーズ】
・マンションの住戸から屋上に突出する通気管の屋上端部の防水を保護する新型乾式通気管キャップ(商品名:「Rハット」、2006年8月発表)

 

・マンションの屋上に設置する避雷針やテレビ受信用アンテナ、消防用水槽などの基礎を施工するための打込み型枠(商品名:「S型枠」、2009年11月発表)

・屋上防水層への雨水浸入を防ぐアルミ製笠木(商品名:「F笠木」、2010年2月発表)

・マンションの屋上の設備配管等の防水カバー(商品名:「Pボックス」、2015年10月発表)

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