2016年09月29日

 長谷工コーポレーションは、このたび公益財団法人日本デザイン振興会が主催する 「2016年度グッドデザイン賞」 (※)を 「サイホン排水システム」で受賞しました。

■「サイホン排水システム」  野村不動産・ブリヂストンとの共同事業  (住宅設備) 

【概要】 
 従来、マンションの排水は勾配を設けた排水管を床下に配管して排水を重力で流す方式でしたが、「サイホン排水システム」は、小口径の管でサイホンカ(水が落ちることで発生する引く力)を利用して排水する、新しい排水システムとなります。
 排水管に勾配の必要がなく、管も小口径となることで、床下空間をこれまでより低く設計できることに加え、サイホンカにより排水立て管からの距離の制約が減ります。この技術をキッチン系統等の排水に採用することでキッチンの配置の自由度が大幅に向上するため、入居後の間取り変更の自由度も向上し、より入居者のライフスタイルの変化に合わせたリニューアルが実現できます。

※イラストは構造をかなり簡易表示しています

 【審査員コメント】
 排水にサイホン力を利用することで、水勾配の取りにくい集合住宅においても排水立て管からの距離の制約がなくなり、プランの自由度を増大させる優れた提案である。封水用の水を残したり、排水による音の発生を抑えるなど、実用化にあたっての様々な課題を各部の部品開発によって達成した。これからのストック社会において、既存の建築構造を生かしながら内装の自由なプランニングを約束してくれるこの排水システムは、社会的な貢献度の高い優れた提案であると考える。

■「サイホン排水システム」の特長(今後の開発含む)

 [魅力ある商品づくり]
 ・キッチンやユニットバスなどの水廻り設備を自由に配置することができ、プランバリエーションの拡充
 ・室内空間の拡大(床下空間を省スペース化)

 [居住者のメリット・負担の軽減]
 ・室内リフォーム時にキッチンやユニットバスなどの水廻り設備のレイアウトの自由度が向上
 ・排水立て管のメンテナンス・更新性の向上(専有部でのメンテナンス・更新作業が不要)
 ・自掃能力により排水管の詰まりが軽減

(※)「グッドデザイン賞」は、1957年に通商産業省によって設立された(「グッドデザイン選定制度」を継承して、1998年より財団法人日本産業デザイン振興会の主催事業として運営される)日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨制度で、約60年を経た現在では商品や広告の分野だけでなく、産業の発展や暮らしの質を高めるデザインについて総合的に評価する制度となっています。

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