2016年09月02日

 長谷工コーポレーションとロンビックジャパンは、完全スリットと同等の耐震補強効果が得られる「後施工部分スリットによる柱の耐震補強工法」(※) の適用範囲をそで壁付き柱などにも拡大し、一般財団法人日本建築防災協会の技術評価を更新しました。
  「後施工部分スリットによる柱の耐震補強工法」は、これまで集合住宅や学校など36件の採用実績があります。今回の技術評価更新により、適用範囲が拡大することで、さまざまな形状の建物に対応できることから、本工法の特長である居住しながら耐震補強が可能な点をアピールしながら、長谷工リフォームを通じて、新耐震基準(1981年)以前に施工されたマンションの管理組合に、積極的に提案してまいります。
 (※)2011年に一般財団法人日本建築防災協会の技術評価を取得しております。(有効期間5年)

 【適用範囲の拡大】 
  前回評価を取得した①腰壁及びたれ壁付き柱の垂直スリットに加えて、②~⑤に適用範囲が拡大しました。
(対象は既存RC造と既存SRC造)
  ①腰壁及びたれ壁付き柱の垂直スリット(評価取得済)
  ②腰壁及びたれ壁が付いたそで壁付き柱の垂直スリット
  ③そで壁付き柱の垂直スリット(柱際、中間)
  ④そで壁付き柱の水平スリット
  ⑤既存耐震スリットの改修

 【採用実績】 
  期  間:2011年3月~2015年9月
  合  計:36件
  建物用途:集合住宅、学校、病院、事務所

 【経緯】  
  柱の耐震性能を向上させるには、地震時の柱の変形性能を高めるのが効果的です。そこで、当社がこれまで培ってきたマンションの設計・施工技術に、ロンビックジャパンが保有する耐震スリット施工の技術を融合し、開放廊下側から腰壁及びたれ壁付きの柱に高精度の部分スリットを設置することで、居住しながら柱の変形性能を高める耐震補強工法を2011年に開発しました。 従来は、腰壁及びたれ壁付き柱にのみ適用が可能でしたが、そで壁付き柱も多いため、適用範囲を拡大しました。

 【「後施工部分スリットによる柱の耐震補強工法」の特長】 
   1.完全スリットと同等の耐震補強効果
    部分スリットでも、完全スリットと同等の耐震補強効果が得られます。

   2.居住しながら耐震補強工事
    部分スリットを開放廊下側から施工するので住戸内の工事は不要です。居住者の負担を軽減し、 居住しながら耐震補強工事が
       できます。

   3.低振動・低騒音・低粉塵
    専用の機械を使用して部分スリットを施工し、高精度に仕上げます。コンクリートを切ったり削る工事より低振動・低騒音に抑え、
       湿式工法により低粉塵での施工を可能にしました。
   4.高い施工性
    スリットの長さや条件によって変わりますが、機械1台で1日当たり4~5か所の施工が可能です。

[後施工部分スリットの施工風景]
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