2010年02月26日
長谷工コーポレーションは、エービーシー商会と共同で、屋上防水層への雨水浸入を防ぐ屋上用アルミ製笠木(商品名:『F笠木』)を開発・商品化しました。(特許出願中)
従来のパラペット(※1)は鉄筋コンクリートでつくられており、形状も雨仕舞い(※2)部分は複雑な庇形状をしていました。そのため、施工する際に多くの型枠材を組立てる手間に加え、型枠材を解体する際もコンクリートにクラックや欠けを発生させないよう慎重に解体する必要がありました。
パラペットの雨仕舞い部分に『F笠木』を使用することにより、品質の均一化を図れるとともに施工性も大きく向上します。また、パラペットの上部は従来のウレタン塗膜防水からアスファルト防水に変わり、防水の信頼性も向上します。さらに避雷導体(※3)としての機能を付加しているうえ、コストはこれまでと同程度に抑えています。
今後は、当社が設計・施工する分譲マンションに採用を推進してまいります。また、エービーシー商会が販売する予定です。
(※1)建物の屋上の外周部に低く立ち上がった壁形状のコンクリート。
屋上の防水層をこの壁に沿って立ち上げて雨水浸入を防止する。
(※2)雨水が建物の内部へ浸入するのを防ぐこと、あるいはその工法。
(※3)避雷針から地面に電気を流すための導線の役割をするもの。
【特徴と効果】
○施工性の向上、施工品質の均一化
パラペットの形状がシンプルな形状になるため、型枠の組み立て・解体作業が容易になります。また、雨仕舞い部分が作業所施工の鉄筋コンクリート造から工場アルミ製品になるため、施工品質の均一化が図れます。
○機能付加
避雷導体としての機能も有しています。
○防水の信頼性向上
パラペット天端が、従来のウレタン塗膜防水からアスファルト防水に変わるため、防水の信頼性があがります。
○環境負荷の低減
複雑な庇形状をつくるためには多くの型枠材が必要でしたが、シンプルな形状になり使用する型枠も削減できます。
○法的制限への対応
パラペットの高さを従来より150mm程度低く抑えることができ、日影や斜線制限に対して有利となるためプランニングがしやすくなります。
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マンションの屋上工事は、躯体工事の遅れなどによる影響を受けやすい上、次の工事に進むために可能な限りの時間短縮を求められる工事です。そのため、複雑な形状をした型枠の組立・解体やコンクリート打設について施工性の向上・省力化が求められてきました。
そこで当社は、これまで乾式素材を使った工業化工法を開発してきました。『F笠木』は、通気管キャップ「Rハット」(2009年7月までに352物件・約11,500個を導入)に続く商品で、屋上パラペットの防水端部から水が浸入しないように設置する雨仕舞い用の金物です。
【 概 要 】
『F笠木』は、防水端部をカバーして水の浸入を防ぐ「キャップ」(F笠木拡大図:赤色)、キャップを固定する「ホルダー」(同黄緑色)、防水シールを充填させるための「ベース」(同オレンジ色)の3つの基本部材で構成されています。これらを防水層の端部を覆うように設置して水の浸入を防止します。
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『F笠木』の施工に対しては、作業所および専門工事業者から「工程に余裕ができる」「省力化されるので労務の負担が減る」「防水の信頼性が増す」といった高い評価を受けております。こうした声を受けて、今後は首都圏で設計・施工する物件に標準採用していくことを決定しました。また、エービーシー商会(TEL:03-3507-7194)が「F笠木」の販売(オープン価格)を行う予定です
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