2009年11月19日

    長谷工コーポレーションは、ニチアスセムクリートと共同で、マンションの屋上に設置する避雷針やテレビ受信用アンテナ、消防用水槽などの基礎(以下、屋上基礎)を施工するための打込み型枠(商品名:『S型枠』)を開発・商品化しました(特許出願中)。
    屋上基礎は鉄筋コンクリートで施工していますが、雨仕舞い(※1)を庇形状にしているため、施工には数多くの型枠材を組立てる手間に加え、型枠材を解体する際もコンクリートにクラックや欠けといった破損を発生させないよう慎重な作業が必要でした。
   『S型枠』は、屋上基礎の雨仕舞い部分の型枠を、強度や耐久性に優れたGRC(ガラス繊維補強セメント)製の打込み型枠としたことで、施工性を向上させるとともに品質の均一化も実現しています。
   今後、当社が設計・施工する分譲マンションに採用を推進してまいります。また、ニチアスセムクリートが一般にも販売する予定です。
(※1)雨水が建物の内部へ浸入するのを防ぐこと、あるいはその工法。防水層をこの屋上基礎に沿って立ち上げて雨水浸入を防止する。


【 特徴 】
○施工性の向上
    ・屋上基礎の雨仕舞い部分を庇形状にする必要がなくなり、型枠の組み立て・解体作業が容易になり
     ます。寸法も2パターン(790mm角、390mm角)に規格化することで型枠組み立ての施工性が
     向上します。
○品質の均一化
    ・複雑な形状の雨仕舞い部分を、強度や耐久性に優れたGRC製の打ち込み型枠にすることで、
     型枠材を解体する際にコンクリートの角が欠けたりする心配がありません。雨仕舞い部分が
     工場製品のため品質も均一化が図れます。
○型枠廃材の削減
    ・雨仕舞い部分の型枠材を少なくすることが可能です。
[開発した『S型枠』]
[『S型枠』を用いた施工例]

【 概要 】
    『S型枠』は、雨仕舞い部分をGRC製にした打込み型枠です。避雷針基礎用などの790タイプ(790mm×790mm)と設備基礎用などの390タイプ(390mm×390mm)の2種類に規格化しました。重量は790タイプで約13kg、390タイプで約7kgと軽く、作業員1人で取り扱いができる重さに抑えています。
    開発にあたっては、温冷繰り返し試験を実施し、コンクリートとS型枠の一体性を確認しました。

【屋上基礎の従来工法と『S型枠』を用いた工法との違い】

【採用・普及促進】
    『S型枠』の施工に対しては、作業所および専門工事業者から「工程に余裕ができる」「省力化されるので労務の負担が減る」といった高い評価を受けております。こうした声を受けて、今後は首都圏で設計・施工する物件に標準採用していくことを決定しました。
    また、ニチアスセムクリート(TEL03-3438-9705 担当:大宮)が、一般にも販売(オープン価格)を行う予定です。
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