よりよい将来のために。
今から考えたい「親の老後や介護」
⼈⽣100年時代。親はいつまでも元気でいてほしい存在だけれど、現実には確実に年齢を重ねていきます。そして高齢になると、いつ介護が必要な状況に直面することになっても不思議ではありません。決して他⼈ごとではない「親の⽼後」について、経験者の声を参考に今からできることを考えてみませんか?
年齢を重ねると、体調を崩したり、日常生活に不便が生じたりすることが多くなるもの。特に離れて暮らしていると親の健康状態が気になりますよね。「体調を崩していないか心配」、「一人暮らしの親が認知症になったら遠くからサポートできるのか」といった不安の声が目立ちました。また、「兄弟姉妹と役割分担を決めていない」「実家のバリアフリー対応ができていない」という人も……。「親が要介護になったら仕事を続けられなくなる」「介護や施設入所の費用が気になる」といった社会的、経済的な不安も聞かれました。家族との話し合いや、つい先延ばしにしがちな家のリフォームについても考えておくことが必要そうです。
親の老後に不安を感じ始めたきっかけは、どんな出来事だったのでしょうか?最も多かったのは「物忘れが増えた」(32%)。次いで「自宅で転倒するなどの事故」(22%)、「洗濯や買い物など日常生活が難しくなった」(15%)と続きます。外出頻度が減少したり、趣味への興味が薄れたり、感情の起伏が激しくなった親の状態に気付いて、心配になった人も少なくありません。
実際に介護に直面している人の困りごとで多かったのは、時間の確保や介護疲れに関するものでした。介護にかかる費用の負担は切実な悩み。介護サービスを利用するにも、介護施設に入居するにもお金がかかります。5人に1人が「経済的負担が大きい」と答えています。さらに、要介護度が高くなるにつれ、介護にかかる時間も増え、終わりが見えないだけにストレスもたまりがち。一人で介護の苦労を背負わず、相談できる環境を早めにつくることが大切です。仕事と介護の両立に頭を抱える人も多数いました。
親の老後や介護について不安になったときの相談先は、圧倒的に身内が多数。「兄弟姉妹や知人、親戚」と答えた人が55%と過半数に上りました。「ケアマネージャー」(24%)、「市区町村の福祉課」(19%)、「かかりつけ医や専門医」(15%)など、自治体や専門家に相談している⼈も多く⾒受けられます。一方で、「相談先が見つけられていない」人も10%に上ります。つい⾃分や家族だけで何とかしようとして深い⽳にはまりがちです。そうなる前に、地域包括支援センターなど専門機関に気軽に相談してみては?悩みの解決につながる具体的なアドバイスをしてもらえますし、すぐに解決できなくても、話を聞き、寄り添ってもらえることで気持ちが晴れることが多いものです。
現在は、親が元気で介護の必要がないケースでの「親の住まい」は、親だけで住んでいる人が6割を超え、自身と同居していると答えた人は1割未満でした。また、親の介護が必要になったときの住まいについて、「話し合ったことがある人」は3割と少数。「親の友人が病気になったのを機に話し合いをした」、「誕生日や年末年始など定期的に毎年聞いている」、「転倒による骨折を経験して、ようやく希望を聞けた」、「エンディングノートを書いてもらった」などのコメントが寄せられました。一方、多くの人がまだ話し合いをしていない様子。「親が耳を貸さない」、「親が元気なうちは言い出しにくい」、「まだ自分ごととしてとらえられていない」などの理由が寄せられました。
親の老後や介護についての不安や悩みは尽きなくても、できるだけため込まないようにしたいもの。経験者のみなさんも、家族との話し合いや役割分担、あるいは気分転換など、一人で悩みを抱え込まないことを心がけているようです。「頼れるものはどんどん利用するし、情報を集めておくのも大切」、「両親の介護で自身のケアが追いつかず、病気になってしまいました。今は自分の人生を充実させることも心がけています」という声も。介護には休日がないからこそ、上⼿に息抜きすることが必要です。子どもの幸せが介護される親の幸せであることを心にとどめて、がんばり過ぎない介護ができる環境を目指しましょう。
アンケート概要
- 回答期間:
- 2024年7月31日(水)~ 8月7日(水)
- 回答者数:
- 計3,338名
- 対象者 :
- 長谷工IDをお持ちで、親御さんの老後や介護について不安を抱えている方や、現在、親御さんを介護中の方