初恋マンションがあるほどマンション好きな「ちゃんぼー」の自宅購入記1回目。初回はちゃんぼーこと私のマンション選びの基準と、住戸に求める設備や機能、リノベーションについて熱く綴ります。
「港区かつ最上階」という条件で予算内の築古を購入
購入したマンションは東京都港区の築古最上階住戸。なぜ私が最上階にこだわるかというと、過去、中間階(非最上階)の住戸に住んでいた時に上階からの音に悩まされた経験があるからだ。その結果、自分より上に他人が住んでいることに耐え難い苦痛を感じるようになり、以降は最上階にこだわって住まい選びをしてきた。
エリアは港区。こちらは勤務地との近さ(朝に滅法弱いため通勤時間を極力短くする必要がある)、長年港区に住んでいることなどから、港区以外のエリアは特に見ることなく探した。仮に港区以外のエリアへ探索範囲を広げると、とてつもない売却情報量に触れることとなり、本当に欲しい物件を見過ごす可能性が高くなる。これは避けなければならない。広域で物件探索しているマンションクラスタさんもいらっしゃるが、本当に尊敬する。加えて、エリアごと・マンションごとに相場感覚を持っていないと、それが買いか否かが判断できない。よって私は港区限定で最上階住戸を探索した。
築古というのはマストではなく、「港区かつ最上階」という条件で相応の広さ(目安50㎡以上)を予算内(一般的な30代前半の会社員が限界まで住宅ローンを借りられる額)で探すと築古しかないのであり、消極的な選択である。新築だと3倍、築浅でも2倍の価格はするであろう。築年が古くても、専有部がきれいであれば私は問題ないと考えている。なお広さであるが、私は物持ちであり、相応の収納スペースがないと困るため、おおよその広さとして50㎡以上を掲げている。
そして出会ったのがこの物件。気に入ったポイントは2つ。1つは抜け感のある眺望、もう1つは住んでいて楽しそうなエリアという点だ。前者について、港区内では同じような高さの建物が立ちがちで、最上階でも眺望の抜けがないケースもあるが、今回購入した住戸の主開口部の先は低層の建物で構成されており、十分に抜け感があったのはポイントが高かった。
後者について、私は前居がオフィスワーカー中心の街にあったのだが、土日祝日は大変寂しいもので飲食店も休業していることが多く、休日の昼食や夕食を外で食べるのに苦労した経験がある。今回のマンションは住宅エリアに位置しつつも、歩いてすぐのところから商業エリアが広がっており、飲食に加えて買い物に困らない立地である点が大変気に入ったのだった。
▲ちゃんぼー購入のリノベーション前の住戸内。これをどう変えていくのかが腕の見せ所
ちゃんぼー 平日は会社員、休日はマン活(マンション活動)にいそしむマンションクラスタ。今回、住んでいた赤坂が楽しくなさすぎてどこかに引っ越したいなぁ、と思っていた時に売りに出ていた港区の低層マンションの最上階を購入。購入からフルリノベーションの流れをマンションプラスが密着。
X:@Ryo_ChanBoo
※マンクラ、マンションクラスタとはマンション好きな集団という意味で主にXで情報発信をしている人のこと
リノベの一番の悩みどころは必須条件と予算との折り合い
購入したマンションは専有部が使い古されており変わった間取りだったので、全面リフォーム(フルリノベーション)をする必要があった。床や天井、壁をすべて作り替え、建具や設備も総入れ替えをしなければならない。すべてを最上級のもので揃えられるのであればそれに越したことはないが、予算とのせめぎあいで取捨選択する必要があった。詳しくは後述する。リフォーム・リノベーション会社は、購入物件の施工主が長谷川工務店(現 長谷工コーポレーション)だったことに縁を感じて長谷工リフォームにお願いすることにした。
まず、間取りの希望について。水廻りを除くと広いLDと寝室、そして物持ちなため収納設備(大きなウォークインクローゼットまたは納戸)が私には必要である。LDや寝室を広くしすぎると収納設備が狭くなってしまい、結局は居室に物が溢れて、広く使えないのは避けたい。
また、大型収納家具(チェスト等)は置きたくないので収納は造り付けである必要がある。要するに、家具の選定センスにマンション選びほどの自信がないのと、欲しいと思う家具は大抵高価であるため少しずつ買い集めようと思っており、最初からあまり家具を買いたくないがゆえの希望である。
LDの広さについて、私はよくホームパーティーを開くので、ゲストが複数名来訪しても受け入れられるような広さが必要である。一方で、料理はほとんどしないため、キッチンはミニマムで良いと考えている。そうは言いつつも、ゲストが来ると食器やグラスは大量に使うので食洗機はマスト。ミニマムなキッチンでありながら、食洗機だけは海外製のフロントオープンのものを入れたいという希望もあり、キッチンにはちょっとした矛盾を孕んでいた。
寝室について、これまでは「睡眠だけの部屋」として使っていたが、図らずも10畳ほどの広さを確保できそうなので、「睡眠」以外の機能も持った部屋として使えるように考えていきたい。例えば、リビングとは異なる2つ目のくつろぎの場であるとか、ストレッチスペースであるとか。これは実際にリノベーション工事後に入居してから考えたいと思っている。
▲担当者と。荷物量や家具の大きさ、どう生活したいかまでを話しイメージを膨らませる
展示会で実物を見てマイクロバブルのお風呂にひと目ぼれ
展示会(リフォームフェア)ではさまざまな住宅設備を見ることができた。リフォーム・リノベーション会社がリフォームフェアという相談会を開催していることを初めて知った。主にキッチン・バスルーム・トイレといった水廻りや、フローリングやクロスといった仕上げ材、他に造作収納家具も多数見学した。
特に気になったのは長谷工リフォームオリジナル仕様のHRFプレミアムシステムバスである。ワイドミラーに埋め込まれた間接照明やマイクロバブル浴槽が大変気に入った。手を浸して体験させてもらったのだが驚くほど肌がツルツルになり感激…。私は定期的にスーパー銭湯へアカスリを受けに行っているので、マイクロバブル浴で毛穴の汚れがごっそり取れるのであれば、自宅でもプチアカスリ気分を味わえるのではないかとワクワクが止まらなかった。
次に気になったのが HANSSEMのキッチンである。天板や面材を複数種類から選べ、サイズも自由にオーダーできる。かつ、お値段が高くない!!(←これ重要) 展示会後にHANSSEMのショールームへ行ったが、キッチンの他に洗面台やテレビボードもオーダーできると知り、発注決定。できあがりが非常に楽しみである。
他にも既存のフローリングに上貼りするカーペットやmm単位でオーダー可能な収納家具があったが、好みではなかったことや相応の値段がしたので今回は見送る。トイレも見たが、タンクレスは非常に高価、かつ別途手洗い器を設けなければならずコストが掛かりそうなので、タンク有りトイレを選ぶんだろうなとなんとなく思った。
展示会では「とある家族のリフォーム物語 武田さんは早く落ち着きたい」と題したリフォーム経験者のお父さんと娘の楓ちゃんの実例トークショーも開催。お父さんのこだわった特注クロスや楓ちゃんのこだわりインテリアカラーの話を聞いていると「こだわるところはこだわろう!! 他は最低限で我慢…」という気持ちになった。
▲マイクロバブル浴を手で体験させてもらって虜に!
▲展示会では第3の床材と呼ばれる滑りにくくソフトな踏み心地の床材も
絶対条件は日常のストレスを減らせるかどうか
最終的な取捨選択ポイントとして、絶対に外せなかったのは「全居室床暖房」、「フロントオープン式食洗機」、「HRFプレミアムシステムバス」、「照明(すべてダウンライトか間接照明)」の4点。
まず、「全居室床暖房」。これは私が非常に寒がりであるがゆえにマストである。実家はLDKに床暖房があり、冬が非常に快適。空気も乾燥しないので喉や肌にも優しいのがとてもいいのである。また寝る時も暖かいといいなと思い、今回はLDと寝室のすべてに床暖房を敷設した。
次に「フロントオープン式食洗機」だが、国内だとリンナイ、海外だとMiele、GAGGENAU、BOSCH、AEG、ASKO等が挙げられる。今回私が選んだのはBOSCHである。理由は3つ。まずカトラリートレイがある。次にグラス用の洗浄コースがある。そしてゼオライトを使った先進の乾燥機能がついているという点だ。
カトラリートレイがあると、箸やナイフ・フォーク・スプーンをバスケットに立てるのではなく、横置きで洗浄できる。バスケットタイプだと容量が小さいことが多く、カトラリーが入りきらなかったり、カトラリーの長さが違うとバスケットにきれいに収めるのが難しかったりする。横置きであればすべて解決!! 細かい部分だけどこれだけで日々のストレスが変わってくるので私にとってはとても重要なこと。
そして、グラス用の洗浄コースがあると、ホームパーティーでワイングラスを大量に使っても安心であり、ワインごとに頻繁にグラスを変えることに躊躇がなくなる。特筆すべきはゼオライトを使った乾燥機能。海外製の食洗機はヒーター乾燥(国産は主にこちら)ではなく、余熱乾燥方式であり、洗浄後の庫内の温度を活用した優しい乾燥方式である。しかし、優しい乾燥方式であるが故に、乾ききらないことや水滴が残るリスクがある。それをサポートするのがゼオライトという多孔質鉱物。これは吸い込んだ湿気を乾燥した熱に変換させる物質で、この性質を利用して食器の乾燥を促進させるためにBOSCHが開発した方式を「ゼオライト・ドライ」という。
展示会でひと目ぼれしたHRFプレミアムシステムバスであるが、こちらはマイクロバブル浴がしたかったのと、バスルームの扉をスケスケ透明なものにしたく、最後まで粘って選んだ。特に、バスルームの扉はバスルーム天井高2m確保がマストであり、マンションの構造的にギリギリまで調整が続いたが、無事に採用できた。
照明は、引掛シーリングをなくし、ほぼすべてが間接照明、もしくはダウンライトにした。一部、ライティングレールも設けたが、こちらは知人から私物の古いスポットライトを譲ってもらえたので、ダイニングエリアと寝室の一部に採用した。リビングでは調光に加えて調色可能な照明を、寝室は睡眠時の眩しさを軽減するため、ダウンライトの位置にこだわった。
逆に捨てたポイントは、タンクレストイレと水廻りの床タイル貼り、1000番台クロスである。トイレの滞在時間はそこまで長くないこと、水廻りは高品質な長尺シートで代用できそうなこと、クロスは量産タイプから好みのものを探すことで代替できそうだと思い、こちらへのこだわりは捨てた。将来、またリフォームすることがあると思うので、その時には細部までこだわってみたい。
▲一度、全部の希望を入れた見積もりをもらってそこから引き算していった
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文:ちゃんぼー 撮影:ホリバトシタカ
WRITER
東京都港区出身。2005年からマンション大好き。初恋マンションは、中学生の頃に観たドラマの再放送でロケ地として映っていた代官山アドレス ザ・タワー。平日は会社員、休日はマン活にいそしむ。X:@Ryo_ChanBoo
おまけのQ&A
- Q.1000番台クロスって?
- A.量産品以外のものを指し、別名ハイグレードクロスとも言われます。量産品より色や柄が 豊富で消臭や抗菌、防汚性などの機能性が高いものもある。