港区の築古マンションをフルリノベ! マンクラ「ちゃんぼー」のこだわりビフォーアフター実例公開

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マンションに恋して20年??マンション大好きな「ちゃんぼー」の自宅購入記3回目。今回は限られた予算の中で、どのようにして自分らしい空間へとフルリノベーションしたかをお伝えいたします。

第1回で書いた通り、私が部屋に求める絶対条件は「日常のストレスを減らせるかどうか」であった。一方で、全体の雰囲気や収納といった点も見逃せない。部屋の雰囲気は日常のテンションにかかわるし、モノ持ちの私として快適な生活を送る上で収納は非常に重要な要素である。ではまず、雰囲気を演出するためにこだわったポイントを紹介する。

 

バルコニー側から室内を見たところ。BEFORE

▲バルコニー側から室内を見たところ。BEFORE

バルコニーから室内を見たところ。AFTER

▲バルコニーから室内を見たところ。AFTER。コーブ照明や床から浮かせたテレビボード下の照明など、空間を大きく照らす間接照明により居室全体の明るさを確保した。眩しさを感じることなく快適である

前回の工事着工前内覧にて、メインの床材はウォールナットの突板にすることとした。昨今はチークなどの明るい床材で居室を広く見せるのがトレンドではあるが、ウォールナットを選んだ理由は2つある。1つ目は私が持っている家具のほとんどがダークカラーであったこと。2つ目は個人的にウォールナットの比較的真っ直ぐな木目の中に、部分的な斑模様や波模様があるのが好みであること。最近の新築マンションでは、ウォールナット系のインテリアカラーは専有面積の大きな住戸に設定される傾向にある。しかし、この部屋は約20坪とひとり暮らしであれば十分な広さなので、重厚感のあるウォールナットの床材も違和感はないと判断した。加えて、リビングドアやバスルーム内のアクセントウォールをウォールナット系のダークブラウンカラーでまとめて、住戸のどこにいてもダークブラウンの落ち着いた雰囲気を感じられるようにした。

ウォールナット調のバスルーム壁浴槽

▲バスルームの壁や浴槽もウォールナット調の色味でまとめた。横長ワイドミラーに埋め込まれた間接照明が癒しの空間を演出。 HRF(長谷工リフォーム)プレミアムシステムバスに搭載されているミラバスが堪能できて快適だ (ミラバスは浴槽内のお湯にマイクロバブルを生成し、湯船に浸かるだけで肌の老廃物を取り除く上に、温浴効果も高く感じる)

HRFプレミアムシステムバス付属のシャワーヘッド

▲HRFプレミアムシステムバスに付属のシャワーヘッド。こちらはサイエンスのミラブルゼロであり、ここちよい水圧を感じつつ、ウルトラファインバブルで髪や身体をキレイに洗浄。心なしか肌のトーンが上がったように感じる 

リビングと寝室の間仕切りは可動式とし、タチカワブラインドの「プレイス スウィング」を採用。普段は開放することで、ワンルームのようにワイドスパンな空間として使用。来客がある際には閉じて、雑然としがちな寝室を隠すように運用している。この間仕切りは和紙を半透明の樹脂で挟んだものであり、実際に動かしてみると想像以上に軽く、気軽に開け閉めしやすいのが特徴である。また、ドアのような開き戸になるため、閉じた状態でも居室の往来がしやすいように工夫されている。

 

リビングと寝室。BEFORE

▲リビングと寝室。BEFORE

リビングと寝室。AFTER

▲リビングと寝室。AFTER。寝室のダウンライトが和紙を透過してリビングを柔らかく照らしてくれるのも、非常に気に入っているポイントのひとつである

▲間仕切りを閉じた状態でも居室の往来が楽ちん

床材や間仕切りといった建材に加えて、照明もまた部屋全体の印象を大きく左右する。メインとなるリビングは間接照明で構成されているが、こちらはすべて調光調色が可能なのもポイントである。調光調色が可能なお陰で、朝は明るい昼光色とすることで空間を爽やかに照らし、夜は照度を落とした電球色でくつろぎの時間を演出することができる。また、今回のフルリノベーションでは天井に引っ掛けシーリングを一つも設けなかった。その結果フラットな天井を実現することができ、数値以上に天井を高く感じる効果を実感した。どうしても使いたいシャンデリアやシーリングファン等がない場合は、思い切って引っ掛けシーリングの撤去をするのもひとつの選択肢としてありだと思った。

天井に注目

▲天井に注目

ちゃんぼー 平日は会社員、休日はマン活(マンション活動)にいそしむマンションクラスタ。今回、住んでいた赤坂が楽しくなさすぎてどこかに引っ越したいなぁ、と思っていた時に売りに出ていた港区の低層マンションの最上階を購入。購入からフルリノベーションの流れをマンションプラスが密着。
X:@Ryo_ChanBoo
※マンクラ、マンションクラスタとはマンション好きな集団という意味で主にXで情報発信をしている人のこと

壁面照明

▲調光調色は壁のスイッチパネルでの操作に加えて、スマートフォンのアプリでも調整可能。わざわざスイッチパネルまで移動せず、手元のスマートフォンで操作可能なのは大変、楽である

私にとって快適な住まいの実現に際して、収納は非常に重要であると述べた。そのため、大型収納として5畳ほどの納戸を設け、大量の洋服とカバンを収納。幅3m超のハンガーパイプと枕棚収納を上部まで余すところなく荷物を収められるよう工夫した。また、衣類を部屋干ししてもすぐにしまえるように、ハンガーパイプの隣にホスクリーンを設置。さらに室内干しによる湿気対策として換気扇を設置したが、これにより空気に流れが生まれてリビングや寝室の空気が納戸にも循環するようになった。結果、空調された空気が巡ることで納戸でも快適に過ごせるようになったのは嬉しい誤算であった。

ウォークスルークローゼット

▲写真手前側の寝室と写真右側のリビング側のどちらからも出入りできるウォークスルー式を採用。通路スペース分の収納量は減ってしまうが、荷物の取り出しやすさを優先した

その他、リビングのテレビボード下の造作収納に加え、キッチンのシンク下にゴミ箱、洗面所では洗面ボウル横のトール収納や洗濯機置場上の戸棚を設けることで、使いたいものが使いたい場所のすぐ近くに収納できるよう考えた。

 

キャビネット収納ゴミ箱

▲人の目に触れさせたくないゴミ箱をキャビネット内に収納できるのが嬉しい

洗面ミラーを貼る前の洗面化粧台

▲写真は洗面ミラーを貼る前の状態。一般的な三面鏡ではなく一面鏡とすることで収納量は減ってしまうものの、すっきりとした印象の洗面台

キッチン

▲天板とキッチンパネルを同系色で揃えて、落ち着いた雰囲気にまとめたキッチン。食洗機は念願のフロントオープンを導入。複数名の来客があっても一度の運転で食器洗いができるのが快適である

水栓

▲シンクの水栓は吐水口の近くでレバー操作できるものを探し、水栓の根元やカウンター上に水跡が残らないようにした。

インターフォンや床暖房コントローラー、照明スイッチパネルなどが集中するエリアは、壁に窪みを設け、壁からインターフォンなどが出っ張らないようにした。

 

スイッチパネルエリア正面

▲正面から見ると

スイッチパネルエリア斜横から

▲斜横から見ると。ちょうど、リビングの動線上に位置するため、インターフォンなどが身体とぶつからないよう配慮した

天井高の確保はストレスフリーな生活を送る上で重要な要素である。天井高が低いと、それだけで圧迫感を感じてしまい、快適な生活空間からは程遠くなってしまう。今回購入したマンションは床がスラブから上がっている二重床であったため、リノベーション前の天井高は低く感じた。そこで長谷工リフォームの担当者と二重床にするか直床にするかで議論した。以下の表が二重床と直床のメリット、デメリットである。

  二重床 直床
メリット 居室内の段差を無くすことができる
二重床に対応した床材は豊富にある
歩行感が硬めである
二重床より天井高を確保し易い
二重床と比較してコスト安
デメリット 床を2回つくることとなるので、直床と比較してコスト高
床とスラブの間に10cm程度のスペースを設ける為、その分は天井高が低くなる
直床に対応した床材は種類が少なめ
歩いた際に床が柔らかく感じる
水廻り部分は床を直床から上げる場合があり、居室内に段差が生じる可能性がある

上記メリデメを比較した結果、今回は直床を選択した。理由は天井高確保である。築古マンションは階高が低いが故に天井高を確保しづらいケースが多く、今回のマンションも例に漏れず、二重床の状態では一般的な天井高である2,400mmを大きく下回る状態であった。前居のマンションが折り上げ天井の最も高い部分で天井高2,300mmほどであったが、折り上げていない箇所(つまり大部分の天井高)は更に低く、身長178cmの私にはかなり窮屈な空間であった。そこで今回のリノベーションでは直床のデメリット(特に床材の選択肢が狭まったのは悲しかった)を飲み、天井高確保を優先した。

玄関土間と廊下

▲直床にした為、玄関土間と廊下床はフラットに。異素材が隣り合う箇所にはステンレスの見切りを入れた

水廻りの床

▲水廻りの床は直床から約10cmほど上がることとなった。ちなみに、普段生活している上では特段気にならない段差である

最後に――リフォームプラン検討の際、予算の制約がある中でも絶対に外せなかった「全居室床暖房」、「フロントオープン式食洗機」、「HRFプレミアムシステムバス」、「照明(すべてダウンライトか間接照明)」の4点を実現しつつ、ウォールナットの突板フローリングと調和する部屋のテイストを整えてくださった長谷工リフォームの担当者には本当に感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

 

文:ちゃんぼー 撮影:ホリバトシタカ

 

WRITER

ちゃんぼー
東京都港区出身。2005年からマンション大好き。初恋マンションは、中学生の頃に観たドラマの再放送でロケ地として映っていた代官山アドレス ザ・タワー。平日は会社員、休日はマン活にいそしむ。X:@Ryo_ChanBoo

おまけのQ&A

Q.ちょっとだけ後悔した部分
A.今回は廊下に収納を設けることができなかった。ストック品の収納は納戸で行っているが、パッケージのまま補完すると納戸内がやや雑然とした印象となってしまう。次回のリフォーム・リノベーション時には、扉つきの収納を 複数設けられるよう、もっとプランニングを練りたいと 思っている
Q.突板フローリングとは?
A.フローリングには突板の他に、シート、挽板、無垢などの種類がある。シートは木目がプリントされた化粧シートを貼り合わせたもの。突板は表面に厚さ0.3mm程度の天然木を基材に貼ったもの。挽板は厚さ2mm程度の天然木を基材に貼ったもの。無垢は木を重ねたり継ぎ足したりしていない、そのままの無垢材のこと。一般的にはシート<突板<挽板<無垢の順で高級なものとなる。最近では三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス上野毛テラス」にて全戸無垢フローリングを採用した新築マンションが分譲された
Q.ウォールナットとは?
A.世界三大銘木の一つ。ウォールナットの他にチーク、マホガニーがある。特にマホガニーはワシントン条約で伐採が禁止されており、新築マンションで見ることはまずない。日本ではバブル期に分譲されたスーパー億ション(ドムスシリーズなど)の一部で内装材として使われていた