「DIYとは人にやらせるものである」がモットーのさらば青春の光 森田哲矢さん。ウッドウォールやダイニングテーブル、クローゼットまでDIYで製作。こだわりの部屋の隅々までじっくりと見せていただいてお話を伺いました。
とにかくウッドウォールを作りたかった
――なぜここまで大規模なDIYをしたのでしょうか?
森田:とにかくウッドウォールを作りたかったんですよ。コロナ禍でいろいろなYouTubeを見ていた時に、DIYチャンネルにハマって「賃貸でもこんな壁作れんねや」と思ったんです。ウッドウォールに棚をつければ、小物も置けて便利だなと。
▲森田哲矢さん。お笑いコンビ「さらば青春の光」のツッコミ担当。2013年に松竹芸能を退所し、株式会社ザ・森東を立ち上げる。『キングオブコント』は6回決勝進出、『M-1グランプリ』は1回決勝進出。自身のYouTubeチャンネル『さらば青春の光Official Youtube Channel』は登録者100万人を超える。X:@saraba_morita 森田さんの家選びのポイントについて語った記事前編はこちら
木の家が好きというのもありますね。自宅の前に事務所をDIYしたんですよ。ウッドウォールを作ったり、キャットタワーを作ったり。その時に「木の感じはエエな」と思ったんです。自宅のウッドウォールは、ワトコオイルを二度塗りして木目も際立たせたので、良い感じに仕上がったと思います。たまに「鳥貴族みたい」と言われますけど。まぁ鳥貴族、好きなんでエエけどな(笑)。
――ウッドウォールと小物を置く棚以外は、何をDIYで作ったのでしょうか?
森田:ダイニングテーブル、テレビボード、あとは別の部屋にあるクローゼットですね。木目がウッドウォールと合っているので、気に入っています。
▲ダイニングテーブル(左)、テレビボード(右)
DIYの魅力は自分の好きなサイズで作れること
――DIYの魅力は何でしょうか?
森田:自分のしっくりくるサイズの家具を作れることですね。ちょうど良いサイズって、じつはあんまりないじゃないですか。既製品だと「ソファのサイズを考えたら、もう少し幅が広いテーブルが良いな」みたいなことがしょっちゅうある。でもDIYならミリ単位で調整できるので、ジャストサイズの家具を作れます。
――このトレーナーの収納棚は、まさにサイズを合わせたんですか?
▲洋室にあるウォークインクローゼット内の収納棚
森田:そうですね。パーカーやトレーナーを折りたたんだ時の横幅を計算して作りました。奥の棚は横に3枚、左側の棚は横並びで5枚、収納できるサイズです。これをオーダーメイドで作ったらかなり高くなりますが、DIYなので安く済む点も魅力ですね。
森田流DIYは「人にやらせるもの」である
――DIYは森田さんがやっているのでしょうか?
森田:いえ、やっていません! 僕にとってのDIYは「人にやらせるもの」であり、さも自分がやったかのように振舞えば良いんです(笑)。
僕のYouTubeチャンネルのスタッフに、廣川(ヒロちゃん)という放送作家がいるんですよ。築古のマンションを買って、天井とか水回りとかまでDIYをする男なんです。そんなヒロちゃんと、DIYが得意な後輩芸人の二人に任せています。彼らはDIYが好き。そして僕は誰かに任せたい。つまりニーズが合致しているんです。
――DIYをしている姿を間近で見て「自分もやりたいな」とは思いませんか?
森田:う~ん、数分なら……という感じですね(笑)。事務所のウッドウォール製作は少しだけ手伝いましたよ。ワトコオイルも塗りましたし。根っからの面倒くさがりなので、すぐ飽きちゃうんですよ。僕は何かを作りたいのではなく完成品を見たいんです。「こんな壁を作りたい」ではなく、「こんな壁が欲しい」というだけ。実現すれば何でも良いんです。
――DIYをする時に「基準」のようなものはありますか?
森田:特にないですね。色を合わせるとか、古着に合わせた部屋にしよう、みたいな考えはありません。何となく「こんなんが良い」とヒロちゃんにオーダーしたら、しっくりくるものを作ってくれます。結果的に小物とか服とかと雰囲気が合って良かったです。
ちょっとテキトーでも何とかなる。大雑把DIYが心地良い
――廣川さんや後輩芸人さんのDIYに関して何か不満はありますか?
森田:どれも大体満足していますが、ヒロちゃんが作ったクローゼットの引き出しの立て付けが悪いんですよ。それがちょっと不満ですね(笑)。
あとは、キッチンに置いてある棚もちょっと脚グラついていたんですよね。一番下にゴミ箱を置いて、フタを開けられるように一枚目の棚板をかなり高くしたんです。そうしたら補助パイプが取り付けられなくなって、電子レンジを使うたびに揺れる揺れる(笑)。
応急処置として冷蔵庫で壁に押し付けて圧迫したらグラつかなくなったので、もうそのままにしています。たまにYouTubeのコメントで「大雑把DIY」と言われますが、まぁその通りですね(笑)。事務所のキャットタワーを作った時も寸法を間違えたりと、意外とヒロちゃんも適当なんです。DIY的に良いか悪いかは分かりませんが、僕も適当なのでお互い楽ですね。
テレワークで映る場所に素敵インテリアでカマす
――部屋にある小物やインテリアでお気に入りはどれですか?
森田:コーデュロイのソファは好きですね。アメリカのソファという感じがするんですよ。TRUCKというブランドなんですが、ひと目で気に入ってすぐに買いました。
▲森田さんお気に入りのコーデュロイのソファ
このキャビネットも好きです。Snap-onという工具メーカーが出していて、元々はペンチとかスパナとかを入れるために作られたんです。小分けにできるので小物入れとして便利。印鑑とか爪切りとか入れています。
この照明もお気に入りですね。アメリカの工場にある照明を再現したらしいんですよ。コンビニでは売っていない特殊な電球なんで、替えるのはめんどくさいんですけどね。
あとは照明の奥にあるプロペラとか。スタッフさんとリモートで打ち合わせをする時、僕の背後に映るんですよ。その時「え!? 家にプロペラあるんですか?」というリアクションになるので、スタッフさんに一発カマせるかなと(笑)。全然使ってないんですけどね。
森田部屋を一言で言うと「女子ウケしない自己満足部屋」
――今後DIYで作りたいものはありますか?
森田:スニーカーを置く棚を作りたいですね。コンバースの「チャックテイラー」というスニーカーが好きで集めているので、それを収納したいんです。ある程度そろってきたら、埃が被らないようにアクリルで覆った棚を作る予定です。
▲今もスニーカー収納はあるが、これとは別に棚を作りたいとのこと。
天井に近い部分の壁もウッドウォールにしたいです。エアコンまわりとか、窓の上ですね。でも突っ張り棒を設置できないので、難しいらしく。何か方法があったらやるかな~くらいですね。
――この部屋にタイトルを付けるとしたら何でしょうか?
森田:「女子ウケしない自己満足部屋」ですかね(笑)。男は「良いですね」と言ってくれるんですけど、女子ウケしないんですよ。物が多いですし、思いっきり僕の好みに振っていますし。
でもよく考えたら、この部屋に女子が来ることって、そんなにないんですよね。たとえば月に3日だとしたら、残りは自分ひとりなわけですよ。であれば、女子ウケは別にいらないかなと思っています。
取材・文:中村昌弘 撮影:宗野 歩
WRITER
ライター。「なかむら編集室」代表。住まい・暮らし系のメディアでの取材記事、ビジネス系の書籍の執筆などを手掛けている。 X:@freelance_naka
おまけのQ&A
- Q.インテリアで買い足そうと思っているものは?
- A.古着屋や雑貨屋でアメリカっぽいものを探すのが好き。今は、Leeが出している バディ・リーのフィギュアを買い足そうと思っています。