長谷工コーポレーションは1973年以来、ハワイを中心に中高層建設、戸建て、リゾート開発等数々の海外事業を行ってきました。
そして今、そのフィールドはベトナム等アジア市場にも広がり、さらなる飛躍を目指しています。
2017年3月1日、長谷工コーポレーションのベトナム第一号プロジェクト「THE AUTHENTIC」がベトナム・ハノイにて竣工しました。
長谷工が日本国内で展開する「安全・安心・快適な住まいづくり」を、アジアの成長市場で実現した初めてのプロジェクトです。
THE AUTHENTIC
用途 | サービスアパートメント |
---|---|
総戸数 | 110戸 |
面積 | 58.40㎡~123.90㎡(バルコニー含む) |
敷地面積 | 1626.00㎡ |
構造・規模 | RC造・地上18階/地下1階 |
付帯施設 | ジム、ミニショップ、レストラン |
海外事業へのゼロからの挑戦は、
人生の大きな財産に。
気候風土、文化、材料、建築関連法規等数多くの条件が日本とは異なる中、ベトナムにおいて長谷工第一号物件とはどのような建物であるべきか、長谷工なら何ができるか、という課題にゼロから挑戦したプロジェクトでした。暗中模索の中から調査を行い、試行錯誤を繰り返しながら一歩一歩、事業を推進していきました。
ベトナムと日本では言語の違いはもちろんのこと、考え方や文化、仕事の進め方が異なるため、相互の理解を得るために大変苦労しました。それを乗り越えて業務に取り組めたのも、長谷工の現地スタッフはもとより、現地設計事務所、現場協力会社の「一緒に良い建物を創ろう」という思いと協力があってこそでした。
学生の頃から、東南アジアで住宅供給に関わることを将来の目標の一つとしていました。今回、その夢は達成されましたが、まだスタートラインに立ったばかりです。これからが本格的な海外事業への取り組みになるのだと気を引き締めています。
文化の違いに戸惑いながらも、
長谷工クオリティを伝える歓び
ベトナムは地震が少ない国ということもあり、建物の外壁や室内の壁は「レンガ積み」が一般的ですが、街中には外壁がひび割れた建物等、高品質とは言い難い建物が多く点在しています。
そこで本物件は「ジャパンクオリティ」の実現をコンセプトに、多くの工夫や挑戦を試みました。例えば、将来起こりうる地震に備え、外壁はブロック積みに変更し、鉄筋も入れて強固な壁としました。なおかつ技術研究所でモックアップを用いた実験を重ねる等、品質向上に向けて設計・施工部門が一丸となって多くのこだわりを施した物件となりました。
また言語・文化・慣習の違いから、当社のベトナム人スタッフに対し「品質へのこだわり」や「ルールを守る」という大切さを理解してもらうことは時間がかかり、とても大変な作業でしたが、根気強く彼らと向き合い、対話し続けることで徐々に浸透してきたと実感しています。このような環境下で、現場所員が一致団結し、試行錯誤を繰り返しながら工事を進め、いよいよ足場を解体し建物の全貌が顔を覗かせた瞬間には、これまで味わったことのない達成感でいっぱいになりました。
プロジェクトの成功を受けて、
分譲マンションの受注へ
今回の実績を踏まえ、多くの事業主さまより高い評価をいただき、現在は次なるプロジェクトに向けた準備を進めています。
本物件では外装仕上げ工事を担当しましたが、次のプロジェクトでも「ジャパンクオリティの実現」に向け、ベトナム人スタッフとのコミュニケーションを深め、現場全体をマネジメントできるよう関係者一丸となって取り組んでいきたいと思います。
海外でも「おもてなし」の精神で
未来の可能性を追い求める
現地ベトナム人スタッフ達の教育と管理、建物の維持管理、入居者対応、新規入居者の誘致等の管理運営を主に行なっています。日本とベトナムは風土や文化が違うため、スタッフ達のお客さまに対する言動や清掃作業等について、良く言えばおおらか、悪く言えば細かい点を気にせずいい加減な対応をしてしまうので、教育に関して一番苦労しています。注意をしてもなかなか改善せず、なぜそこまでするのかと理解してもらえないこともありますが、スタッフ達も日本のことをもっと知りたいと努力してくれているので、根気よく接しています。また、対外的にも同じ理由で苦労しており、例えば何かを購入する際に「欠品」「納期遅れ」「商品間違い」「破損」等が多発しているため、確認作業・スケジュール管理には充分気を付けています。
サービスアパートメント※の運営は、賃貸マンション管理業務を行なっていた長谷工ライブネット勤務時の経験を海外で活かすことができており、やりがいを感じます。また、他社との競争が激化している日本と比べると、海外(ベトナム)はまだまだ様々な分野において開拓の余地があると思います。業種や人種を問わず、色々な人たちと会って話したり、見たりしながら、様々な可能性を感じる事に楽しさがあります。
長谷工の海外事業としては、ベトナムの第一号案件完成に続いて、すでに次の事業に向けて動いています。インドネシアで駐在員事務所を開設して、積極的に海外展開している中で、自分も新しい拠点を立ち上げて、ゼロから一つの事業をやり抜ける存在になりたいと思っています。そのためには、まだまだ覚える事も沢山あり、いくつもの困難も乗り越えて行かなければと気を引き締めています。
※サービスアパートメント:家具・家電・ハウスキーピング・フロントサービス付きの賃貸マンションのこと。東南アジアでは、主に外国企業の駐在員等が利用している。
第一号プロジェクトである「THE AUTHENTIC」の成功を受けて、
ベトナムにおいて、分譲マンションの展開に向けた検討が進められています。
ベトナム
「マンションのことなら長谷工」を
ベトナムのスタンダードに
長谷工がベトナムでの分譲マンション事業に本格的に進出するにあたり、ベトナム人の住まいへの考え方やマーケットの調査を行っています。並行して、事業候補となる具体案件が上がってきた際には、各種折衝業務や事業収支の組み立て等も担当しています。
これまで日本で経験してきたマンション販売や商品企画のノウハウは、ベトナムでも活かすことが出来ています。
ベトナムの皆さまに、長谷工が施工したマンションに住んでいただき、その安全性・快適性を認めていただくことで、数年後にはベトナムにおいても「マンションのことなら長谷工」と言っていただくことが私の目標です。