「ドローン」の安心・安全な運用を目指そう
初心者でも楽しめるようになったドローン。その可能性と飛行のルール等について話を伺いました。
「ドローン」の安心・安全な運用を目指そう
空撮ですっかりお馴染みとなった、小型無人航空機「ドローン」。優れた利便性の一方で、落下などの危険性をはらんだ先進の機器に対し、ALSOKではすでに数年前から、「有効利用」と「リスク管理」の両面から対策を検討しています。
今回は、建物点検におけるドローン技術の活用や飛行させる場合のルール等について話を伺いました。
可能性が大きく広がる、有効活用
ALSOKでは、少子高齢化に向けた、警備へのロボット活用の延長線上にある「飛行ロボット」としての位置づけで、ドローンの研究に取り組んできました。現在は警備に関連した産業利用として、メガソーラーシステムのパネル点検業務に関し、ヘリを利用した有人点検に代わる高精度・低コストの点検・施設管理サービスとしてドローンを提供しています。
また、大規模修繕の事前調査に必要な、建物診断の際の外壁調査にもドローンが活躍しています。外壁調査の主な手法は、建物全面への足場の設置や、ゴンドラや高所作業車の使用ですが、事前準備から始まり時間とコストがかかります。さらに高所での作業のため作業員の安全にも配慮が必要になります。
その点、ドローンでは遠隔操作が可能で安全なうえ、ドローンと高解像度の赤外線カメラを活用することで、発見が難しい劣化箇所も赤外線で可視化でき、調査の効率化が実現することになります。
落下する危険性がリスク
一方、過去の事例では2015年に、首相官邸の屋上にドローンが落下、大問題となりました。同機種のドローンは全国で数万台が販売済み。しかもドローンの取り扱いは、ラジコンのヘリコプターに比べ特殊な技術は必要なく、素人でもそれなりに飛ばせます。しかし、実際には、位置関係を確認しながら正確に操作するのは非常に難しいといえます。
そして最大のリスクは「落下」。趣味で購入した人が不慣れなまま操縦し、悪意はなくても過失で落下させてしまう。小型とはいえ落ちてきたものに当たれば命の危険も伴います。
無人航空機の飛行ルール
ドローン(小型無人航空機)には飛行禁止区域が定められています。
自身の私有地であっても、以下の(A)~(C)の空域に該当する場合には、国土交通大臣の許可を受ける必要があります。
許可を受けた後、安全性を確保したうえで飛行させることが可能となります。
ドローンを飛行させる場合は、航空法及び関係法令を遵守し、飛行に必要な準備、整備等が整っていることを確認してから、第三者に迷惑をかけることなく安全に飛行させることが重要です。
ALSOKのリスク対策とさらなる技術開発に期待
ALSOKでは、運用に際して自主基準を設け、約100時間の訓練を経て数々のチェックポイントをクリアした者が飛行にあたり、最大限安全性に配慮しています。
ドローンを安全に正しく使うことによって、生活の利便性が高まり、警備や点検以外にも、物流や災害救助の分野でも、様々なソリューションが実現するよう、さらなる技術の開発が期待されます。