【2024年】住宅購入時にもらえる補助金と減税制度を紹介

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住宅の購入を検討する際に多くの方が悩むことは、資金面の問題ではないでしょうか。一戸建て・分譲マンションのいずれでも、住宅を購入するとなればまとまった資金が必要になります。 ほとんどの方は住宅ローンを利用して購入すると思われますが、少しでも自己負担額が減れば助かるのに、と考える方も多いでしょう。 そこでこの記事では、2024年に利用できる、住宅を購入する際にもらえる補助金や、減税制度について紹介します。

2024年4月現在住宅を購入した際にもらえる補助金には、2つの特徴があります。

 

ひとつ目は、少子化対策の一つとして、若者夫婦および子育て世帯への支援を強化するという点です。

 

現在、政府は「異次元の少子化対策」として、少子化対策や子育て支援に関する積極的な議論を進めています。その中で本格化しているのが、負担の大きい住居費の面で、若者夫婦世帯や子育て世帯への支援を強化しようという動きです。

 

なお、ここでいう若者夫婦世帯とは、補助金申請時において夫婦どちらかが1983年4月2日以降に生まれた場合を指し、子育て世帯とは、補助金申請時において2005年4月2日以降に出生した子がいる場合を指します。

 

ふたつ目は、2050年のカーボンニュートラルに向けて、省エネ住宅の支援を強化するという点です。

 

カーボンニュートラルは、二酸化炭素などの温室効果ガスをできるだけ削減する努力をした上で、排出が避けられない温室効果ガスについては、何らかの手段によって実質ゼロにしようという動きのことです。

 

温室効果ガスの排出量を削減する方法として、再生可能エネルギーの導入や省エネの徹底などが挙げられます。

 

日本の場合、エネルギー消費の約14%を占めるのが家庭であるため、断熱性能の高い住宅や太陽光発電を取り入れた家などへの支援を拡大することで、省エネに本腰を入れようとしているのです。

 

出典:資源エネルギー庁「エネルギー白書2020」

 

 

 

 

ここでは、住宅購入の際にもらえる補助金や助成金について、代表的なものを4つ紹介します。

 

 

 

対象となるのは若者夫婦世帯または子育て世帯で、下記のいずれかに該当する方です。

 

1.省エネ性能の高い住宅を新築もしくは購入する方。分譲マンション購入も可

2.自己所有の住宅を省エネ住宅に改修する方

 

新築住宅は最大100万円、リフォームは最大60万円が補助されます。なお、補助金の申請手続きは登録事業者が行ないます。

 

子育てエコホーム支援事業の詳細はこちら

 

 

 

ZEH(ゼッチ)はネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称です。断熱性能や省エネ性能を上げることや、太陽光発電などでエネルギーを創ることにより、空調、給湯、照明、換気などの年間消費エネルギー量の収支をゼロにすることを目指す住宅のことをいいます。

 

補助金を受け取れるのは、「ZEHビルダー」または「ZEHプランナー」として登録されている施工会社が要件を満たす住宅を新築した場合です。また、高性能住宅のZEH+も補助金申請の対象となります。

 

なお、ZEHは1戸当たり55万円、ZEH+は1戸当たり100万円が補助されます。また、以下の設備を導入する場合、補助金が加算されます。

 

【ZEH住宅の場合】

・蓄電システム(定置型):2万円/kWh(補助対象経費の3分の1または20万円のいずれか低い額)

・直交集成板(CLT):1戸当たり90万円

・地中熱ヒートポンプ・システム:1戸当たり90万円

・PVTシステム:「液体式」1戸当たり65万円もしくは80万円、「空気式」1戸当たり90万円

・液体集熱式太陽熱利用システム:1戸当たり12万円もしくは15万円

 

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH:ゼッチ)補助金の詳細はこちら

 

 

 

高効率の給湯機導入を支援する事業で、対象となるのは下記のいずれかに該当する方です。

 

1.新築注文住宅の建築主

2.新築分譲住宅の購入者

3.既存住宅のリフォーム工事を発注する方

4.既存住宅を購入する方 など

 

給湯設備ごとの補助金額は以下の通りです。

 

1.ヒートポンプ給湯機(エコキュート)1台当たり8万円

2.電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機)1台当たり10万円

3.家庭用燃料電池(エネファーム)1台当たり18万円

 

※ただし、戸建ての場合はいずれか2台まで。

 

原則として、給湯機の設置工事を請け負った給湯省エネ事業者が申請して対象者に還元します。

 

給湯省エネ2024事業の詳細はこちら

 

 

 

ここでは、分譲マンションを購入する際に利用できる補助金について3つ紹介します。

 

 

 

中古マンションの場合はリフォーム時が対象となります。詳細については前項をご参照ください。

 

子育てエコホーム支援事業の詳細はこちら

 

 

 

窓の断熱性能を高めて、冷暖房の費用負担軽減やCO2排出量削減などを目指します。ただし、これはリフォーム(リノベーション)工事を対象とした補助金制度であるため、新築購入の場合は対象外となります。

 

リフォーム事業者が申請して住宅の所有者に還元される仕組みとなっており、工事内容に応じて5~200万円が補助されます。

 

先進的窓リノベ2024事業の詳細はこちら

 

 

 

良質な住宅ストック(既存住宅)の形成や、子育てのしやすい生活環境の整備などを目的とした制度です。中古住宅のリフォームが対象のため、中古マンションでも共用部分が評価基準などを満たせば対象となります。最大250万円の補助が受けられます。

 

長期優良住宅化リフォーム推進事業の詳細はこちら

 

 

住宅購入における補助金制度は国だけではなく、地方自治体においても導入されています。ここでは東京都、埼玉県、神奈川県の補助金例を紹介します。

 

 

 

高い断熱性能を持つ断熱材や窓、高い省エネ性能を持つ照明やエアコンなどを取り入れた住宅に対する助成制度です。

 

令和6年(2024年)10月1日より、再エネ設備の原則設置が要件となるのに併せて、新基準に応じた助成額が設定されます。

 

東京ゼロエミ住宅の新築等に対する助成事業の詳細はこちら

 

 

地元木材を使用した住宅や事務所の建築費用を一部助成する制度です。

 

住宅等の新築・購入、増改築、内装木質化を基準とし、県産木材の使用量1立方メートル当たり3,0002万円の助成が受けられます。

 

県産木材活用住宅等支援事業の詳細はこちら

 

 

 

秦野市への移住・定住促進を目的とした事業で、市外から転入する際にかかる費用の一部が助成されます。

 

また、市内に居住する若者世帯などが新たに市内に住宅を取得する際にかかる費用の一部も助成が受けられます。金額は2060万円です。

 

はだの丹沢ライフ応援事業の詳細はこちら

 

 

 

ここでは新築住宅を購入する際に、補助金と併用できる減税制度について紹介します。

 

 

 

住宅の購入を検討している方なら、住宅ローン控除(住宅ローン減税)という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

これは、住宅ローンを利用して住宅の新築や購入、増改築等をした際に、最長13年間にわたって、所得税や住民税から一定の額が控除される制度のことです。

 

住宅ローン控除の対象となる住宅の種類と、新築に入居する場合の借入限度額・最大控除額は以下の通りです。

 

 

【2024年に入居する新築の住宅ローン控除】

住宅の種類 子育て・若者夫婦世帯
借入限度額
(最大控除額)
その他一般世帯
借入限度額
(最大控除額)
認定長期優良住宅
認定低炭素住宅
5,000万円
(455万円)
4,500万円
(409.5万円)
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円
(409.5万円)
3,500万円
(318.5万円)
省エネ基準適合住宅 4,000万円
(364万円)
3,000万円
(273万円)
その他の住宅 0円 0円

参照:国土交通省|住宅ローン減税

 

 

 

令和8年(2026年)3月31日までに建築された新築住宅の場合、毎年支払う固定資産税が2分の1に減税されます。

 

減税期間は長期優良住宅で最長7年間、一般住宅で最長5年間となっており、床面積が50~280平米の住宅が対象となります。

 

 

住宅を購入するには、多額の資金が必要です。そのため、まだ収入の少ない若者夫婦世帯や、子どもにお金のかかる子育て世帯にとっては大きな負担となります。

 

今回は、その負担を軽減するための補助金や減税制度を紹介しましたので、ぜひ住宅を購入する際のご参考にしてください。

 

また、近頃は光熱費の負担も大きくなっています。現在政府が進めている補助金政策の中には省エネ住宅を対象としたものも多くあるので、新築やリフォームを検討する際は、補助金の対象となるかどうかを確認することも大切です。

 

快適な住まいを手に入れるためにも、制度の内容をしっかりと把握し活用しましょう。

 

 

▶関連リンク:地球に優しく、快適な室内環境を叶えるZEH(ゼッチ)マンションとは?

        マンションの固定資産税はいくら?1億の新築マンションにかかるシミュレーションも紹介

監修者

高槻 翔太

<保有資格>

  • 宅地建物取引士
  • FP技能士2級
  • 日商簿記2級

<プロフィール>

不動産・建設会社で土地有効活用のコンサルティング営業経験(6年)。売買や駐車場の活用、リフォームの提案などに従事。不動産・金融特化のライターとして不動産系メディアでの執筆実績多数。