内装ドア(リビングドア)を交換するメリットは? 費用相場やポイントも解説

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マンションにおいて、古くなった内装ドア(リビングドア、室内ドア)の交換を検討している方もいるかもしれません。内装ドアを交換すれば、ドアそのものの使い勝手の悪さだけでなく、室内の明るさや雰囲気も改善することが可能です。 この記事では、内装ドアの開閉方式を紹介した上で、内装ドアを交換するメリットや交換費用の相場、ドア選びのポイントなどを解説します。理想的な空間づくりのために、ぜひ参考にしてください。

 

内装ドアには、開き方・閉まり方が異なる、以下3つの方式があります。リフォーム時に使い勝手の良いドアを設置するためには、自分のマンションや現状の問題を解決できる方式を選ぶことが大切です。

 

ここでは、各方式の特徴を紹介します。

 

 

開き戸

 

扉が前後に開閉するタイプで、洋室がある住宅の多くで使われる方式です。片開き戸と両開き戸(観音開き)の2種類があります。

 

開き戸には、後述する引き戸と比べて気密性・遮音性・遮熱性が高いという特徴があります。また、引き戸のように扉自体を収納するスペースが要りません。

 

ただし、扉を手前に引く、もしくは押す動作やスペースが必要となるため、力の弱い子どもやお年寄り、車椅子を利用する人などには少し開けづらい方式です。

 

 

引き戸

 

扉を左右にスライドさせるタイプで、押し入れや和室によく使われる方式です。片引き戸・引き違い戸・引き込み戸・引き分け戸の4種類があります。

 

引き戸は力が弱い人でも開けやすいため、お年寄りや障害者がいる家庭などのバリアフリー化におすすめです。また、開けっ放しにするとスッキリ見えるという特徴があります。

 

ただし、引き戸を設置するためには、戸袋と呼ばれる扉の収納スペースが必要です。

 

 

折れ戸

 

開けるときにドアが折れ曲がるタイプで、クローゼットの扉によく使われる方式です。両折れ戸と中折れ戸の2種類があります。

 

狭いスペースでも設置しやすい点が魅力で、開けっ放しにしていても邪魔になりません。

 

ただし、他の種類と比べて設置コストがかかる傾向にあります。

 

 

スタイリッシュなリビングの風景

内装ドアは、長年の使用により汚れたり、傷付いたりします。また、一定期間使用すると、悩みや不満が出てくることもあるでしょう。内装ドアの経年劣化や、内装ドアへの新たなニーズが生じたら、交換に適したタイミングといえます。

 

ここでは、マンションの内装ドアの交換で期待できる、3つのメリットを紹介します。

 

 

 

室内の暗さが気になるなら、ガラスを使用した内装ドアに交換するのがおすすめです。採光性が高いデザインの内装ドアは、隣の部屋などから光を取り込みやすいため、室内の明るさが増すでしょう。

 

また、開放的な印象が加わることで、室内を広々と見せやすい効果もあります。

 

 

 

内装ドアが「洋風」で家具・インテリア雑貨が「和モダン」など、内装ドアとインテリアのテイストが異なる場合、室内の雰囲気にミスマッチが生じやすくなります。

 

内装ドアは、素材・色・デザインによって、多種多様な印象に変化します。好みの家具やインテリアに合う内装ドアを設置すると、室内の違和感が解消されて快適な空間が生まれるでしょう。

 

 

 

内装ドアの開閉方式やデザインを見直すと、以下のような不便さが解消・緩和されることがあります。

 

・ドアを開けたままでは廊下を通れない
・ドアノブ(ハンドル)に子どもの手が届かない
・車椅子に座った状態では開閉しづらい など

 

現状の問題点を洗い出した上で、前章で紹介した3つの開閉方式の特徴を踏まえ、適した内装ドアを選びましょう。

 

 

内装ドアの交換費用は、設置するドアの種類・交換方法・依頼先などの要素で異なります。全体的な費用相場は5万~40万円です。ドア交換における3つの種類と、それぞれの費用相場を見ていきましょう。

 

 

 

既存のドア枠をそのまま残し、扉本体だけを交換する方法です。具体的には、既存のドア枠にリフォーム専用のカバー材を取り付ける「カバー工法」が挙げられます。

 

ドアだけを交換するので壁を壊す必要がなく、工事期間も短く済みます。費用相場は、5万~20万円ほどです。

 

 

 

扉本体とドア枠の両方を交換する方法です。ドア枠が歪んでいる場合や破損している場合はもちろんのこと、既存の内装ドアと異なるテイストのドアに交換する場合も、ドア枠の変更が必要になるでしょう。

 

この方法はドアの周囲にある壁紙の張り替えをともなうため、費用が高くなります。費用相場は、10万~40万円ほどです。

 

 

 

内装ドアの使い勝手や生活動線などを大きく改善するために、別の開閉方式のドアに変える方法です。室内をバリアフリー化する際にも、開閉方式を変えるケースが多く見られます。

 

ドアの周囲の壁を壊すなど大がかりな工事をする必要があるため、最も費用がかかります。費用相場は、20万~40万円ほどです。

 

 

マンションに設置する内装ドアは、気軽に購入できるような安い買い物ではありません。内装ドアを脱着する手間や、ドア周囲の壁への施工を考えると、頻繁には変えられないでしょう。

 

設置後に後悔しないためには、内装ドアを交換する目的や用途を明確化することが大切です。また、限られた予算内で実現したい目的が複数ある場合は、優先順位をつけた上で比較検討することも重要です。

 

白を基調にしたリビングの風景

自分の部屋に合う内装ドアを設置するときは、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

 

 

 

内装ドアの素材・色・デザインは、以下のように部屋のコンセプトやテイストを明確にして、それに合わせることが重要です。

 

・モダン
・和モダン
・カフェ風
・北欧風 など

 

内装ドアを設置する部屋のコンセプトやテイストを明確にすることで、デジタルカタログなどをチェックしやすくなります。

 

 

 

内装ドアと室内の雰囲気に統一感を持たせるためには、内装ドアを床もしくは壁の色に合わせるのがおすすめです。例えば、床が明るめのフローリングであれば、内装ドアも明るめにすることで統一感が生まれます。

 

また、床や壁と同系色の内装ドアを選ぶと、空間が広く感じやすくなるでしょう。

 

 

 

部屋全体のおしゃれ度を高めたい場合は、あえて床や壁などとは異なる色の内装ドアを選び、扉を部屋のアクセントにするのもひとつの方法です。例えば、以下のような組み合わせにすると、自慢のドアを際立たせやすくなるでしょう。

 

・真っ白の壁に、青いドア
・青い壁に、グレーのドア
・ウッド調の壁に、真っ赤なドア
・白やベージュの壁に、青と黄のドアを2つ並べる など

 

 

マンションの内装ドアを交換すると、室内が明るくなる、ドアとインテリアがマッチしやすくなるといったメリットがあります。また、「開閉しづらい」などの不便さも解消可能です。

 

ただし、内装ドアの交換には一定の費用がかかります。設置後の後悔を防ぐために、内装ドアを交換する目的や用途をあらかじめ明確にしておきましょう。

 

内装ドアを選ぶポイントは、「部屋のコンセプト・テイストに合わせる」「床もしくは壁の色に合わせる」「あえて差し色を選ぶ」の3つです。各メーカーのカタログなどで、自分の部屋にぴったりの内装ドアを、ぜひ見つけてください。

 

 

▶関連リンク:ドアの開け閉めをスムーズにしたい。
       ドアの閉まる速度を調節したい。

監修者

高槻 翔太

<保有資格>

  • 宅地建物取引士
  • FP技能士2級
  • 日商簿記2級

<プロフィール>

不動産・建設会社で土地有効活用のコンサルティング営業経験(6年)。売買や駐車場の活用、リフォームの提案などに従事。不動産・金融特化のライターとして不動産系メディアでの執筆実績多数。

撮影:ホリバトシタカ