マンション購入のメリット・デメリット|戸建てや賃貸との比較、階層の特徴も

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マイホームの購入を検討しているものの、マンションと戸建てのどちらを選べば良いのかで決めかねている方も多いのではないでしょうか。また、マンションの「購入」と「賃貸」で迷っている方もいるかもしれません。 そこでこの記事では、マンション購入のメリット・デメリットを戸建てと比較しながら解説します。また、マンションの階層別の特徴、購入と賃貸それぞれのメリットの違いなども紹介しているので、ぜひ住まい選びの参考にしてください。

 

初めに、マンション購入のおもなメリットを戸建てと比較しながら解説します。

 

 

 

マンションは駅の近くや商業施設が集まる場所など、利便性が高い立地に建てられることが多い傾向です。中には、駅に直結している物件もあります。

 

立地の良いマンションを購入すれば、通勤・通学や買い物などの日常生活をスムーズに送れるでしょう。

 

戸建ての場合も、条件の良い土地を見つけて建築することは可能です。しかし、そもそも利便性の高いエリアで土地が売り出されることはそう多くはありません。加えて条件の良い土地は高額であり、購入のハードルは高いといえます。

 

したがって同じ予算なら、戸建てよりもマンションのほうが、利便性の高い場所に住みやすいでしょう。

 

 

 

マンションでは、以下のようなセキュリティ対策がなされています。

 

・エントランスのオートロック
・敷地内の防犯カメラ
・モニター付きインターフォン
・行き先階制限のエレベーター など

 

また、管理人や警備員が常駐している物件や、警備会社と契約している物件も珍しくありません。

 

戸建てでも防犯カメラを設置するなどセキュリティ性能を強化できますが、相応のコストがかかります。初めから一定のセキュリティ性能が担保されており、安心して暮らしやすい点がマンション購入のメリットです。

 

 

 

マンションの構造は、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造が主流です。

 

隙間ができにくい構造のため、木造の戸建てと比べて気密性や断熱性に優れています。気密性や断熱性が高いと冷暖房効率が良くなり、光熱費の削減につながるでしょう。

 

また、構造上建物の強度も高く、火災や地震、台風などによる被害を抑え、住宅として長く使用しやすい利点があります。

 

なお、高気密のマンションでも、設置されている24時間換気システムを利用するなどして定期的に換気をしていれば、汚れた空気が室内に留まる心配はありません。

 

 

 

戸建てでは、自分で敷地を掃除したり、外壁や屋根などの修繕工事を手配したりしなければなりません。適切な管理をしないと、建物の劣化が進行してしまいます。

 

一方で、マンションを購入した場合は、共用部分の清掃や点検を管理会社に任せることが可能です

 

また、建物全体のメンテナンスは、管理組合が策定した大規模修繕計画に沿って計画的に行われます。手間をかけずとも、住環境が良好に保たれる点はマンションならではのメリットです。

 

 

 

マンションの多くは、室内階段がないワンフロアタイプです。さらに、近年は床の段差がないなどバリアフリー設計となっているマンションも増えてきています。

 

複数階建ての戸建てに比べ、シンプルな間取りのマンションは生活動線がスムーズで、小さな子どもがいる家庭でも暮らしやすいのが特徴です。自身が高齢になって体力が低下しても、快適に暮らし続けられるでしょう。

 

 

 

マンションには、以下のような共用施設やサービスがあります。

・24時間対応のゴミ置き場
・宅配ボックス
・フィットネスジム
・ゲストルーム
・コワーキングスペース
・ラウンジ
・コンシェルジュサービス など

 

どのような共用施設・サービスがあるかは、物件によって多種多様です。便利な共用施設・サービスは購入価格に反映されるものの、「時間ができたらこまめにジムで運動する」など、戸建てでは難しい暮らし方を実現できます。

 

また、共用施設で住民同士の新たな交流が生まれるかもしれません。

 

 

 

人によっては、マンション購入においてデメリットに感じる点もあるでしょう。ここでは、マンション購入のデメリットを戸建てと比較しながら解説します。

 

 

 

戸建てを新築する場合は、法律や技術の制限の範囲内であれば、間取りやデザイン、設備を自由に決められます。よって、ハウスメーカーなどと相談しながら、理想の住まいを実現可能です。

 

これに対し、新築マンションを購入する場合は、すでに企画されている物件の中から自分たちのライフスタイルを考慮して選ぶ形になります。間取りや内装、設備のプラン・グレードを変更するオプションもありますが、住まいに強いこだわりがある方は満足できないかもしれません。

 

 

 

自分好みの住まいにするため、中古マンションを購入してリフォーム・リノベーションをしようと考える方もいるでしょう。

 

しかし、マンションの構造や管理規約によって、専有部分でもリフォーム・リノベーションできる範囲・内容に制限が設けられていることがあります。加えて、玄関ドアや窓本体は専有部分に該当しないため、基本的に変更できません。

 

マンションを購入してからの後悔を防ぐには、リフォームやリノベーションに関してどのような制限があるのかを事前に確認しておくことが大切です。

 

 

 

マンションの管理規約には、リフォームのルールの他にも、以下のような内容に関する制限が盛り込まれています。

 

・ペットの飼育
・楽器の演奏
・ベランダでの喫煙
・ゴミ出しの仕方
・駐車場の利用方法 など

 

「ペットを新たに迎えたくなっても飼えない」「好きなタイミングでゴミを室外に出せない」などといったことが、不自由に感じられるケースもあるでしょう。

 

ただし、管理規約による制限は、秩序が守られた環境で住民が快適に暮らすためのルールです。制限されることが、一概にデメリットというわけではありません。

 

 

 

戸建てとは異なり、マンションは上下左右が他の住戸と隣接しています。生活音が比較的聞こえやすいことから、お互いに配慮をしなければならない点は、マンション購入のデメリットといえるでしょう。

 

特に、小さな子どもがいる家庭では子どもが走り回る音や声などが隣人トラブルの原因となりかねず、のびのびと暮らしにくいかもしれません。

 

 

一口にマンションといっても、何階の住戸を購入するかによって、メリットに感じる点に差が出ます。ここでは、大きく分けて「マンション低層階」と「マンション中層階・高層階」のメリットを紹介します。

 

 

 

マンション1階を含めた低層階を購入するメリットは、戸建て感覚で暮らせることです

 

エレベーターを使わなくても外出でき、ゴミ出しや災害時の避難がしやすいメリットもあります。高層階を選んだ場合、日々のエレベーターの待ち時間は、大きなストレスになることもあるでしょう。

 

また、高層階に比べて安価に購入しやすいのも、マンション低層階の魅力です。

 

 

 

マンション中層階や高層階を購入するメリットは、眺望や採光、通風に優れていることです。ただし、敷地が広いマンションや周辺環境によっては、低層階でも採光や通風は十分に確保できます。

 

また、通行人からの視線が気になりにくい点や、不審者の侵入リスクを減らせる点、地上の騒音が届きにくい点も、中層階以上の特徴です。

 

 

 

マンションは、持ち家として購入するだけでなく、賃貸物件を借りる選択肢もあります。

 

ここでは、両者のメリットを比べてみましょう。

 

 

 

賃貸マンションなら、より良い条件の物件が見つかった、住み心地が想像より悪かった、ライフスタイルが変わったなどの理由で、自由に引越しできます。

 

しかしマンションを購入したあとで、転勤などの理由で引越しを余儀なくされた場合には、基本的には空き家にするか、売却するかを選択する必要があります。賃貸に出す選択肢もありますが、金融機関への確認や収支の確認をする必要があるため、手間だと感じる方もいるでしょう。利便性の高いマンションは需要が高いために戸建てより売却しやすい傾向にありますが、住宅ローンが残っているときには完済しなければならず、気軽には引越しできない点に注意が必要です。

 

 

 

購入したマンションは、自分の資産として活用可能です。将来的に、売却して現金化する、賃貸に出して収益化する、子どもに相続させるといった選択肢が増える点は、マンション購入のメリットといえるでしょう。

 

一方で、賃貸マンションの場合は、どれだけ長く家賃を支払い続けたとしても、自分の資産にはなりません。この点から、賃貸マンションは家賃の支払いがもったいないと感じる方もいるでしょう。

 

 

マンションの購入には、立地が良い場所に住める、セキュリティ性能が高い、維持管理の手間が少ないなど、さまざまなメリットがあります。

 

一方で、間取りや内装を自由に決められない、管理規約により生活が一部制限されることなど、マンションの購入をデメリットに感じることもあるでしょう。

 

マンションを購入する際には戸建てと比較したときのメリットやデメリットに加えて、賃貸マンションとの違いも理解した上で検討することが大切です。自身の価値観やライフスタイルなどと照らし合わせ、後悔のない住まい探しを進めましょう。

 

監修者

高槻 翔太

<保有資格>

  • 宅地建物取引士
  • FP技能士2級
  • 日商簿記2級

<プロフィール>

不動産・建設会社で土地有効活用のコンサルティング営業経験(6年)。売買や駐車場の活用、リフォームの提案などに従事。不動産・金融特化のライターとして不動産系メディアでの執筆実績多数。