お風呂の床の黒ずみの落とし方は?汚れの原因と掃除方法、予防策も解説 お風呂の床の黒ずみの落とし方は?汚れの原因と掃除方法、予防策も解説

お風呂の床の黒ずみの落とし方は?汚れの原因と掃除方法、予防策も解説

お風呂の床に付いた黒ずみの原因と掃除方法、予防方法をご紹介します。


question

お風呂の床が何だか黒ずんでいるね。

本当だ。どうしたら落とせるんだろう?

answer

黒カビになる前の黒ずみ汚れには、重曹が効果的なんだニャ!重曹で落ちないときは、クエン酸や漂白剤を使うのがおすすめだニャ。

■ご注意
重曹を使う際、強くこすり過ぎると床を傷付けてしまう場合があるので注意しましょう。また、漂白剤を使用する前に、酸性洗剤のすすぎ残しがないかや、掃除する部分への使用に問題がないかなどを確認するようにしましょう。不安な方はプロの業者へ依頼することをおすすめします。

お風呂の床にできる黒ずみの原因は?

お風呂の床掃除をしている人

気付いたらお風呂(浴室)の床が黒ずんでいたという経験はありませんか?この黒ずみは皮脂汚れやすすぎ残しの洗剤、水垢といったさまざまな汚れが原因で発生します。最適な掃除方法を知るためにも、まずはお風呂にどのような汚れがあるかを見ていきます。

皮脂汚れ・湯垢

浴槽の皮脂汚れ・湯垢

皮脂汚れ・湯垢は、お風呂を使ったときに出る、剥がれ落ちた皮膚による酸性の汚れです。主にお風呂の床や浴槽内に付き、触るとザラザラしているのが特徴です。

すすぎ残しの洗剤

シャンプーやお風呂掃除の洗剤が残留すると、汚れとして残ってしまう可能性があります。洗剤のすすぎ残しによる汚れは、ほとんどが弱酸性で、カビの栄養源になります。

必要以上に泡立つ洗剤を使わないことや、入浴後にお風呂場全体をすすぎ、水切りをすることで予防しましょう。

水垢

水垢

水道水に含まれるミネラル分が汚れとして残り、積み重なったものが白い水垢になります。そこに、皮脂汚れや湯垢、せっけんカスがたまることで黒や茶色の汚れになります。

ただし水垢は、水滴が付き、乾くのが早い場所に残りやすいため、お風呂の床より鏡や壁に付きやすいでしょう。お湯で熱くなり、水滴が蒸発しやすい蛇口やシャワーヘッドも同様です。汚れは同じ性質のものに吸着しやすいため、ミネラル分(水垢)は金属やガラスに付きやすいのです。

せっけんカス

椅子のせっけんカス

せっけんカスは、せっけんの油脂成分と、水道水のミネラル分や人間の体から出た汚れなどが反応して発生する汚れです。
せっけんカスには「金属せっけん」・「酸性せっけん」の2種類があります。金属せっけんは、水道水のミネラル分が原因で、主にプラスチック製品の表面に付着する白い汚れです。酸性せっけんは、人の体から出る酸性の汚れが原因で、床や排水口に付く、ヌルヌルした汚れです。

なお、せっけんカスは油脂でできており、同じ性質の油(石油)からできているプラスチック製品になじみやすくなります。そのため、床より洗面器や椅子などのプラスチック製品の表面に付きやすいでしょう。

赤カビ(ピンク色のぬめり)

壁に付いた赤カビ

お風呂の床に見られる、赤色やピンク色のぬめりは「ロドトルラ」と呼ばれる酵母菌です。皮脂汚れや湯垢、すすぎ残した洗剤類をエサにして、水分、温度という条件がそろうと酵母が繁殖します。「赤カビ」といわれることもありますが、厳密にはカビではありません。

ロドトルラ自体が健康に直接悪影響を与える心配はほとんどありませんが、繁殖力が非常に強く、黒カビの栄養源になる点には注意が必要です。

黒カビ

壁に付いた黒カビ

タイルの目地や床と壁の境目のコーキングなどに見られる黒ずんだ汚れは、主に「クラドスポリウム」というカビ菌です。赤カビやせっけんカスなど、前述した汚れをエサにして繁殖します。

吸い込むと喘息やアレルギー症状を引き起こしたり、肌荒れの原因になったりする恐れがあります。そのため、健康のためにも根が深くなってしまう前になるべく早く落とすことが大切です。

ただし、お風呂の床の黒ずみは必ずしも黒カビというわけではありません。主に黒ずみとは、以下の2つが原因で発生します。

・上記の汚れが、時間経過とともに酸化し、黒ずんでしまったもの
・上記の汚れを栄養源に雑菌が繁殖してしまったもの(黒カビ含む)

掃除をせずに放置をしてしまうと黒カビになってしまう可能性はありますが、黒カビになる前の初期段階であれば十分洗い流せるため、早めの掃除が大切です。今回は、黒カビになる前の黒ずみや黒カビを掃除する方法、黒ずみの予防方法をご紹介します。

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お風呂の床の黒ずみに効果的な洗剤

お風呂の床の黒ずみに効果的な洗剤はさまざまあります。黒ずみの原因によって、使用する洗剤が異なるのでひとつずつ解説します。

重曹

アルカリ性のため、皮脂汚れや湯垢をはじめとする酸性の汚れに使用できます。また、重曹粉末は粒が細かく、クレンザーとしても使用できるため黒カビになる前段階の黒ずみに効果的です。

クエン酸

酸性の性質であるため、水垢やせっけんカスといったアルカリ性の汚れに使えます。そのため重曹で落ちなかった場合に有効です。

水垢やせっけんカス自体は白色ですが、これらに汚れが付着して黒ずみになることがあり、その場合は水垢やせっけんカスを落とさないと黒ずみを解決できません。この汚れを落とすには、酸性洗剤(クエン酸)が必要になります。

漂白剤

漂白剤は「酸素系漂白剤」「塩素系漂白剤」の2種類です。

重曹やクエン酸で落ちない黒ずみは頑固な黒カビであり、これらの漂白剤を使用して落とす必要があります。この記事では後の章で、塩素系漂白剤による掃除方法をご紹介します。ただし、漂白剤は、洗浄力に優れている分、取り扱いに注意が必要です。

お風呂の床の黒ずみを落とす方法

黒カビの初期段階である黒ずみの掃除方法をご紹介します。ここでは、重曹とクエン酸の2つの方法を解説します。最初に重曹を使い、それでも落ちない場合は、クエン酸を使って掃除してみましょう。

重曹を使った黒ずみの落とし方

■所要時間:5分~
■難易度:★★☆☆☆
■掃除頻度の目安:黒ずみを見つけたら

前述した通り、黒ずみのほとんどは、黒カビになる前段階のもので、クレンザー効果のある重曹を使用するのが効果的です。掃除方法は以下の通りとなります。

お風呂の床の黒ずみを重曹で掃除している図

まず、シャワーで床全体に水を流します。その後、重曹粉末を床にまんべんなくまき、ブラシやスポンジでこすり洗いをして、水で流します。重曹が残っていると、滑ってケガをしてしまう可能性があるので、よく洗い流すようにしましょう。

なお、掃除をする際はお湯ではなく水の使用をおすすめします。水なら重曹が溶けないため、クレンザーとして作用します。

クエン酸を使った黒ずみの落とし方

■所要時間:15分~
■難易度:★★★☆☆
■掃除頻度の目安:黒ずみを見つけたら

先に述べたように、水垢やせっけんカスが床に付着することは稀ですが、これらに汚れが付着することで発生した黒ずみにはクエン酸が効果的です。重曹で落ちないときは、一度クエン酸を試すのがおすすめです。

クエン酸水の作成方法

まずクエン酸水を作りましょう。水200mlに対して小さじ1/2のクエン酸を市販のスプレーボトルに入れて混ぜると、簡単にクエン酸水を作れます。

その後、黒ずみにクエン酸水をスプレーし、ブラシでこすります。

クエン酸水パックの方法

それでも落ちない場合は、クエン酸水パックを行なうのがおすすめです。
黒ずみの発生した部分をキッチンペーパーで覆い、クエン酸水を吹きかけて、パックします。そのまま10分放置することでクエン酸が汚れに浸透し、落ちやすくなるでしょう。

ボウルや洗面器に作ったクエン酸水にキッチンペーパーを浸し、それを使ってパックする方法もあります。

なお、作ったクエン酸水スプレーは2~3週間で使い切りましょう

お風呂の床の頑固な黒カビを落とす方法

黒ずみが黒カビにまで成長している場合、重曹やクエン酸では落とせない可能性が高いでしょう。その場合は、漂白剤を使って掃除する必要があります。ただし、漂白や除菌の効果を出すためにも、事前に重曹で余計な汚れは落としておきましょう。

お風呂の床のタイル以外にも、床と壁の境目のコーキングにも黒カビは発生します。今回は、それぞれに頑固な黒カビが生えてしまった場合の掃除方法をご紹介します。

タイル目地の黒カビの落とし方

■所要時間:15分~
■難易度:★★★★★
■掃除頻度の目安:黒カビを見つけたら

タイル目地の黒ずみを塩素系漂白剤で掃除している図

塩素系漂白剤でパックし、水で流して黒カビを落とします。床には、泡やスプレータイプがおすすめです。

コーキングの黒カビの落とし方

■所要時間:30分~
■難易度:★★★★★
■掃除頻度の目安:黒カビを見つけたら

壁と床の境目に付着したコーキングの黒カビ掃除

コーキング(ゴムパッキン)の黒カビには、ジェルタイプの塩素系漂白剤がおすすめです。ジェルタイプは泡タイプと違い、ピンポイントで塗れて、液だれもしないため、無駄遣いなく黒カビに対処できます。
30分放置したら、ゴム手袋を着用し、キッチンペーパーでよく拭き取りましょう。

塩素系漂白剤の注意点

塩素系漂白剤は、有毒なガスが発生するため、換気して使用し、酸性の物質と混ぜないように注意してください。

プロのクリーニングは、自分では落としにくいさまざまな汚れを一気に対処できます。部位や状況に合わせた専用の洗剤と確かな技術で汚れやカビを落とします。汚れが多い場合や、自分では落とせない汚れは、プロの業者に任せるのがおすすめです。

お風呂の床にできる黒ずみの予防方法

床の黒ずみを防ぐには、普段から定期的にお風呂掃除をすることが大切です。こまめに掃除すれば、大掃除をする必要がなくなります。また、お風呂の使用方法を少し変えるだけでも、黒ずみを予防できます。以下で詳しく見ていきましょう。

使用するたびに床をシャワーで洗い流す

お風呂を使用するたびに、シャンプーやコンディショナーを洗い流すことで床が黒ずみにくくなります。なお、皮脂汚れは水だけで落とせないため、今回ご紹介した重曹粉末を使って掃除しましょう。

水気を取る

シャワーで床を洗い流した後、さらに水気を拭き取ると黒ずみ予防の効果が高まります。早く乾かすことで、黒ずみの原因となる雑菌や黒カビの繁殖を防げるためです。水気を取るときには、マイクロファイバークロスやスクイージー(水切りワイパー)などを使うとよいでしょう。

アルコール水を使った床の除菌方法

その際にアルコール水を吹きかけると除菌、防カビの効果があります。ただし、アルコール水は濃度が下がると効果がないので、床が完全に乾いてから吹きかけましょう。

換気をする

お風呂の温度を下げて、湿度をため込まないことで、カビや水垢が発生しにくい環境を作れるため、黒ずみ予防になります。

お風呂の換気方法

換気する際は、お風呂の換気扇を回してドアを少し開けると、2つ通気口を作れるため、スムーズに換気できて効果的です。

また、浴槽のお湯を残さないようにすると、湿度の上昇を防ぐことに有効ですよ。

くん煙剤を使用する

くん煙剤とは、カビの原因となっている成分を除去し、カビの発生を防ぐものです。2か月に1回の頻度で使用するのがよいでしょう。

お掃除のミカタ

さまざまな場所に使える「重曹」!

今回の記事でご紹介した重曹は、お風呂に限らず家中の掃除に効果的です。というのも、重曹は粒子が細かく、弱アルカリ性や発泡性、吸湿性などの性質を持っています。そのため、酸性のしつこい汚れを落とすのに最適です。また、自然由来の素材で食用として料理にも使われる重曹は、環境にも人体にもやさしいので、環境保護や安全性の観点でも注目されています。

重曹は掃除の場面ごとに、粉末状と重曹水の2つのタイプを使い分けできます。粉末は、粉を振りかけてその上からこすり、クレンザー効果を利用する方法です。それに対して重曹水は、濃度1%の重曹水を作ってスプレー容器に入れて吹きかけて掃除する方法で、気になった箇所へ手軽にスプレーして掃除できることが特徴です。掃除する場所に合わせて使い分けましょう。

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床の黒ずみは簡単に掃除できるんだね。

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監修 本橋 ひろえ ナチュラルクリーニング講師

本橋 ひろえ

北里大学卒業後、化学薬品会社で合成洗剤の製造を経験。2006年より、東京を中心にナチュラルクリーニング講座を開催。子どもやペットがいる家庭でも安心してできる、環境や肌にやさしいクリーニング方法を伝えている。テレビ、ラジオ出演や雑誌の取材協力など、メディアでも活躍。「ナチュラルお掃除大全」「やることの「見える化」で掃除をラクにする方法」(ともに主婦の友社)、「家じゅうピカピカ!ラクチン大そうじ虎の巻 ナチュラル洗剤で安楽早」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、著書多数。