マンションにおける部屋の「匂い」と「臭い」の違い|原因や消臭施工も解説

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マンションの部屋に強いにおい(匂い・臭い)が漂っていると、日々の暮らしや、物件を賃貸・売却する上で問題になることがあります。そのため、マンションの部屋のにおいには、「なるべく生じさせない」「生じたら消臭する」といった対応が必要です。 この記事では、におい(匂い・臭い)という言葉の意味や感じ方の違い、部屋のにおいによって生じる諸問題、おもな原因、においをつけないコツを解説していきます。

マンションの部屋に漂うにおいには、「匂い」と「臭い」の2つがあります。ここではまず、言葉の意味と人の感じ方から、それぞれの違いを見ていきましょう。

 

 

 

言葉の意味や使い方で見ると、においを表す漢字「匂い・臭い」には以下のような違いがあります。

 

匂い:花の匂い、心地よい匂いのような好ましいにおい

臭い:タバコの臭い、ゴミの臭いのような不快なにおい

 

なお「臭い」は「くさい」と読むこともできます。

 

 

 

においの感じ方は、人によって違いがあります。例えば、香水などでも、人によって「良い匂い」「嫌な臭い」と感じ方が異なるでしょう。

 

このように、においは明確な区別が難しいため、ここからは匂い・臭いを区別せず、「におい」という表現を使って解説していきます。

 

 

 

マンションの部屋に強いにおいがあると、日常生活を送ったり、自宅を売却したりする上でさまざまな問題が起こりやすくなります。ここからは、具体的にどのような問題が起こるのかを見ていきましょう。

 

 

 

マンションなどの集合住宅では、構造上、玄関ドア・換気扇・ベランダなどから、隣や上下階の部屋ににおいが流れてしまいます。「臭くて窓を開けられない」「洗濯物を干せない」などのストレスから、住民同士のトラブルになることもあるでしょう。

 

 

 

部屋のにおいは、服や髪にうつります。あまり好ましくないにおいがついた服で仕事などに行くと、周囲の迷惑になることもあるでしょう。

 

また、子どもの髪や服から、タバコなどの明らかに子どもらしくないにおいが漂っていると、幼稚園や学校などから注意を受けることもあるかもしれません。

 

 

 

自分の家のにおいには慣れているため、あまり気にならないものです。一方で、親戚や知人の家に入って、その家の独特のにおいを感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

自分では気付かない自宅のにおいが、来客に不快感を与えてしまう可能性もあります。

 

 

 

部屋のにおいが強すぎると、マンションを貸す・売る際の支障にもなり得ます。その場合には、部屋のにおいを後述する施工で消すことも可能です。

 

しかし、施工前に内見対応をすると、賃貸・購入希望者に不快感を与えることもあります。「部屋の見た目は良いけれど、においが強すぎる」と思われてしまえば、賃貸や売却が難しくなるかもしれません。

 

 

 

部屋の中ににおいが漂いやすくなるおもな原因として、以下の7つを紹介します。

 

 

 

換気扇やコンロにこびりついた油汚れ、生ゴミなどはにおいのもとです。料理をしたときの湯気や飛び散った油などが床・壁に付着すると、換気をしてもなかなかにおいがとれなくなります。

 

リビングなどで鍋料理や焼肉などをする機会が多い場合も、部屋ににおいがつきやすいため注意が必要です。

 

 

 

室内で犬や猫などのペットを飼っていると、以下のようなにおいが室内に漂いやすくなります。

 

・ペットそのもののにおい(口臭・体臭)
・トイレのアンモニア臭
・ペットフードのにおい など

 

また、ペットに歯周病がある場合には、食べ物が腐敗しているような生臭いにおいが強くなります。

 

 

 

人間の汗や皮脂などのにおいも、壁紙・カーテン・ソファ・カーペットにこびりつきます。部屋のにおいを改善するためには、そこで生活をする家族全員が毎日の入浴で体を清潔に保つことも大切です。

 

 

 

タバコには、悪臭の原因となる以下のような化学物質が含まれています。

 

・アンモニア
・ニコチン
・ホルムアルデヒド
・タール など

 

吸う場所に気を付けていても、喫煙者の息や髪からタバコ臭が漂います。

 

また、タバコにはにおいの問題だけでなく、タールで壁紙なども汚れる問題もあります。将来的にマンションを貸したり売ったりする場合は、非常に厄介です。

 

 

 

エアコンは室内の空気を取り込むため、例えば部屋で焼肉などをすれば、その煙やにおいを吸い込むことになります。また、エアコン内部には汚れやホコリが多く、カビが繁殖することも少なくありません。

 

清掃をせずに放置していると、エアコンを使ったときに内部のカビのにおいが室内に放出されて、においが発生してしまいます。

 

 

 

排水口まわりは、水垢・食べ物のカス・汚れなどによってにおいが生じやすい場所です。

 

また、排水管には、害虫やにおいの侵入を防ぐために「封水」が溜められています。長期の不在によって長く水道を使わないなどの場合には、封水の水位が下がって、下水のにおいが室内に入ってくることも少なくありません。

 

 

 

カビは、室内のさまざまなところに発生する可能性があります。換気があまりされていない湿気の多い部屋や浴室などは、特に注意が必要です。

 

そのカビが空気中を漂うと、発生場所だけでなく部屋全体にカビが広がる可能性もあります。

 

 

写真協力:ブランシエラ四街道駅前

マンションの部屋のにおいを防ぐためには、日々の暮らしの中で以下5つの方法を実践するのがおすすめです。

 

 

 

まずは、定期的に換気をすることが大切です。換気をするときは、すべての窓を開けてこもった空気や悪臭を一気に外に出すと良いでしょう。

 

すべての窓を開けることが難しい場合には、対角線上にある窓を開けると、空気が流れやすくなります。部屋の窓が一つしかない場合は、サーキュレーターや扇風機で空気の流れを作るのがおすすめです。

 

 

 

肉・魚・野菜などの生ゴミが、水分と高い温度で腐敗すると、雑菌が繁殖し強いにおいを発するようになります。そのため、収集日には必ず生ゴミを捨てるようにしましょう。

 

また、灰皿も悪臭の原因になります。蓋付きの灰皿を使ったり、吸い殻も生ゴミ同様に早めに捨てたりする工夫が大切です。

 

 

 

部屋のにおいを防ぐためには、室内の掃除や、寝具・カーペットなど布類の洗濯を定期的に行なうことも大切です。洗濯や掃除が億劫に感じがちなソファや寝具などは、掃除や洗濯しやすい素材や商品にするのも良いでしょう。

 

ペットを飼っている場合には、人間の生活環境だけでなくペットの寝床やトイレもきれいにしておくことで、においを防ぎやすくなります。

 

 

 

エアコンを毎日使う場合、2週間に1度のフィルター掃除が必要です。使用頻度が低くとも、月1回を目安にフィルターをきれいにすると良いでしょう。

 

また、フィルターを定期的に清掃すると、冷暖房の効きが良くなり、節電効果も期待できます。

 

 

 

タバコは、マンションなどの住宅にとって百害あって一利なしといえるでしょう。中には、換気扇の下だけで吸う方もいますが、煙がダクトを通って隣の家に流れることもあります。

 

タバコをどうしても家で吸いたいなら、タバコ臭対策におすすめの空気清浄機を使い、特定の部屋だけで喫煙することも解決策のひとつです。

 

 

マンションを賃貸や売買取引をするにあたり、「内見前ににおいを消したい」「買った物件のにおいが気になる」という場合には、プロに消臭(脱臭)施工を依頼する方法もあります。

 

依頼する場合には、以下の要素で消臭にかかる費用や日数が変わるため、押さえておきましょう。

 

・においの種類
・においの程度
・においの面積
・薬液(施工方法)
・各業者のメニュー など

 

消臭施工を依頼する際には、複数の業者に問い合わせをして、相見積もりをとることをおすすめします。

 

 

マンションの部屋のにおい(匂い・臭い)には、生ゴミ・タバコ・カビといったさまざまな原因があります。部屋のにおいを定着させないためには、日々の換気やゴミ捨て、エアコンフィルターの清掃などが大切です。

 

また、マンションの部屋を賃貸・売却するのであれば、今回紹介したように消臭施工をプロに依頼するのも良いでしょう。

 

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監修者

高槻 翔太

<保有資格>

  • 宅地建物取引士
  • FP技能士2級
  • 日商簿記2級

<プロフィール>

不動産・建設会社で土地有効活用のコンサルティング営業経験(6年)。売買や駐車場の活用、リフォームの提案などに従事。不動産・金融特化のライターとして不動産系メディアでの執筆実績多数。

撮影:ホリバトシタカ