お風呂をリフォームしたい!適切なタイミングと費用相場、補助金について

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お風呂は毎日利用する場所だからこそ、経年劣化しやすい傾向にあります。 劣化した箇所の修繕のためにお風呂のリフォームを検討する場合、3種類の工法について理解しておくと適切な工法を選びやすくなります。また、フルリフォーム・部分リフォームによって費用が異なること、リフォームに使える補助金や助成金についても把握しておくと良いでしょう。 本記事では、お風呂の種類を踏まえ、リフォームに適したタイミング、費用相場、補助金の概要について解説します。

お風呂と一口にいっても、ユニットバス、ハーフユニットバス、在来工法の3種類に分けられます。お風呂の種類と特徴を把握した上で、具体的なリフォーム内容を検討しましょう。

 

 

ユニットバス(システムバス)とは、浴槽・壁・天井・床など、規格化されたパーツを組み合わせた商品のことです。

 

各パーツを組み立てるだけでリフォームが完成するため、工事期間が短く、費用も比較的安く抑えられます。全体的に継ぎ目がない構造で、水漏れしにくいこともユニットバスの特徴です。ただし、パーツの大きさが決まっているため、浴室のサイズに合わないケースもあります。

 

ユニットバスでは、次のようにさまざまな素材が用いられます。素材ごとのメリット・デメリットを押さえておきましょう。

素材の種類 メリット デメリット
FRP(繊維強化プラスチック)
  • 価格が最も安い
  • 普及率が高く、好みのサイズやデザインを選べる
  • 傷やヒビ割れを修復しやすい
  • 傷がつきやすく、汚れが目立ちやすい
  • 汚れ防止のコーティング剤も経年劣化で剥がれる
人工大理石
  • 樹脂製で安価でありながら、見た目に高級感がある
  • 汚れが付着しにくい
  • ポリエステル製は安価だが、アクリル製は高価
  • 傷がつきやすい
ステンレス
  • 金属製で耐久性が高く、サビや変色も起きない
  • 保温性に優れる
  • 水垢がつきやすく、掃除がしにくい
  • 温度や湿度の変化で塗装が剥がれる
ホーロー
  • 保温性、耐水性、耐熱性に優れる
  • カビが発生しにくく、汚れも付着しにくい
  • 価格が割高
  • 重量があるため2階以上の設置に不向き
  • ガラス質が剥がれた場合、ユニットバスごと交換が必要
木製
  • 木材の香りでリラックス効果が得られる
  • 耐久性の高い木材はメンテナンス次第で長く使える
  • カビが生えやすいため、毎日のお手入れが必要

上記のような素材のメリット・デメリットを把握した上で、ニーズに合った浴槽を選ぶことが大切です。

 

 

 

在来工法とは、部屋の大きさに合わせて施工するオーダーメイドの浴室のことです。タイル張りの浴室など、昔ながらのお風呂が在来工法に該当します。

 

ユニットバスと異なり一から作るため、浴室の大きさを問わず、好みの素材を使用できるのが大きなメリットです。木材を使用したり、窓を自由に配置したりと、自分好みのお風呂を作りたい方には在来工法が適しています。

 

ただし、簡単に組み立てられるユニットバスと異なり、費用が高額で工事期間も長くなる傾向にあります。一般的な部屋に防水加工を行なう施工方法のため、経年劣化によるひび割れや水漏れが発生しやすい点に注意が必要です。

 

 

 

ハーフユニットバスとは、浴槽の高さまでをユニットバス、浴槽から天井までを在来工法にする工法です。

 

ユニットバスは床・壁・天井が規格化されているため、お風呂のサイズや形状によっては入らないことがあります。天井に傾斜がある、壁の一部に出っ張った部分がある場合、ハーフユニットバスであれば間取りを変えずにリフォームが可能です。

 

ハーフユニットバスは在来工法と比べ、リフォーム費用を安く抑えられます。ただし、浴槽から上の部分は部屋に合わせた施工が必要になり、施工内容によってはユニットバスより割高になります。

 

 

 

一般的に風呂の寿命は15年~20年であり、このタイミングでリフォームをするのがおすすめです。給湯器の寿命は10年~15年と短いため、2回目の交換時にリフォームしても良いでしょう。

 

ただし、寿命はあくまでも目安であり、使用頻度やお手入れによって寿命のサインが出ることもあります。タイルや浴槽などにヒビが入る、カビが発生する、換気扇の効果が落ちる、排水溝から臭いが生じる、といったサインが代表的です。

 

リフォームせずに放置すると、湿気や水分による木材の腐食、白アリ発生など、家屋にも被害がおよぶ危険性があります。そのため、寿命のサインが出た時点で、早めにリフォームをしましょう。

 

また、冬の寒さ対策や家族の介護など、利便性の面でリフォームするケースもあります。

 

 

現在のお風呂からリフォームする費用の相場を、お風呂のタイプ別に解説します。

 

 

 

在来工法からユニットバスにリフォームする場合には、70万円~150万円程度の費用が必要です。在来工法のリフォームは基礎のコンクリートを解体する必要があり、ユニットバスの交換よりも費用が高くなります。さらに、ユニットバスの素材やグレード、大きさによっても費用が変動します。

 

素材については、FRPや人工大理石が比較的安く、ホーローや木材などは高めです。サイズが大きいほど費用が高くなり、水栓の種類、断熱材や暖房換気乾燥機の有無など、グレードの違いも費用に影響します。

 

なお、ユニットバスは戸建て用とマンション用があり、マンション用だと価格がやや高めであることが一般的です。

 

 

 

在来工法からハーフユニットバスにリフォームする場合、50万円~200万円程度が費用の相場とされています。金額に幅がある理由は、ハーフユニットバス本体の素材、グレード、追加工事の有無などで費用が変動するためです。

 

リフォーム費用を安く抑えたい場合には、素材のグレードを下げる必要があります。ハーフユニットバスへのリフォームは、予算や工事期間を考慮した上で使いやすさやデザインを決めることが大切です。

 

 

 

在来工法のお風呂を、再度在来工法でリフォームする場合、50万円~200万円程度の費用がかかります。浴槽や壁材、天井材の交換など、小規模のリフォームであれば費用を安く抑えられるでしょう。

 

一方、既存の物を使わずに在来工法で新たに作り直す場合は、150万円~250万円程度の費用が必要です。費用が高額になる反面、こだわりのお風呂の実現や介護しやすい空間作りなど、在来工法ならではの自由度の高さを活かせます。

 

 

 

現在のユニットバスを新しい物に交換する場合、費用の相場は50万円~150万円程度です。ユニットバスのグレード、オプション追加の有無によって費用が変動します。

 

ユニットバス本体のグレード、オプションの内容に対する費用の相場は次の通りです。

ユニットバス本体のグレード 費用相場
低グレード 50万円~75万円     
中グレード 65万円~100万円
高グレード 85万円~200万円超
オプション内容 費用相場
追い炊き機能 3万円~4万円
ジェットバス 15万円~30万円
浴室換気扇 2万円~5万円
浴室暖房乾燥機 6万円~20万円
床暖房 10万円~15万円
手すり 1万円程度/1本
浴室テレビ 3万円~14万円

 

お風呂をフルリフォームする場合、数十万円~100万円以上の費用がかかります。費用をなるべく安く抑えたいなら、劣化した部分のみリフォームすることも可能です。

 

部分リフォームにおける、費用の相場は次の通りです。

ユニットバスのパーツ交換
  • 浴槽:20万円~
  • ドア:5万円~
  • 壁面:8万円~
  • 床面:4万円~
浴槽の交換 10万円~50万円
浴室の塗装 10万円~20万円
壁の張り替え
  • フィルム:8万円~20万円
  • 塗装:10万円~20万円
  • タイル:10万円~15万円
  • 樹脂パネル:10万円~30万円
天井の張り替え
  • フィルム:3万円~6万円
  • パネル:4万円~7万円
床材の張り替え
  • シート:5万円~15万円
  • タイル:10万円~
  • 部分補修:3万円~

部分リフォームであれば、10万円前後の費用で済む場合があります。ただし、使用する素材によって費用が変わるため、リフォームの際は見積りを取った上で検討することが大切です。

 

 

リフォーム費用の捻出が難しい場合、補助金や助成金を活用することも可能です。次に、お風呂のリフォームに利用できる、代表的な補助金制度について解説します。

 

 

 

要支援・要介護認定を受けている場合、介護保険による自宅改修費の申請が可能です。

 

自宅の介護スペースを確保する目的として、手すりの設置やバリアフリー化、引き戸への交換などの工事が対象です。

 

<介護保険における住宅改修費>

支給限度基準額20万円のうち、最大9割の18万円が支給されます。

 

住宅改修費の申請はケアマネジャーを通す必要があること、償還払いのため工事費を立て替えてから返金される点に注意しましょう。

 

 

自治体によっては、お風呂や水まわりの工事に補助金・助成金を支給しています。

 

<地方自治体の補助金・助成金>

自治体によって詳細は異なりますが、リフォーム費用の5%~30%程度を補助することが一般的です。

 

 

なお、リフォームの目的が介護や子育てに限定される、施工業者は地域の業者に限る、一定の申請期間があるなど、自治体で対応が異なります。補助金制度の実施状況、具体的な内容などは、在住の市区町村のホームページで確認しましょう。

 

 

長期優良住宅化リフォーム推進事業とは、国土交通省が実施する国の補助金制度です。耐震性や断熱性など、住宅性能を向上させるリフォームに対して補助金が支給されます。

 

 

<長期優良住宅化リフォーム推進事業による補助金>

補助率:工事費用の1/3
限度額:評価基準型の場合100万円、認定長期優良住宅型の場合は200万円

 

認定長期優良住宅とは、住宅を長持ちさせる基準で設計し、申請の上で自治体に認定された住宅のことです。

 

劣化対策・耐震性・省エネ対策の必須工事に加え、ユニットバス化や浴室の増設、手すりの設置などの改修で補助金を受けられます。ただし、リフォーム会社側が申請する必要がある上に、事前のインスペクション(現況検査)など手続きが多い点に注意が必要です。

 

 

 

お風呂のリフォームで失敗しないために、事前に知っておくべき注意点を解説します。

 

 

 

ユニットバスを選ぶ際、カタログだけではではなくショールームで実物を見ることが大切です。お風呂に収まるサイズかどうか、素材の質感や本体の機能に触れておくと、リフォーム後のイメージがわきやすくなります。

 

ユニットバスも進化しており、次々に新しい機能が登場しています。リフォーム費用を節約するためにも、本当に必要な機能かどうかを見極めることが大切です。

 

 

 

マンションのお風呂をリフォームする際、管理規約を必ず確認しましょう。ほとんどのマンションは管理組合に申請書類を提出し、理事長の承認を得なければ工事ができません。

 

お風呂が専有部分であっても、共用部分の影響でリフォームの制限があるケースもあります。また、上下左右の住民へ工事挨拶も必要になるため、リフォームの前にオーナーや管理会社に問い合わせが必要です。

 

無許可で工事すると、工事の停止や原状回復の要求など、トラブルに発展するおそれがあるため慎重に対応しましょう。

 

 

 

リフォームを検討する段階で、複数の施工業者から相見積もりをとり、工事内容や価格をチェックしましょう。あまりにも格安な業者を選ぶと、追加の工事費用が発生するなど、かえって高くつくことも否定できません。

 

見積りで金額をチェックするだけでなく、追加工事の有無や詳細な費用など、きちんと説明してくれる業者が望ましいでしょう。特に、リフォームは予期せぬトラブルが発生しやすいため、アフターフォローの充実度も確認が必要です。

 

 

お風呂の工法は3つに分類され、フルリフォームだと100万円以上の費用がかかる場合があります。リフォーム費用を抑えたい場合には、素材やグレードを低くする、あるいは部分リフォームが効果的です。

 

補助金の申請も可能ですが、リフォームの目的などの条件があるため事前に詳細を確認しておくことをおすすめします。また、マンションのお風呂をリフォームする場合には、管理組合の規約を必ず確認しましょう。

 

監修者

マンションプラス編集部