神奈川県藤沢市藤が岡
藤沢市初の円滑化法による神奈川県最大規模(従前戸数)の建替え
マンション建替えの概要
住民間の密なコミュニケーションにより、 決議不成立を乗り越えて建替えが実現
藤沢住宅は1965年に日本住宅公団にて分譲された7棟170戸の団地でした。築後30年に修繕専門組織の中長期計画策定委員会が設立され維持管理を続けていましたが、 築後45年の2010年頃には老朽化が進み、繰り返されるガス漏れや排水管からの水漏れや赤水、窓枠の不具合や電気容量の不足、そして住民の高齢化に伴うバリアフリーの検討などの問題が生じました。
そうした中、東日本大震災があり旧耐震基準の建物であった事や団地周辺の古い公団賃貸住宅が高層マンションへ建替えられる等、周辺環境の変化もあり早く再生検討を進めなくてはいけないという機運が高まったことから、築後46年の2011年に建替え推進決議の可決に至りました。2014年7月に区分所有法70条の団地内の建物の一括建替え決議を行い、全体として89%の建替え賛成を得られましたが、1棟で1票足りず、棟の要件の3分の2に満たないため不成立となりました。
しかし全体で9割が賛成している事実を重視し、コンサルタントやデベロッパーが建替えに賛同されない権利者との個別面談を重ねて建替えの不安解消に向けた対応を行い、理事会は、趣味のサークルやお祭りを通じて建替えを日常の話題としてコミュニケーションを図ってきました。建替えのプラン策定では、権利者皆様の多岐にわたるご要望に応える為に、30タイプ以上の間取りを用意しました。そうした活動が実って、2014年、二度目の建替え決議にて無事成立しました。
新しいマンションは南向きの高台を活かした開放感あふれる15階建ての総戸数360戸のマションに生まれ変わり、120人と多くの権利者にご入居いただくことができました。