マンション建替え経験者の声
建替え委員の皆さま
建替え事業から10年。
当時のエピソードや思い出を
お伺いしました。
2000年の「さいたま新都心」駅の開業から再開発の波により道路拡幅の都市計画決定のため、建替えを余儀なくされました。ちょうど自分の部屋が道路拡張事業に伴い、削られる位置にあたったので、自宅がなくなってしまうのかと焦りました。
当時、私は管理組合の理事長でしたので、市から管理組合として方針を決めて欲しいと話がありました。建物の一部解体や曳家(ひきや)という手法も提示されましたが耐震性の問題や資産価値の下落などの懸念がありましたので、「建替え」しかないと思い、私から区分所有者の皆さんに「建替えましょう。」と声を上げました。
初めはゴミ置き場が一部なくなるくらいの予定でしたが、道路拡幅計画の見直しにより、私の部屋も同じように削られる位置となりました。建替えたらやはり戸数や面積に影響はあるかもしれないとは思いましたが、建替えに賛成しました。
都市ガスがきてない場所だったので、オール電化マンションでした。大きな電気温水器が部屋の中にあってスペースをとっていました。うちは、丁度、電気温水器が壊れて新しく換えたところでした。
エレベーターがなかった。当時はまだ若かったのでそれほど気にはならなかったが、歳をとった今じゃ考えられないですね。
建替え決議までの間に、毎月、委員会のメンバー7名くらいと長谷工さんが集まってよく議論していました。月に2回という時もあったから合計20回近くは委員会を開いたと思います。皆よくあんなエネルギーがあったなと思います。
最後は全員一致となりましたが、初めは住戸選定でもめましたよ。敷地は狭くなりましたが、何とか従前の戸数と同じ計画に収まったものの、余分の住戸が無いわけだから、希望が重なったらどうにもならない。私が今と同じにしようと提案しました。階数も面積も。そうでないとまとまらないと考えました。補償金だけ貰って出ていきたいという人もいましたが、全員一旦は建て替えたマンションを取得して戻るというルールも決めました。
新しいマンションのコンセプトは、「長持ちして安心安全に暮らせる」こと。後で変えられないところに拘りました。それと最先端の技術も取り入れました。高遮音(住宅性能表示制度による最高等級と同水準)はそのひとつです。これは本当にすばらしいですよ。全く外に音が響かないので、上下階の音のクレームもありません。他にはオール電化や床暖房、ペアガラスなどの断熱仕様による省エネです。
間取りは、各々の希望を反映してもらい、全住戸違います。長谷工と個別に打ち合わせをして決めました。
エントランスの扉ですが、手動の開き扉から自動ドアにしてもらいました。車いすもスムーズだと思います。
マンションの場合、上下階の騒音トラブルがつきものですが、それが全くない。もっと高遮音の普及をすすめたら良いと思います。
現場見学の際、外部階段の手摺りの立ち上がりの高さが気になりました。防犯上の懸念によるものでしたが、侵入防止のための柵を高くしてもらったおかげで、外部から侵入し辛い感じになったと思います。また、反省としては管理室のスペースをもっと広くすべきだった。ここで理事会を行う予定でしたが、機材があとから入ったので、狭くて会合ができなくなってしまいました。
大変満足です。仮住まい中は1階の薄暗い部屋で昼間も電気を付けていましたが、今は日当たりも眺めも良好です。新しいマンションに帰ってくるのを指折り数えて頑張った甲斐がありました。
この街がこんなに変わるとは思いませんでした。敷地が道路に取られてしまいましたが、何もなかった街が こんなに便利な街になったし、住まいも自分仕様になったのでずっと住み続けたいと思っています。
建替えはみんなの夢です。忍耐は必要でしたが夢が叶いました。個性的なメンバーでしたが、引っ張るリーダーがいてそれを信頼してバックアップしてくれるメンバーがいました。
普段から長谷工さんの管理を見ていて信頼していましたから、長谷工さんに安心してまかせることができました。私達は長谷工のファミリーですよ。
長谷工担当者からのコメント
長谷工担当者
長谷工担当者
今回のインタビュー取材には、当時の建替え委員会のメンバー並びにそのご家族にもご参加、ご協力をいただきました。ご参加いただいた皆さまはひとつの家族のように仲が良く、これも建替え事業というご苦労を共にされたことが大きいと感じました。
家族の大黒柱のリーダーシップとそれを支える個性的なメンバーで構成された委員会、何度も議論を重ね、その内容は区分所有者の皆さま全員で共有する。そこにお互いの信頼感が生まれ、ひとつの家族のようにまとまることが出来た。そして、皆さまの地道な取り組みや忍耐が、建替え事業という夢を叶える。 建替え事業成功の鍵がここに凝縮されていると思いました。
また、長谷工についてはその家族の一員とのお言葉にてご評価いただき、大変光栄に存じます。 建替え事業から10年超が経過しましたが、マンションの管理や修繕などこれからも弊社グループとのお付き合いが続きます。 「長谷工も家族の一員」であると思い続けていただけるよう、我々社員一人ひとりが努力を重ねていかなければならないと皆さまのお話を伺い、改めてそう思い直す機会となりました。