離婚を機に新築マンションを購入した31歳男性。ピカピカのキッチン3LDKで暮らす理由

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3年前にさいたま市内の新築マンションを購入したBさん。3LDK・71㎡という一人暮らしとしてはゆとりある広さの物件を選んだ理由や、住まい方のこだわりなどを伺いました。

――Bさんがこちらのマンションを購入されたのは、2020年の秋だそうですね。何かきっかけはあったのですか?

 

Bさん(以下、敬称略):実は引っ越しは離婚がきっかけだったんです。結婚していた頃は賃貸住宅に住んでいたのですが、どうせ引っ越すなら買ってしまおう、と。

 

――それは随分思い切りましたね。

 

B:まあ、そうですね(笑)。でも、一生ここに住むと強く決心して買ったわけではないですし、何年か経って価格がいい具合に上がっていれば売却することもやぶさかでないと思っています。賃貸を借り続けるより、いろいろな面で分譲の方がメリットが大きいのではないかと考えまして。

▲一人には十分すぎるほどの広さがある3LDKの物件。廊下には何も置かれておらずすっきりと整えられている。玄関から入ってすぐの1部屋は物置に、またリビングと接する1部屋は洋服やバッグ類を収納するスペースとして使用。

――購入するにあたって、価格の目安などはありましたか。

 

B:35年ローンを組んだのですが、今の収入を基準にしたというよりは、これから少しずつでも上がっていくということを見込みつつ、無理なく返済できる物件を、と考えました。月々の支払額は、賃貸住宅の頃の家賃よりは上がりましたね。広さもだいぶ広くなりましたし。

 

――2人暮らしの頃よりも広いというのはおもしろいですね。71㎡というと、子どもが小さければ3〜4人家族でも十分住めそうです。

 

B:そうですよね。実際のところ、このマンションに住んでいる方はほとんどがファミリーなんですよ。学校も近いし、大きな公園もあるから、ファミリーで住むにはぴったりなのだと思います。

 

――ここの物件に決められるまでには、いろいろなマンションを見て回られたのでしょうか。エリアはこの近隣に限定しましたか?

 

B:5軒くらいは見て回って検討しました。エリアにはそんなにこだわらなかったのですが、勤務先が京浜東北線沿いなので、できれば1本で通えるところがいいと思い探しました。僕は実家も埼玉なので、これまで住んできたのも県内が多かったんですよね。3歳から25歳くらいまでは、学生時代に半年くらい都内でルームシェアをしていた以外はほぼ実家暮らし。25歳で初めて一人暮らしをすることになって、埼玉県蕨市に引っ越しました。結婚してからもだいたい同じエリアに住んでいて。最後は埼京線沿線でしたが、ここからもそんなに遠い場所ではありませんでしたね。結局、埼玉が好きなのかもしれません。

▲開放感のある、広々としたベランダ。最上階の7階からの眺めは最高。目の前に遮るものがないので、遠くの山々も見渡せる。

――このマンションを購入した決め手は何でしたか?

 

B:生活をする上で、何をするにも不便しなさそうだと思ったのが一番大きかったでしょうか。大きなスーパーも近くにありますし、飲食店もいろいろある。駅まで徒歩で10数分かかるとはいえ、散歩と思えばちょうどいいくらいの距離ですし、商店街を通るのがまたいいんです。車はありませんが、少し離れた場所に行く時には自転車に乗ればいいので。あとは、この眺望がとにかく良かった。目の前が小学校なので、将来的に高層マンションが建つようなこともなさそうだと思って、ここにしよう!と。晴れた日には富士山も見えるんですよ。夏は暑いのでほとんどベランダに出ることはありませんが、涼しい時期は最高ですね。ベランダの広さも魅力です。あとはウォークインクローゼットがついていたことかな。

 

――本当に眺望がいいですね。7階でも目の前が開けているので、空が広く感じます。ところで一軒家ではなくマンションを選んだ理由は?

 

B: 実家が一軒家だったので、単純にマンションに住んでみたいという気持ちはずっと持っていました。それに、マンションって楽ですよね。一軒家の場合、庭の手入れや設備のメンテナンスなど、いろいろ自分でやらないといけないことがあるじゃないですか。それに比べて、マンションって家の中だけ掃除していればいいので。あと、マンションに住んでみて一軒家と違うなと思ったのは、外空間との距離があること。防犯面などでも安全だなと感じています。ただ、最上階に住んでみたら、意外と地震の時に揺れるなとは思いました(笑)。

▲料理をしないこともあって、シンクもコンロもピカピカに保たれているBさんのキッチン。一応炊飯器もあるが、「ご飯を炊くことはほとんどありません」とのこと。

――Bさんのお宅はとにかくきれいでピカピカですよね。3年近くお住まいとはとても思えないほど。入居したばかりの家のようです。

 

B:まあ、あまり家で過ごす時間がないので、生活感がないのかもしれません。料理は全くといっていいほどしないので、キッチンもほとんど汚れませんね。もし今後売却することになったら、キッチンは汚れていないほうがいいじゃないですか。もちろん、今後再婚することがあれば、妻にはどんどん使ってもらいたいですけど。

 

――家にいる時には何をしていますか? リモートでお仕事されることもあるのでしょうか?

 

B:いえ、リモートでできる仕事ではないため、コロナが猛威を奮っていた時も必ず出勤していました。仕事を持ち帰ることは一切ないので、帰宅したら、筋トレをするか、のんびりYouTubeを見るか、という感じです。学生時代からバスケットボールをやっていて、今も職場のチームに入っているので、体を動かすのは好き。筋トレに器具は一切使わず、すべて自重で。ストレッチマットを敷くスペースを確保するために、リビングエリアにはいろいろ置かないようにしています。

▲趣味は自重トレーニング。マットを敷いて行うため、ソファ前の空間には物を置かず、常に広いスペースを確保している。

――インテリアのこだわりはありますか? また、購入時に床や壁の色や材質は選べたのでしょうか。

 

B:部屋のタイプによって床や壁の色は違っていたと思いますが、自分で選ぶことはできなかったはずです。家具にこだわりは特にありません。ただ、ダイニングテーブルの後ろにあるキャビネットは25歳で一人暮らしを始めた時に買ったもの。収納力もそれなりにあるし、空間の邪魔にならないデザインなので、気に入って今も使っています。

▲白やベージュを中心にまとめられた、明るく清潔感のある空間。10年選手のキャビネットも新品同様で、丁寧に扱われてきたことがわかる。

――最後に、将来的な住まいのイメージについてお聞かせください。

 

B:そうですね、先ほどもちらっとお話ししたように、できればもう一度結婚して、家庭を持ちたいなと思っています。子どもができたら、常に家族の気配を感じるような、子どもと顔を合わせやすい間取りの家に住むのもいいですね。転職は全く考えていないので、基本的には今の職場に通いやすい場所がいいですが、相手あってのことなので(笑)、どうなるかはわかりません。ただ、この家はとても気に入っているので、ここに長く暮らしてもいいかなとは思っています。

 

 

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取材・文:山下紫陽 撮影:ホリバトシタカ

 

WRITER

山下紫陽
ライター / 編集者。オンラインメディア、会員誌やフリーペーパーなどで、建築、アート、カルチャー、ライフスタイル全般の記事の執筆やインタビューなどを行っている。デザイン関係のトークイベントなどでファシリテーターを務めることも。

おまけのQ&A

Q.マンションのコミュニティについてはどう考えていますか。
A.このマンションはファミリー層が中心ということもあり、隣の方と顔を合わせたら挨拶する程度で、特に意識したことはありませんでした。ただ、先日知り合いから「自分の住んでいるマンションにはサークルがあって、麻雀とかをやっているんだ」という話を聞いて、面白そうだなと思って。活動の内容次第ではありますが、もしこのマンションにもそういうサークルができたら、参加してみてもいいなと思っています。僕のように独身で気軽に参加できる人がいれば、活動も活発化するんじゃないでしょうか。