マンションのトイレをリフォーム!5つのチェック項目やトイレの種類などを解説

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マンションのトイレは、リフォームの需要が高い設備のひとつです。ただ、マンションでトイレリフォームをする場合、戸建て住宅とは異なる注意点がいくつかあります。また、トイレの場合、選ぶ種類によって費用相場も大きく変わってきます。納得のリフォームをするのであれば、それぞれの特徴を知っておくことも大切です。 この記事では、マンションのトイレリフォームで選択されるトイレの種類や費用相場、リフォーム前の確認ポイントなどを解説します。トイレのリフォーム工事を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

トイレリフォームには、設備が古い・汚い・壊れたなどのネガティブな理由で実施されるイメージがあると思います。ただ、マンションのトイレの場合、新築マンションの「新しいトイレ」に対してリフォームが実施されるケースもあります。

 

ここではまず、マンションにおける「古いトイレ」と「新しいトイレ」におけるリフォームの目的や特徴を見ていきましょう。

 

 

 

中古マンションの購入時や長く住んでいる物件において、トイレの調子が悪い・古いトイレを新しいものに変えたい……となったときがリフォームのタイミングとなるでしょう。

 

トイレの便器やタンク類は、そう簡単に壊れるものではありません。ただ、温水洗浄便座などには寿命があります。それらの調子が悪くなったときに「修理するか?交換するか?」の選択になるでしょう。

 

新しいトイレの多くは節水・節電性能に優れており、中には、従来と比べて7割前後の節水ができるモデルもあります。トイレリフォームには手間や費用がかかりますが、節水・節電ができることから中長期的に見れば費用対効果が高くなる傾向です。

 

 

 

分譲マンションのトイレには、高機能ではなくスタンダードなものだったり、オプション設定がなかったりするケースがあります。この場合、より高い性能や快適性を求めて、自分好みのハイグレードなトイレにリフォームする人も少なくありません。

 

 

 

マンションのトイレリフォームでは、以下4つの種類から自分の好みやマンションの構造に合うものを選ぶことになります。

 

 

 

タンク・便器・便座のパーツが別々になっている、従来からあるタイプになります。価格相場は10~30万円程度です。一体型やタンクレストイレと比べて、手頃な価格のものが多い種類となります。

各パーツが分かれているため、壊れたときにも「便座のみ」のような交換が可能です。

 

 

 

タンク・便器・便座のパーツが一体化した種類です。すっきりとしていて、掃除もしやすいデザインになります。「手洗い付き」と「手洗いなし」が選べることも特徴です。

 

価格相場は12~25万円程度になります。

 

 

 

その名の通り、便器洗浄用の水を溜めるためのタンクがないトイレで、各メーカーこだわりの機能が搭載されています。高さも抑えられており、一体型以上にコンパクトですっきりとした見た目のため、トイレ空間を広く使いたい方におすすめの種類です。

 

価格相場は12~40万円程度です。

 

 

 

カウンターやキャビネットなどの設置で既存の配管などを隠し、ワンランク上のトイレ空間にするものです。インテリアトイレと呼ばれることもあります。価格相場は22万円~です。

 

 

 

マンションにおけるトイレリフォームの費用は「現状」+「どのトイレや材料を使いどこまで求めるか?」「どこに依頼するか?」などの要素で変わります。

 

ここでは「40万円未満」「40~80万円未満」「80万円以上」の3つに分けて、実施可能なリフォームの範囲や事例を紹介します。

 

 

 

40万円未満の場合、トイレ本体の入れ替えが中心です。この価格帯では、機能性向上やタンクレストイレへの交換といった目的が多くなります。ただ、例えばトイレ本体を安いものにすれば、背面にキャビネットを付けることなども可能です。

 

 

 

40万円以上のトイレリフォームになると、トイレ本体の交換に加えて、ほかの設備が古い・窮屈などといった空間面の変更もしやすくなります。トイレ空間がもともと広い場合、手洗いを新たに取り付けることも可能です。また、旧式の古くて大きめの手洗いを、コンパクトなものに変えるケースもあります。

 

 

 

80万円を超えると、以下のように空間全体の快適性やデザイン性などを変えるリフォームが多くなります。

 

・壁材を調湿素材にする
・バリアフリー化する
・ホテルや店舗のトイレのようなオシャレ空間にする など

 

 

 

マンションにおけるトイレリフォーム工事は、戸建て住宅とは少し勝手が異なります。ここでは、マンションでトイレリフォームを無駄なく進めるために注意すべきポイントを確認しましょう。

 

 

 

マンションでは、区分所有法によって住人がリフォームできる範囲が決められています。個人がリフォームできるのは「専有部分」であり「共用部分」のリフォームはNGです。

 

専有部分とは、自室の玄関からサッシの内側までです。一方で、生活排水に関わる設備配管を通すためのパイプスペース、廊下、階段、エレベーターなどは、共用部分になります。このことから、マンションの住人が行なうトイレリフォームでは、原則として排水管の位置を変えるような工事はできません。

 

また、共用部分にある給排水設備の工事ができない場合、マンションでは新しいトイレの増設も難しいといえるでしょう。

 

なお、マンションでリフォーム工事を行なう際には、管理規約の確認と管理組合への相談が必要です。リフォームをしたい場合は、早めに相談したほうが良いでしょう。

 

 

 

トイレには、床排水と壁排水という2つの排水方式があります。

 

床排水とは、その名の通り、便器下の床に排水する方式です。床排水には、排水管が見えない特徴があります。一方で壁排水は、排水管が壁から出ている方式です。「後ろ抜き」「左右抜き」「室内排水立管」の3種類があります。

 

さらに各方式には、排水芯の高さや排水管の形状の種類、便器後方の壁から排水管までの距離にいくつかの種類があります。給排水の設備方式やマンションの構造に合うトイレを選びましょう。

 

 

 

かつてのマンションでは、集合住宅という性質上、給水圧力が低い物件ではタンクレストイレを設置できないケースがよくありました。ただ、近年では、給水圧力のコントロールが可能なブースター付きのトイレ製品も増えてきています。

 

マンションでタンクレストイレの設置を希望するときには、給水圧力のチェックと低水圧でも使用可能なトイレ製品を検討したほうが良いでしょう。

 

 

 

ウォシュレットなどがなかった時代に建てられたマンションには、トイレの室内の電源コンセントがないこともあります。トイレ空間に新しい製品を設置する場合、コンセントを使えるようにするための電気工事も必要です。電気工事をするとなれば、コストも増え、トイレリフォームの工期も長くなる可能性があります。

 

 

 

広々としたショールームでは、座り心地が良い大きな便器・便座を選びがちです。ただ、自分のマンションに合うトイレ選びをする上では、その便器を自宅に設置した場合に「窮屈にならないか?」や「隅々まで掃除できるか?」などのチェックも大切になります。

 

特に子どもがいる家庭では、成長後に身体が大きくなる想定も必要です。また、高齢になってもそのマンションで暮らし続ける場合、手すりの設置や、車椅子でも入りやすい設計への変更などもゆくゆく考慮する必要があるかもしれません。

 

 

今回は、マンションにおけるトイレリフォーム費用の価格帯や施工事例、トイレ製品の種類、トイレリフォーム時のチェックポイントなどを紹介しました。

 

マンションのトイレリフォームを行なう場合、排水方式などの構造を確認するとともに、マンション管理組合への相談や管理規約などのチェックが必要です。また、給水圧力が低い物件があることも、集合住宅であるマンションならではの注意点になります。

 

マンションでトイレリフォームを実施する際には、信頼できるリフォーム会社を探した上で、現場調査や製品選びなどを早めに進めていくようにしてください。

 

 

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監修者

高槻 翔太

<保有資格>

  • 宅地建物取引士
  • FP技能士2級
  • 日商簿記2級

<プロフィール>

不動産・建設会社で土地有効活用のコンサルティング営業経験(6年)。売買や駐車場の活用、リフォームの提案などに従事。不動産・金融特化のライターとして不動産系メディアでの執筆実績多数。